3.13.2001

栂池山の神ルートと海谷昼闇山

栂池山の神ルートと海谷昼闇山
日に焼けた
 
MEMBER KURO KISYA

3月13日
昨夜9時に白馬の道の駅に着いた。そのままぐっすりと寝入ってしまった。仮眠という
よりも完眠である。
夜半からの雪が10センチほど積もっている。車の中でお茶をすすっていると、向かい
に止めてある神戸ナンバーのランクルからくろちゃんが降り立った。夜中に到着したら
しい。
「予定通り山の神ルートにしよう」とくろちゃん。天気もよさそうだ。2台の車で凍った塩
の道を白馬乗鞍のスキー場までドライブ。ぼくの車をデポして、栂池スキー場にとって
かえす。
装備を整え9時のゴンドラに乗る。栂の森から歩きはじめる。風が強く、寒い。トレール
はない。きのうの日曜日はへリスキーが行われたようだ。このあたりは賑やかだった
はずだ。大極荘まで1時間ちょっと。そこからは雪が締まってきて1時間ほどで天狗原
着。
乗鞍岳の大斜面が目の前に迫る。白馬、鹿島槍、五竜などの峰峰が昼の光を浴び
てまぶしい。妙高や海谷の山々も。山の神ルートも判別できる。乗鞍の斜面は雪が固
そうだし、山の神ルートも初見参なので1230滑降にはいる。地図をみて方角を合わ
せるが、すぐにツアー標識があらわれ、以降はそれを追うことになる。
しばらく快適にくだり、セッピの張り出した尾根をトラバース。ひと滑りしたあと樹林帯
に入る。
雪が重くなってきた。陽気も急に暖かくなってきたようだ。数日前に大雪が降ったらしく、
それが重い湿雪となっていて滑りにくい。スキーに団子のように雪が付いたりする。コ
ンパスの角でそれをこそげ落としたり面倒至極。クマのトレールや巣らしきものも発見。
ところどころ滑りを楽しんで、80番標識のあたりからスキー場へつながる沢へと入る。
沢のへりを風のように飛ばして、やがて大きな堰堤を越える。先にも堰堤が見える。ス
キー場の音楽が聞こえてきてふと左手を見上げるとリフトがのぞいている。
スキーに付着した雪をシールがわりにして5分ほど登りかえすとゲレンデにでた。
夜はランクルの小部屋で豪勢な肉鍋をつつく。
3月14日
車の中はマイナス4度。ガスコンロの火が細い。予報では移動性高気圧に1日覆わ
れるという。0630にスタート。糸魚川から焼山温泉に向かう。日本海にでると、火打、
焼山、昼闇、烏帽子、阿弥陀などが屏風のように並び、朝日に輝く。
鉢山を目指そうと9時過ぎに出発。予報どおりの好天。シャツ1枚で歩きだす。
長い林道歩きからアケビ平をぬけ沢を越え、尾根にたどり着く。ここまで2時間以上。
シールに雪が付くトラブルもあり、手入れの悪い人だなあ、とくろちゃんにけなされる。
さらに1時間、急登して尾根のこぶの上に立つ。あたりを見渡すとちょっと様子がおか
しい。この尾根はこのまま昼闇山に続いているようだ。鉢山へはもうひとつ向かいの
尾根が適当に見える。
ま、いいか。そのまま尾根を1時間登り昼闇の北面の広大なカール状のボウルの底
に到達。頂上までは200か300メートルほどの標高差か。
時計は1330。湿雪のラッセルに疲れ、この暑さにもばて気味。ここまでとシールをは
ずして滑りだす。海谷の奇峰をバックに写真を何枚も撮る。
それにしてもスキー滑降には最適の尾根だ。緩と急の斜面が階段状に続く。ブッシュ
はなく快適。登ってきたルートを下り3時ぴったりに温泉に戻る。
糸魚川のスーパーで魚を買って白馬道の駅にもどり、宴会。
3月15日
道の駅での滞在は快適。各自の車は個室、くろちゃんのランクルは宴会もできる。温
泉やスーパーも近所にある。この日は八方尾根上部の計画だったが、朝から雨。
解散としよう、とお茶を飲みながら話していると、ぴかりと稲妻。白馬の山のほうから
雷が聞こえてきてざーっと本降りになってきた。白馬も春を迎えたというわけだ。