HISTORY & STORY

4.27.1996

TOUR DE HAKUBA 白馬岳をスキーでめぐる4日

TOUR DE HAKUBA
白馬岳をめぐる4日
KISYA
1996年4月27~30日


白馬岳肩から柳又源頭へ
連休を利用、北アルプス三泊四日の山旅でした。営業小屋をつかって軽いパック
と軽いテレマークスキーで軽快にたのしめました。

ルート 二股ー大雪渓ー白馬岳ー雪倉岳ーレンゲ温泉ー白馬大池ー栂池ー金
山沢ー二股

メンバー ミゾーヴェ、ひろゆき、ドニー、ローラ、愛理、春水、汽車

 1996年4月27日 晴れからガス 八方ミソラノのテレマーク宿、ポカラ、朝
8時発。

 二股に車をおいて、大雪渓へむかう。白馬主稜を目指すヤマ屋が多い。大雪渓を
つめるのはわれわれ7人と、謎のテレマーカーひとり。大雪渓は安定しているよ
うに見えるが確信はない。7時間から8時間で白馬山荘着。今年初めての客とか
で、前日ヘリであがったテレビクルーに取材される。この日は登りだけ。

4月28日 晴れ 8時、白馬頂上を踏んでから、柳又源頭にすべりこむ。陽気
が暖かく、適度な雪質で快適。謎のテレマーカーの前日のシュプールがある。源
頭のどこかでテントをはってこのあたりをすべりまくろうというプランなのかも
しれない。気合いのある人だ。天気がよいのでのんびりといく。雪倉岳着12時。
レンゲ温泉から上がってくるスキーヤーが10にんほど。彼等のさきを越して、
東面の荒されていない斜面をいっきに滑る。レンゲ温泉着4時。

 この宿はよくしられているけれど、乾燥室がないのと、リビングや部屋に暖房設

備がなく、濡れものが乾かない、くつろぐ場所がないという二重苦でまいった。布団に
入ってお酒を飲んでいるうちに眠ってしまった。

4月29日 またまた晴れ レンゲ温泉を8時ころ出発。白馬大池着10時。ヘ
リスキーヤーのシュプールでゲレンデ化した斜面をさけ乗鞍岳直下のきれいなバー
ンをいっきにすべる。成城大極荘経由栂池ヒュッテへ。3時着。大雪渓に昨日か
今日発生したと思われる大デブリを発見。夜、明日、本当に金山沢を滑るのか、
と一部謀反分子が出現。全日の好天で雪崩が心配なのだ。現地で明日きめようと
問題を先延ばしするミゾーヴェリーダーだった。

 小屋の食事は山小屋としては上出来だと思った。

4月30日 まだまだ良い天気 雨がふる前にと、7時出発。栂池自然園をクロ
スし金山沢源頭の2301メートルにのぼる。ま、大丈夫だろうと、金山沢には
いる。滑りは快適、大雪渓出会いまでは一時間くらい。アという間だ。猿倉から
さらにぎりぎりまでスキーをはき、二股着11時。露天風呂で汗を流す。
 
 個別には何度か滑ったルートが多いが、全部を一度に通して、サークルを完成す
るというのがリーダーの提案したテーマだったので、当初の思惑どおりのパーフェ
クトな山行でした。

4.20.1996

ソルトレ-クシチ-の岩場

WASATCH NORTH CLIMBNG AREA ,UTAH, USA

ソルトレ-クシチ-近郊リトルコットンウッドキャニオンの岩場
伊藤忠男
 PEMBA SHERPA FLASHED! "GREEN ADJECTIVE"
 
1996年の4月、ソフトウェア-・ハウスのWORK・SHOPに参加した帰路ソル  
トレ-クシチ-に滞在する友人を訪ね、すぐ近くのClimbing誌やHighE  
xposureでよく目にするリトルコットンウッドキャニオンで、クラッシックだ  
がすばらしい感触のクラックに手を付けた。
ブラックダイヤモンドの本社に行けば分厚いトポが手に入るし、ル-トはプリ・ボル  
トも含めて着々と増え続けていて、uodate版が貧相な装丁ながら数冊出ている  
。リトルコットンウッドは小川山と似たハイフリクションの花崗岩だが、一本北にやは  
り東西に分け入るビッグコットンウッドキャニオンは石灰岩とチャ-ト系で、今日的  

なハ-ドなル-トがひしめいている。どの壁も車を降りて数分からせいぜい30分の  
アプロ-チで壁は1ピッチのものから5ピッチ程度のものまである。4月は一年のう  
ちでもっともウェットとトポに書かれてある通り、雪ばかり降っていたが、陽が射す  
と南に面した壁はみるみる乾く。2日間だらだらやって7本のル-トを登った。低グ  
レ-ドでがっかりするひとも多いかもしれないが、内容とそれは別のように考えさせ  
られる印象的なル-トを紹介したい。

4/20  GateButtress/グリ-ン・アドジェクティブ 5.10-

フェ-スに走る美しいフィンガ-クラック。スタ-トから5mはピトンスカ-で、ち  
ょっと恐い。この部分はトポにはボルトがあるが、実際はない。多分抜いちゃったん  
だろうと思う。クラックの両側は上部に溜まった雪が溶け落ちるせいで濡れている。  
ビレイテラスは雪が30cm積もっているが狭いので、緊張する。5m上がって、ロ  
ックスの#3をセット。サイズはフィンガ-だが良く見るとスタンスが結構あって、  
なるほど見た目ほど難しくはない。最上部の数メ-トルはシンハンドに広がってテラ  
ス。

4/20 CrescentCrackButtress/ザ・コフィン 5.9

高い位置にあって高度感抜群の、非常に美しいフェ-スクラック。トポにはNotT  
oBeMissedとコメントされているほどだ。スタ-トは5.8だがとっても恐  
いランナウトトラバ-ス。足もスリッピ-で緊張する。クラックに入って、フレンズ  
#1をセット。クラックは全体に弓なりにカ-ブしていている。核心は中間部で、や  
や決めずらいオフフィンガ-だが、クラック自体が左右ややオフセットしているので  
縁に手をかけやすく、助かる。高度感がすごくてうれしくなってきた。ル-フに押さ  
えられて終了。

4/21 GateButtress/グリッド・アイアン・ウオ-ル 5.8+

有名な低グレ-ド3つ星ル-ト”スク-ル・ル-ム”の取り付き下部にできたプリ・  
ボルトの新しいル-ト。5.8+とはとても信じられない。まず被り気味のクラック  
にフレンズを決めて、上のダイクにマントルで立ち込むがこのム-ブは5.10b。  
多分リ-チだと思う。上のダイクに一発で届けば、随分違う印象になるだろう。そこ  
から50mフルにある真っ白なスラブを紆余曲折していくが、ボルトは5本で、いち  
いちランナウトする。ライン取りは巧妙でうかつに行くと5.10cのム-ブにもな  
ってしまう。ボルト間をいったり来たり繰り返しているうちにアドレナリンが増えて  
きたのか、いい気分になって下降点のあるテラスに達した。

4.14.1996

HAUTE-ROUTE1996

HAUTE-ROUTE1996

シャモニガイド協会のオートルート シャモニ・ツエルマット6日間に参加
伊藤文博
マッターホルンの横を滑る 

 
行程 
 1996年4月14日 シャモニ-グラモンテスキー場-アルジェンチェール小屋
 15日 -トリエント小屋-シャンペックス-ベルビエールスキー場-モンフォート小屋
 16日 -ディス湖経由ディス小屋
 17日 -ピンダローラ-ヴィネット小屋
 18日 -レヴェークのコル経由トレント小屋
 19日 -ツエルマット
 
 メンバ 
 渡辺賢二、黒川春水、伊藤文博
 
 シャモニガイド協会主催のシャモニ・ツエルマット6日間コースに参加。
 
 ジャンとシルヴァンという名のガイド、お客は11人、フィンランド人二人、
 オーストラリア人一人、イタリア人一人、あとは僕ら日本人三人とフランス人
 
 。テレマークスキーは僕ら三人と、オーストラリア人のジョージ(数年前蔵王
 坊平に居候していた)の四人。
 
 
 北周りのフランスルートをとりましたが、天候にめぐまれたいへん愉しめまし
 た。二日目に二日分の行程をこなしたため、余裕ができ、5日目、6日目はヴ
 ィネット小屋からトレント小屋経由ツエルマットという大回りコースをとりま
 した。
 
 うわさどおりのアルパインスキー向きのツアールートでしたが、テレマークス
 キーでもなんとかなりました。急斜面とアイシーなバーンが多い。トラブルは
 ありませんでした。ほかにも十人くらいのテレマーカーをみかけました。今回
 のために取り付けたクトーが有効的でした。 
 
 ガイドつきなので、マイペースというわけにもいかず、早発、早着、休みなし
 の、シャモニガイド流のスピードツアーでした。パックも5キログラム!くら
 いとチョー軽モード。天気がいいのだから、途中で深雪をすべったり、して遊
 べばいいのに、とも思いましたが、シャモニーガイドは頑固に昔からのやり方
 を踏襲していました。スピード、イコール、セイフティということなのでしょ
 う。小屋には午後早くにつくことが多く、のんびりとした半日をすごしました
 。
 
 同じグループの客は中高年が多く、体力もありスキー技術もたいへんうまかっ
 たです。若いグループも多く、ガイドレスでツアーしているひとたちもたくさ
 んいました。天気がよければ、ま、大丈夫なのでしょう。
 
 宿帳には数日まえに訪れたTAJメンバーの名前も二人ほどみられました。テ
 レマークでオートルートをツアーするのはいまやそんなに珍しくないようです
 。日本人でも、僕が知っているかぎり、少なくとも一ダース以上はいるでしょ
 う。
 
 十年前の竹内利春氏あたりがパイオニアのひとりといえるとおもいます。アゾ
 ロのエクストリームとカルフエクストリームの組み合わせだった、といいます
 。僕らは皮靴がふたり、プラスチックがひとり。ジョージョはターミネータを
 はいていて歩きにくそうでした。
 
 ハイシーズンのため、各小屋とも大入満員状態でした。次週にスキーマラソン
 があるとかで兵隊さんが多かった。急斜面をストックの股制動で直滑降するト
 レーニング中の選手にもあいました。雪がいくらかすくなかったのか、スキー
 を脱ぐことはありませんでしたが、ゴールデンウイークころだと歩くところが
 でてくるでしょう。
 
 シャモニにもどり、モンブラン登山とスキー滑降を計画していましたが、さし
 もの好天がくずれあきらめました。