HISTORY & STORY

9.30.2001

大ヤスリ岩/夢のカリフォルニア

大ヤスリ岩/夢のカリフォルニア
日時調査中

・ルート
大ヤスリ岩/夢のカリフォルニア3P(5.10-、5.7、5.10)+ハイピ-ク・ルート上部2P(Ⅲ+、A1)

・メンバー
pika&chu

・内容
日帰りはきついので、前夜、大泉ラッセル邸泊。AM5:00起き、6:00出。
増富温泉経由で瑞牆山荘へ(40分)。
7:00発。金峰への登山道を辿り、富士見小屋から瑞牆方面へ左折。
取り付きは登山道沿い。明るく明瞭。8:40着。
頂上は間近で大勢のハイカ-が見えます。

ルートは大ヤスリの前衛に位置するナイフピークの南壁に入ったクラックです。
現在7つのクラック・ルートが開かれていますが、殆どがワイドの要素を含んでいて、wildです。
その中で、レイバックを駆使する”夢のカリフォルニア”はスポーティなイメージがあって、長い間、
僕の心を捉えていたートの一つでした。

1P目、chuリード。5.10-の美しいフレークが10mくらい続きます。
寝てるように見えましたが、スタートしたら、パワー全開でした。
2つキャメをとったあとフォール。これで怖さが消えました。
あと2つありがたいキャメ#4と、トライカム#7をsetして気の抜けないオフィズスから、ビレイ点へ。
レイバックは右引きなのに、どういう訳か右手でカムをsetしないと、バランスがとれず、つらかったです。
腕が張ってしまったので、2P目をpikaにゆだねました。
ここは快適なハング(5.7)からハンドクラック(5.7)を抜けて、外傾テラスのビレイ点へ、20m。
3P目、1P目同様の美しいフレークで、上部がハンドのコーナーになっています。
2P目のハング越えのポイントから見えたこのラインは、日本離れしていて非常に印象的でした。
pikaは、出だしのオフィズスに少し手こずりましたが、フレークのレイバックをこなし、コーナーを使って巧みにレスト。
抜け口のハンドを持ち前の粘りでうまくこなしてオンサイトしました。
でも、本人は中間部に2本リングボルトがあって、これにクリップしたことに少々気がとがめていたようです。
(大きなカムのなかった頃は、他にプロテクションは取れなかったんでしょう)

ビレイ点のすぐ上が、ナイフピーク肩のテラス。
大ヤスリは目前ですが、手前のルンゼ状広場にいったん5mラッペルします。
大ヤスリ側の簡単なクラックからチムニーへ入り(Ⅲ+、20m)、
2ポイントのエイドで大ヤスリのテラスへ。
瑞牆のピークや、登山道を行き交うハイカーのおじさん、おばさんたちのあたたかい(?)声援にマメに手を振りながら、
恐ろしいスピード(20分!)でpikaが大ヤスリの先端へ(40m、A1)。
20年前の”聖子命”は消えていた!!(これ分かるひと、いるかな?)

経歴不明のビナ一個で、ラッペルするのは気が進まず、コングの”人食いビナ”をドネーション(これも25年モノだけどね)。
大テラスからは北側(本峰側)に15mほどのラッペル(しっかりした支点あり)で登山道に戻りました。
取り付き着13:00過ぎ(正確な時刻は忘れちゃった)。
予報はあまりよくなかったけど、時々日も差し、概ね暑からず寒からず。

ケイタイから下界はどこも大雨(アフガンには爆弾の雨)という話が伝わってきました。
僕達は今日もラッキーなクライミングができました。僕達は好きなことやっていられる世界にまだいます。
でも、そうではないひとたちが大勢いることが、いつになく気がかりになりました。

以上

追記>下山途中で、なんとオコジョと対面。実物をこんな間近で見るのは初めてで、感激しました。