9.14.2014

妙法ヶ岳と両神山

妙法ヶ岳と両神山
2014年9月12-13日 
三峰神社

妙法ヶ岳

両神山


member 伊藤フミヒロ 

12日 金曜日
天候 晴れ 

 天気がよいので取材に。秩父までに出かけることはめったにないので楽しみ。飯能のあたりで高麗神社の看板を見かけたので寄ってみる。何十年ぶりかの神社は大きく立派になっていて驚いた。同期の親友、高麗クンはここの直系だからロイヤルの子孫ということになる。入口のトーテムポールは極彩のものからモノトーンのものに変わっているようだ。
 正丸峠を抜けて秩父に入り三峰神社に上がる。まず妙法ヶ岳にハイキング。1時間少しの登りで山頂。立派な社があってオオカミの狛犬がいくつもあった。この山は三峰神社の奥社になっている。雲取山は雲の中、霧藻ガ峰と白岩山がぼんやり見える。明日登るつもりの両神山がよく見えた。
 戻って神社を見てまわる。広くて立派。オオカミは神犬とされていて境内のあちこちに狛犬が置かれている。日本武尊を先導したとか云々。眷属という言葉を初めて知った。食堂と土産屋を兼ねた大きな建物はお犬茶屋という名前だ。
 旧ロープウエーは、武尊像のある三峰山山頂に登っていたようだ。遥拝所からは奥ノ院の妙法ヶ岳が遠望できる。ビジターセンターを見て下山。両神温泉薬師湯に寄ってから日向大谷登山口へ。ウイキで狛犬についてにわか知識を仕入れる。


遥拝所から妙法ヶ岳

妙法ヶ岳から両神山

13日 土曜日
天候 晴れ
 昨日立ち話した隣の車もその隣も百名山おじさんだった。それでこの山は人気がある。どちらも明かるくなるころそそくさと出発している。つられて6時にスタート。深い森の中、谷沿いの道を登る。急登と滑りやすい道が現れる。両神山頂まで展望はなく渋い山道が続く。10時半に山頂。360度見わたせるが遠くの山は雲の中。往路を戻って2時終了。この日50人くらいが頂上に立ったのではないか。
 両神山山頂下には両神神社と御嶽神社があって地図にも社マークが二つ並んでいる。どちらにもオオカミの狛犬がいた。秩父には多いらしい。青梅の御岳(みたけ)神社にもあるそうで、そちらは犬連れ客歓迎で有名だ。三峰も御岳でもオオカミは大口真神という神様に祭り上げられている。そういえばうちの近所の池上線御嶽神社の狛犬もオオカミだ。ついこないだまでオオカミはあちこちの山にたくさんいて恐れ崇められていた、ということらしい。食物の連鎖が切れたのはもちろん人のせいにちがいない。
 帰路、山中に爆音がとどろく。で、ヘリコプターによる遭難救助を木の間越しに見学することに。両神山は遭難の多いところとして知られている。そういえば、朝方登っているときにヨロヨロと下ってくるおじさんに会ったが、それがそれ、その人。道端で倒れていたという。
 ヘリは30分もホバリングしていたが、高い木々に阻まれたか、沢底からのつり上げは不首尾だったようで帰ってしまった。木の間から見えるのはヘリだけで実はよくわからない。急坂を下り現場を通りかかるとそこに救助隊員が十数人、ヘルメットをかぶせられた件のおじさんが道端に座っていた。
 薬師湯に寄って往路を帰京。所沢のあたりは行きも帰りもノロノロ。いつもあんなに車が多いのだろうか。

おじさんは案外元気で歩く練習をしていた。前日両神山頂に登っているというから(清滝小屋泊まりか)、どこかで滑って転んで腰が抜けたんではと想像。ヘリがもう一度戻ってきたので場所を変えてつり上げしたのかもしれない。
  

参考1
数多のオオカミ本について「?」

狼崇拝 オオカミを畏敬する人々
狼の絵が描かれた「おふだ」を配る狼神社をはじめとし「狼信仰」の痕跡を残すものはいまも存在し、古くから狼が崇拝され続けてきたのは間違いないこととされています。近年の日本狼研究では、「狼は古くから神として尊ばれ」というのが通常の観念で、そこに例外はありません。言葉の概念の拠りどころとなるべき辞書にも「狼には大神の意味がある」とか、「かつて狼は真神と呼ばれていた」と書かれています。
しかしながら、現代のほとんどの人はそのような観念とまったく無縁で、日本で「狼が崇拝されてきた」などと言われると信じられない気がします。
それに少々気になることがあります。「日本狼」を扱った本の「狼は古くから神として尊ばれ」という表現の仕方が、あまりにもよく似ているのです。日本人がかつて狼を崇拝し、1000年以上もそのような信仰を守り続けてきたのなら、その痕跡はいたるところに見出す事ができるはずで、その表現も多様であるべきなのですが、画一的で単純そのものです。「大神」「大口真神」「貴神」という語句などと共に「敬う」「尊ぶ」「畏敬する」という言葉を使うのがその基本的な表現方法です。似た表現ばかりで退屈するのは必至ですが、「畏敬された狼」の表現を近年出版された本のなかで確認してみます。

中略

このようにすべての狼本は口を揃えて、狼を大神と呼び、古代から狼は貴神として、あるいは大口真神として崇拝されてきたと語ります。ほかにも「農耕の守護神」とか「山ノ神の御使い」などという類義の用法を使う場合も見られ、狼が神に関連づけられることに例外はありません。日本の狼について語るとき、このような表現を使用することこそ、必要不可欠とすら思えてきます。
すべての狼本が、まったく似た口調でほとんど変わらない言葉を繰り返し飽きずに語っているということは、よほど魅力的な言葉なのだろうということはわかりますが、その根拠については検証したひと誰もいません。多くは、皆が書いているということだけを根拠としているからです。
(ヤマイヌホームページ)

以上のようなシリアス記事がたくさん。
http://www6.ocn.ne.jp/~kanpanda/ikeiwolf.html
ニホンオオカミについて詳しくてすごい! ヤマイヌこそ二ホンオオカミ。大陸オオカミの亜種。大口真神は地名、誤読誤解から神へ。オオカミは人食い、ほんとは怖い。柳田国男のオオカミと平岩米吉の困った矛盾。眷属犬神は江戸時代から、社と修験者の営業。日本オオカミ教会はいかがなものか、など。
ヤマイヌホームページ


参考2

興味深い提案だが、いかがなものかの意見も。
日本オオカミ協会

3.日本でオオカミが絶滅した原因は?

オオカミが絶滅した理由は次の5つです。
①  明治時代のシカやイノシシなどの乱獲で、オオカミの食物が少なくなり、数が減った。
②  乱獲により餌動物が少なくなり、馬など放牧家畜に被害を出して駆除された。
③  文明開化にそぐわない野獣という政策的な理由で駆除された。
④  オオカミの毛皮や骨肉は価値(骨は民間薬)が高かったので、換金目当てに乱獲された。
⑤  イヌからの伝染病に罹った。

参考3
絶滅していない? 日本オオカミつまりヤマイヌはこんな姿。柴犬ほどのサイズだが異形。 1996年に発見された二ホンオオカミ。秩父野犬という暫定名称。姿形はまさにそれ、らしい。
二ホンオオカミ
二ホンオオカミを探す会八木さんの写真 1996年秩父

祖母の日本オオカミ 2000年