HISTORY & STORY

6.03.2023

雁坂峠と雁坂嶺(秩父往還)

9時間半の静かなハイキング

date 2023年5月30−31日

member 伊藤フミヒロ 記

5月31日 水曜日

前の日の午後にでて、中央道勝沼ICからフルーツラインで牧丘道の駅へ。近くに花かげの湯(外来は510円)があってのんびりできます。塩山の盆地はブドウ畑でびっしりです。天気は悪くありませんが梅雨時なので南アルプスなど見えません。

山の上のほうはピンクのつつじ

下のほうはだいだい色のつつじ

何度目かの奥秩父主脈にアプローチするトリップ

今日歩いたトラック

梅雨の山は静かでいいね


朝5時に始動。国道140号を秩父(雁坂トンネル)方面に10kmほどドライブすると有名な西沢渓谷ハイキングの駐車場に着きます。地図をよく見ると古道雁坂道(秩父往還)の入り口は少し離れた三富道の駅(標高1130m)が近いようです。戻ってクルマをおいて5時45分にはスタート。天気はまずまずですが奥秩父主脈の高い山には雲がかかっています。


1時間半ほどは舗装林道を歩きます。旧国道かと思いましたが、雁坂トンネルができる前、クルマで秩父に抜けることはできなかったわけですから、この道はただの林道、というよりもトンネル工事のときの取付道路だと思います。


林道終点から山道に入ります。沢に沿った細道をいきますが、左側足もとは深い谷です。支沢を分け、川原にでて右岸へ危ない渡渉。その先から急坂が始まります。いちど峠沢(固有名詞)を左岸に渡ります。再び急坂、その先で開けた笹の斜面があらわれて峠は近いか、と思わせますが道は山腹を大きくトラバースしてとなりの尾根へ、また急坂ジブザグ道になってようやく雁坂峠、10時15分。4時間半かかりました。

標高2080m、こんな高い峠を昔のひとは歩いたのだろうか? 石仏のようなものは一切ありません。でも峠の案内では馬もいっしょに歩いたようです。

ほかに道がないので用事があればこの峠を利用したのでしょう。北には信州川上村からつづく十文字峠があります。雁坂峠同様に秩父どんづまりの栃本にでます。どちらも長い。



国道140号雁坂トンネルにつづくアーチ橋をくぐります

森から笹原にかわる

峠が見えてきた。トンネルができるまでここが国道だったそう


ひとやすみして、雁坂嶺まで小一時間秩父の主脈を歩いてみます。ガスが流れていい感じですが、不思議なのはここまでだれにも会わないこと。雁坂嶺11時15分着。標高2289m。


往路を戻りました。3時15分に道の駅三富着、下りは膝が痛くなって4時間近くかかりました。トータルの行動時間は9時間30分。標高差が1100m以上ありますからそんなものでしょう。けっきょく下りでもだれにも会うことなく静かすぎる山になりました。

三大峠とはほかに三伏峠と針ノ木峠
ガスが流れときどき日がさします

           

雁坂嶺につづく主脈の様子。森が笹原になったのは自然の仕事らしい


今日も花かげの湯によって初鹿野の道の駅大和で仮眠してから夜中に帰京。


塩山は勝沼のとなり、ブドウ畑がたくさんあって、いい感じです


sannko
三富道の駅からスタートしましたが、雁坂トンネル手前(南口)の料金所のパーキング(無料)にクルマを駐めれば林道歩きが30分ほど楽になるのではないかと思いました。登山口情報でもそんな案内があります。