草津山スキー
皆様: 以下の計画無事終了しました。 芳ヶ平ヒュッテ付近にベースキャンプを設け、 1日目 池ノ塔への尾根の途中から、 2日目 大平湿原の斜面、 をのんびりと滑りました。 日中の気温が春並に高かったせいなのか重い湿雪で、 スキーを回すのが大変でした。 今回は雪はいまいちでしたが、 芳ヶ平近辺には良い斜面が多くあり、 ヒュッテの雰囲気もすばらしいので、 やはり何度行っても良いところだと改めて思いました。 青木邦彰
青木氏の報告に追加します。 今回は怪我人が2名でましたので反省を込めてレポートいたします 2月8日(土) 雪面の状況: 表面から3cmがクラスト気味、その下25cm程度がパウダー で、パックされた底がある。 パック面とパウダーの接合は弱層はあるが、トラバースして切れるほどではな い。 (斜度があれば、もちろん話は別) 天気予報: 晴れのち雨。天候悪化がわかっていたので、朝1で出発するはず が、寝坊をして9時30分ごろの遅い出発。 芳ヶ平ヒュッテ着が11時00分ごろ。荷物をテン場にデポをして、池ノ塔山の尾 根を登り始めるのが11:30。 女性メンバーの体調が悪く、夏道までもたどり着けず、尾根コースをそのまま 降ることとする。この時14時頃。 夏道まで登ってトラバースして入る谷コースが日影で、雪質がいいことはわ かっていた。 時間切れとなり状況の悪い尾根コースを下ることになった。 朝からピーカンに晴れた日、このころには雲量が増え始め、強いサンクラス ト。 下り始めてすぐ、クラストにトップを喰われ石塚が前のめりに転倒。スキー トップで左眉の上を3cmくらい切る。 出血し、サージカルテープも貼れないのでティッシュを当てテーピングテープ で鉢巻して圧迫。 痛みは無い。5分ほど止血した後、そのまま滑って全員でヒュッテに戻る。 女子メンバーの体調は回復せず、夕食後ヒュッテに素泊まり。他はテント泊。 反省点: 睡眠不足と出発時間の遅れ、体調不良を訴えたメンバーをすぐ降ろ さなかったこと。 その結果、天候の変化により雪質が悪化した中を降るはめになったこと。帽 子を着用していなかった。 良かった点(あたりまえ): 医薬品、ツェルトなど、万が一行動不能になっ た場合でも必要な道具が揃っていたこと 2月9日(日) 前夜から降雪>暴風雪となる。朝はガスが激しく行動できず。9時頃から天気が 急速に回復。風は強いが晴れはじめる。 雪面の状況: 暖気が入ったため、重い新雪が降り、天候回復とともに表面が急 速に溶けはじめる。前日クラストとなっていたところは、強風で新雪が積もらず直接 太陽と風にさらされていた。 池ノ塔など、芳ヶ平から上部は風の影響で条件が悪いことが予測された。下部の 大平湿原へのピストンを最小限の装備でする。 滑走は、春の湿雪のような状況 で困難だがそれなりに楽しめた。 登り返しの時には、表面から水分を吹くような状況で滑走が危険な状況。 昼食後、荷物を背負って大平方面経由での下山は危険と判断し、通常のツアー コースを降ることとする。 激しいブレーカブルクラストで足を取られる。そんななか女性メンバーが転倒。 右足首をひねってしまう。 ボキッという音を聞いたとのことで、靭帯か骨かしばらく様子を見つつ、その先 の下山コースの状況を説明する。 ヒュッテからはせいぜい500m程度の場所なので、自力で滑って下山できなければ ヒュッテまで担ぎ返すこととなる。 本人の判断では、滑れるとのことなので下山を継続する。 下山コースの雪の状況があまりにも悪いので、彼女の荷物を私が前にかかえ、状 況が良くなるまで空荷で下らせる。半分程度下ったところで、大丈夫とのことで荷物 を返し下山する。 草津スキー場パトロール併設の診療所で、骨にヒビが入っている可能性があると のこと。 後日、ヒビ2箇所が確認された。 反省点: 下山できたことは結果オーライではあるが、途中で再度転倒などしてしまえ ば行動不能になることが予測される。 (転倒したところからであれば、背負ってでも2時間程度でヒュッテまで帰 れた。) 自力下山できるかどうかの判断を、ツアーの経験が多いとは言えない当人に 任せたこと。 ブレーカブル・クラストの危険性を充分伝えなかったこと。 良かった点: 万が一行動不能になっても、翌日以降の救援を待つ充分な装備があったこ と。 リーダーとしてグループを率いる責任と、的確な判断の難しさを実感いたしました。 自戒を込めて。 石塚