8.24.1996

タスマン氷河スキーニュージーランド

東京テレマーカーズ・ニュージーランド合宿

どんなにスキーが好きでも、夏にわざわざ南半球まで、とおもっていたぼくらだが
糸尾汽車
 マナリング氷河を滑る
 
 どんなにスキーが好きでも、夏にわざわざ南半球まで、とおもっていたぼくらだが、今
年は、仲間の黒川、春水がワナカに家を借り、ひたすらテレマーク修業をつづけていると
いう事情もあり、訪問がてら、では、と重い腰をあげたのだった。行ってみればこんなに
よい所もない、夏はニュージーランドに限る、と感想も一変。テレマークフリークなら一
度はNZの旅もよいね、と、ここにぼくらの夏合宿の報告を。

メンバー ヒロユキ 真壁さん、静子様、ゆみさん、KISYA、現地・黒川、春水
日程 1996年8月24日~9月5日
目的 マウントクック周辺でバックカントリースキーイング
 登山愛好家があこがれるニュージーランド、サザンアルプス。なかでも有名なマウント
クック周辺には巨大な氷河の海がひろがります。スキーをつかってマウントクック周辺の
山やまと氷河を滑ります。海に囲まれたニュージーランドの山は、ちょうど、北アルプス
の厳冬期の感じです。厳しく美しい自然が日本から訪れたテレマークスキーヤーをむかえ
てくれるでしょう。

行程
24日 NZ機で出発
25日 クライストチャーチからレンタカーでワナカへ。ワナカモテル入。現地組みと合
流。

26日~28日 ワナカ、クイーンズタウン周辺のスキー場で遊ぶ。現地滞在中の石木田
選手、永島選手らともすべる。ふたりはデッドヒートしながら練習していた。二木選手も
モービルホームに住んでなんと釣を楽しんでいるという。もんべる金森は前前の週突然あ
らわれ雪不足のルートバンで板をきずつけて帰ったという。スキー場にはテレマーカーが
いっぱい。ワナカには若い日本人のボーダーがたくさんすんでいる。時代は変わった。ハ
リスマウンテンのヘリスキーに申し込むが、天候不良で果たせず。

29日 現地組みとわかれ、ワナカからマウントクック村へ移動。マウンテンガイズ社で
打ち合わせ。明日より4泊5日の予定で入山。ガイドはアントンさんと日本人のノリさん
。外国の山はガイドをたのむのが安心。

30日 朝一で村の飛行場からヘリでタスマンサドルへ。さっそくタスマン氷河源流のあ
ちこちをすべりまくる。どこもかしこもパウダースノー、バージンスノー。もちろん自分
の足でのぼったぶんだけしかすべれないのだが。下りすぎて夕方へろへろになってケルマ
ン小屋へ。ここに滞在。宿帳をみて仙台のテレマーカー工藤君と友達が前前の週にここに
とまって同じ様なことをやっていることがわかる。だしぬかれたか。
続き(改行で表示 S:次の発言)

31日 マーチソン氷河とマナーリング氷河へ出張、だれにも会わず。最高の雪質、天国
的なスロープ。奥まったところにあるマナリング氷河は特に印象的だった。アントンさん
はすばらしいガイドだ。

1日 ホックステタードーム登頂。滑る。天気もよく快適。終日遊ぶ。
2日 明日より天候悪化のため、下山。タスマン氷河を下る。
3~4日 天気悪く、移動、ツーリストに変身して観光。5日帰国。

8.02.1996

ブランブラ、フィルストで飛ぶ

PARA IN PLANPRANZ,FIRST

ブランブラ、フィルストで飛ぶ(パラグライダ-)


伊藤忠男
 CHU IS FLYING ABOVE CHAMONIX
 
96/8/2 ~8/11
ブランブラ(シャモニ-)もフィルスト(グリンデルワルト)も純然たるパラグライ  
ダ-のフライトエリアですから、このレポ-トはRock&Snowのコンセンサス  

からずれていて、明らかに”パラ・ワ-ルド”向きです。ただ、アイガ-やモンブラ  
ンを狙って滞在するクライマ-が”山飛び”の練習をするといった仮定をすると、多  
少意味があるかもしれないと考え、キ-を叩くことにしました。
昨年(96)夏に娘が”アンネの家”に行きたいというので、機体と寄り道案を持っ  
て一緒に行くことにしました。目的は“アンネ”なので、あまりぐずぐずやっていら  
れません。
これらのエリアが日本のエリアと明らかに違うのはスケ-ルですが、ただ飛ぶ分には  
、ランディングもテイクオフも充分な広さがあり、障害物のない平地も多いので緊急  
ランディングにもそれほど神経質にならなくて済みますから、かえって楽じゃないか  
と思います。

ブランブラはシャモニ-の街からゴンドラで上がって歩き1分。テイクオフは正面の  
モンブランに向かって行います。そう広くありませんが安定したブロ-の通り道で、  
楽勝~。ゴンドラの走っている斜面全体にサ-マルが出ていて、簡単に上げられます  
。テイクオフまでの高度差は1000m、水平距離3000mですから、届かないっ  
てことはありませんが、逆に強烈なサ-マルコンディションでは降ろす技術と精神力  
を試されるでしょう。こっちのパイロットは日本ではあまり見ないスパイラル降下を  
頻繁に使うのでちょっと驚きました(知らないで見ているひとも多分びっくりするん  
でしょうね、墜落した!っていってるひとがいましたから)。スパイラルは今のとこ  
ろ、もっとも降下率の高い技術ですが、機体の強度に掛かる負担も大きいのです。僕  
は、パラで数少ない体育的な動作になるこの技術が好きですが、ブランブラではおか  
げでフロントのラインを2本切ってしまいました。

フィルストは、シャモニ-とはがらり変わって牧歌的(的ってのは変か?)で超退屈  
な街グリンデルワルトから、やはりゴンドラで上がります。山頂駅から1分下ると理  
想的なラウンドトップのテイクオフ地点です。正面にアイガ-北壁が見えるすごいと  
ころ。ランディングまでの高度差は1300mで、水平距離が5200mですから、  
ブランブラのような訳にはいきません。まったく上げられないと、ショ-トします。  
ただ、直線でコ-スをとれば、下は殆ど牧草地で、ごめんなさいを覚悟すればまあ、  
安全に降ろせる場所を見つけるのにそう苦労はいらないでしょう。
僕の飛んだときは、小さなサ-マルだけだったのでそう上がりませんでした。ランデ  
ィングは街の向こう側にありますので、上空からゆっくり横断していくと下から歓声  
が聞こえてきてなかなかいい気分でした。広々としたランディングで機体をたたんで  
いたら、アイガ-の方からアプロ-チしてきたパラが目の前に降り、メットを外して  
ハイと声をかけてきました。見ると大きなリュックを背負っっているので、どっか登  
ったのかときくと、アイガ-北壁を狙っていたが、天気が良くならないので(飛んで  
)降りてきた、というのです。もう少し話をするとフリ-クライミングの好きなチュ  
-リッヒ大学の学生でした。アルプスではやっぱりパラはクライマ-の道具なんだな  
あ、と思ってしまいました。

高度差2000mのベルビエはもっとも有名なエリアの一つですが、僕らが寄った日  
は天気が悪くてパス。僕の持ち時間はこれでおしまい、アンネの家へはアルプスから  
2日間のドライブで、娘たちの健全さを尻目に、僕は合法化された?ッシッシにびっ  
くりして、ジ-ザス ワズ スト-ンドとかかれたTシャツが氾濫してぶら下がってい  
るアジア的な混乱を見せるアムスの街に懐かしさを感じていました。