7.13.2016

樽前山

樽前山
大皿のような活火山。道民の遠足山か

タルマエソウ

西山からドームと火口

支笏湖から樽前山と風不死岳

2016年7月10日 
天候 くもりはれ雨
member 伊藤記

 昨日、阿寒から下り足寄の龍来でラーメン。油がすごいが薄味で悪くなかった。登れる天気だったら樽前山にでもと思いつく。おととしだったか、山スキーの帰りにとくちさんと支笏湖に寄って恵庭岳と樽前山を眺めたが樽前山が面白い山容で目を惹いた。飛行機からもよく見る山だ。

支笏湖温泉のパーキングを6時にスタート。国道から山道に入りダート道を進むと登山口駐車場に着く。クルマが10台ほど停まっていて、係りのおじさんが数人もいて世話してくれる。日曜日なんですぐ満車になるよ、とか。近在の人の憩いの山になっているようだ。7時スタート。山頂部はガスに包まれているがどうか。

山頂までは階段と砂礫の道

支笏湖を見下ろす

東山山頂

東山頂までは1時間の行程。階段状の整備された道で、山ボーイやガール、トレランの人などでにぎやか。外輪山に上がると、大きな火口原の先に溶岩ドームがそびえていて噴煙を上げている。撮りがいのある風景だ。東山頂までは10分ほど。ときどき霧が湧いてカルデラ内や火口丘が見えたりかくれたり。
火口内は立ち入り禁止なので外輪山をぐるりと周回する道がつけられている。左回りで行く。西山までは1時間ほどの行程で火山地形を観察しながらの楽しい道。奇怪なドームの姿とあちこちに転がる巨大噴石がすごい。

迫力ある溶岩ドーム
風不死岳が見える。このあとすぐ夕立

ここの名物は溶岩ドームともうひとつは樽前草。いまが盛りとあちこちに咲いている。内地であまり見た記憶がない。西山へはひと登りで、このころ明るい陽射しが入ってくる。風不死岳も姿をあらわした。周回ルート後半は急に湧いてきた霧の中を行く。そのうちの大粒の雨がやってきて急いで雨具をつける。

モーレツな夕立だが風はなく周回が終わって、濁流と化した下山道をくだる。10時半終了。面白い山だった。
休暇村の温泉に寄って支笏湖畔駐車場に戻る。雨が上がり青空が顔を出した。明日帰京予定。トリップメーターは1300㎞ほどになっている。

ところで百名山未踏の山頂を数えてみた。百名山ハンターとしては、もあと10峰ほどだと思うが、もういいか、という感じではある。人気のある山はうるさいというか新語でいうならウザイという感じか。山はてっぺんに立てばいいというものでもないしね。

●未踏の山頂リスト
羊蹄山 スキーなら登るか。
トムラウシ 来年いってもいいか。スキーで行きたい。
岩手山は原田、くぼちゃんと東北トリップの途中で行ったが直下でやめたおぼえがある。
朝日連峰 入口にも行ったことない。
水晶岳 おしい。
荒島岳 天気悪く登らなかったが、とくに登りたくもない。
空木岳と大峰山も山頂に立ってないな。空木は東京オリンピック開会式の日にみんなで行ったが避難小屋で敗退したのではなかったか。高木さんに聞いてみたい。
あと
大山 冬なら行ってもいい。
剣山と石槌山 こんど旅で行こう。


モンベルの沢靴で5山登った。リコールのあとなんで優秀



雌阿寒岳

雌阿寒岳
写真映りのいい活火山
2016年7月9日 
オンネトーから雌阿寒岳と富士

雌阿寒富士と青池

大皿火口と阿寒湖


天候 はれ
member 伊藤記

雌阿寒岳の登山口近くには立派な公共駐車場があって、温泉は野中と景福があるが後者は休業中だった。5時前にスタート。遥か遠くに雌阿寒岳の山頂が見えるようだ。このあたりのアカエゾマツの純林は名物だという。自然林である。ふかふかの林床を行く。

合目表示があって3合目からは低木帯に変わり4合目でハイマツと火山砂礫の道となって視界がひらける。
5合目へはトラバースして隣の尾根に移り、ハイマツのトンネルを進む。6合目からは樹海の中のオンネトーを見おろすことができる。あとは外輪の9合目が見えるので火山砂と溶岩の裸地帯をひたすら登っていく。あわてなくても山頂は近い。火山性の高山植物も多いので楽しめる。

一番で登ったと思ったが、二人の先行がいたようだ。となりのクルマの夫婦連れと9合目下で行き違う。9合目で火口外輪に出る。巨大な噴火口があって火口全体が硫黄色に染まっている。数か所の噴気孔から蒸気なのか噴気なのか音を出して白煙が上がっている。

エゾアカマツ純林

オンネトー
雌阿寒フスマと雌阿寒金梅

雌阿寒岳火口

雌阿寒山頂

何度もの噴火で火口内は複雑な形状をしていて、火口外輪の外側にも月の砂漠のような大きなクレーターがあって噴煙が上がっている。去年の夏にやってきた登山者は8合目あたりで火山規制のためストップをかけられたという。幌尻岳で会った笹沢さんの話。

最近もそうだが、深田久弥が1959年に来たときも爆発があって雌阿寒岳には登れず雄阿寒岳のほうに転進したという。この山はちょくちょく噴火するようだ。実際いつ噴火してもおかしくない雰囲気だ。

山頂7時半。駐車場の案内には頂上まで2時間とあったが若者向けのタイムだろう。標高差は800mほどだから3時間はかかると思ったほうがよい。山頂では四方八方に被写体が多く写真撮影に専念するから滞在も長くなる。

阿寒湖と雄阿寒岳がわかる。ほかに顕著な山は見えないがどうなんだろう。後続がだんだん登ってくるようになる。地元の百名山ハンターと立ち話したが、山頂北東側、大皿火口では昔は硫黄を採っていたそう。

30分ほどで山頂を辞して往路を戻る。続々と登山者が登ってくるのが見える。すさまじいのは毎日なんとかの30人ほどの集団だった。みんな100名山ハンターなのだろうか。下りも2時間かかった。10時終了。

どこでも行ける時間だが、さて、。足寄に下り、ランチをとって千歳方面へ戻ることにしよう。帯広の水光園によってから日勝峠越えで日高ハイウエイに入り苫小牧へ。水光園は飴色のねっとりした湯でモール泉の代表とか。初めて知った。モールとは泥炭のことらしい。


羅臼岳

羅臼岳
空気は濃いが標高差1400m

オホーツク海と知床連山
いちばん高いのが羅臼岳

海を見下ろす雪渓

2016年7月8日 
天候 はれ
member 伊藤記

羅臼岳の登山口は岩尾別温泉地の果てホテルの脇から少し登った木下小屋。ここに登山届ボックスもある。ここでも幌尻岳でいっしょだった人と会う。やあやあとあいさつ。百名山を登る人は似たような動きをしているようだ。東京よりも30分ほど日の出が早いようだ。4時にスタート。

カツラの大木が目立つ雑木の森を行く。歩きやすいきれいな道で極楽平までは緩いが長い登りが続く。途中で何か所か羅臼山頂が見えるが、かなり遠い。標高差も大きいが水平距離も長いのがこのルート。とはいえ羅臼側や知床峠から山頂を目ざすよりもこちらの方がラクだという。

山頂部が見える

羅臼平から頂上へ

極楽平を過ぎると急坂に変わってひと登りすると雪渓が現れる。この雪渓は麓からもよく見える。陽気がいいので雪は柔らかくてそのまま直登できる。数人が先を行き、後ろからも何人かが登ってくる。6時半?のラジオ体操を始めるおじさんがいた。

雪渓を登り切るとお花畑の広がる羅臼平。主稜線上の交差点で羅臼口からの登山道も合流する。ハイマツの海が一面に広がっている。羅臼岳頂上部は大岩が積み重なる岩峰のように見える。知床五湖を見下ろすことができるが、どうもここは樹海を切り払って園地化したところのようだ。一帯が不自然にはげている。

しばらくハイマツのトンネルを行き、そのあと小さいが急な雪渓が現れる。雪が切れると岩場の急登に変わるがこれが最後の登りで、9時山頂に到着。にぎやかな頂上。硫黄岳に続く知床の山が重なる。右も左も海。国後島が近い。

にぎやかな山頂

花は豊富。蝦夷の栂桜

下山は登り道どおり。まだまだ何人かが登ってくる。昼には下山。露天でひと風呂浴びて再び移動開始。雌阿寒岳に向かう。ナビで見ると摩周街道を行くよりも美幌、津別を通る方が大回りだが早いようだ。どこまでもまっすぐなローカル道を行く。斜光線を浴びた雌阿寒がきれい。オンネトーに行って写真を撮る。明日も天気はよさそうだ。


斜里岳

斜里岳
きれいな形をしている

明け方の斜里岳

一の沢をつめる

2016年7月7日 
天候 はれ
member 伊藤記

前の日に日高から日勝峠を越えて音更、上士幌、足寄、阿寒オンネトーとロードトリップ。さらに摩周国道で弟子屈、札弦パパスランド道駅にイン。札弦はさっつると読む。ジャガイモ畑の向うに斜里岳を望む景色のよいところ。道駅には温泉やランドリーもあってけっこうにぎやか。

レンタカーは四駆のステーションワゴンで快適車泊ができる。一生ここに居られる気分だが、なんかへん。右後ろのタイヤがへこんでる。近くのホクレン清里給油所に寄って見てもらう。あっというまにパンク修理してくれて問題解決。ありがとうございます。

清岳荘がスタート

ずーっと沢を登っていく

斜里山頂

それはさておき、7日、今日は斜里岳登山。4時、曙光を浴びる斜里岳に向かってドライブ。清岳荘駐車場にはもう数台の車が停まっていた。スタート5時。しばらくトラバース道を行き林道終点から沢に下る。ここから旧登山道といわれる沢道を登る。一の沢川源流で、渡渉の連続、二十数回あるだろうか。増水していなければ飛び石伝いに渡ることができるから、運がよければ靴を濡らすことはないだろう。小滝やナメ滝が続くが、沢登りというよりも沢脇を登るという感じだ。北海道の山らしい登山といえるだろう。標高差は800mほどでたいしたことはないはず。

目印の赤布をひたすら追っていく。流れが小さくなって水量が落ちると、いつのまにか山道に変わってハイマツとハンノキのトンネルを行く。小さな雪渓を急登すると馬の背で、8時。斜里岳の山頂が見える。高山植物も豊富だ。山頂手前に斜里神社奥宮のちいさい社がある。9時前に山頂。好天で展望がよい。人気山なのでヒトも少なくない。幌尻岳でいっしょだった人とまた会う。
利尻岳などとおんなじで広い裾野の先に青い海が見えて気持ちがいい。羅臼岳など知床連山、国後島も見える。

熊見峠から見る斜里岳

さっつる道の駅

山頂からは上の二股まで往路をくだり、そこから熊見峠までトラバースする。熊見峠からは足下の一の沢源流の向かいに斜里岳主峰が大きくそびえる。下山はこのルートがよさそうだ。
モーレツな急坂を下ると下の二股で一の沢に降り立つことができる。さらに往路を下って11時終了。

札弦道駅で温泉に寄ってから午後は知床道でウトロへ。知床連山がどんどん近づいてくる。オシンコシン滝やウトロ港のあたりは観光バスがやってきてにぎやか。知床五湖も同様でここは昔きたことがあるので割愛、カムイワッカまでドライブできるというが途中で敗退。

岩尾別温泉地の果てホテル前に登山者駐車場がある。満杯の場合は道路脇に停めるらしい。ここの露天風呂はきれいに整備されているがヤブ蚊が多い。せっかくなんで薄暮の温泉を味わう。


7.12.2016

幌尻岳

幌尻岳
山小屋1泊の旅

額平川を行く

笹沢さん、同期のひとだった

2016年7月4~5日 
天候 くもり、はれ
member 伊藤記

7月3日 くもりはれ
朝いちANA機で千歳へ。梅雨前線が微妙に北海道まで影響していて秋のようなイワシ雲が広がる。ワンズレンタカーでウイングロードという日産車を借り出す。ウトナイ湖に寄ってから日高ハイウエイに入る。厚真、鵡川とのんびり走って平取へ。二風谷のアイヌ村を見学してとよぬか山荘へ。廃校になった豊糠小中学校を施設としている。草原になった校庭がさみしい。一帯の人口密度は低そうだ。
明日のバスで山に入るという2グループと単独3人が同宿。ジンギスカン焼きを久しぶりに食べた。山荘の経営は町役場がらみの感じだ。


7月4日
7時のマイクロバスに全員が乗って1時間ほどで登山口。林道を2時間も歩いて額平川伝いの山道に入る。川沿いの細い危うい道を1時間ほど行くといよいよ幌尻登山名物の渡渉が始まる。前後の3人といっしょになって川を何度も渡り返す。ヒザ上までの深さ、ストックを頼りするのがコツのようだ。ほかは登山靴をザックにいれて渡渉用の履物に変えている。モンベルの沢靴を履いてきたのでそれで済ませるがグリップ力は優秀だ。これで山道も歩くことができる。

幌尻小屋の前で十数回目の渡渉をすませて1時過ぎに行動終了。小屋では食事は自炊、寝具もないとのことで寝袋持参だったが小屋番のひとが毛布を貸してくれた。ぼくらと同じバスできたガイド付きの数人のグループはひとりが転倒してケガ、ヘリコプターで運ばれ敗退したと聞いた。渡渉が始まる前のヘツリのあたりらしい。

のんびりしていると、次のバス便の後発グループがやってきた。ガイド付き団体ツアーで十数人。たぶんここにいる二十数人の客全員が百名山ハンターというのも幌尻小屋ならではのことだろう。若い人はほとんどいない。


膝上のところも。雨の日は行動できない

幌尻山荘。たまたまビールも売っていた

7月5日
日の出は4時前。3時には明るくなる。4時、庭先でお湯を沸かしていると早出組がもうスタート。自分と同じに今日中に下山予定のひとたち。

4時半出発。小屋前から登山道が始まる。けっこうな登りでひと汗かくと尾根上に出て朝日がまぶしい。命の水を過ぎるとハイマツとカンバ帯の急登になる。これを越えるとカールの外縁にでて目ざす幌尻岳が姿をあらわす。山頂部は長く残雪とハイマツの山肌がきれい。大きなカールには池や流れもあってクマもたまにやってくるという。

圏谷を周り込むように馬蹄形の縦走路が続ているので先行する何人かの姿も見える。お花畑が素晴らしい。アポイに続く日高の山並みが見える。
新冠口からの登山道を合わせるとすぐに山頂。8時半。
後続の団体が1時間ほど遅れて登ってくるのがカールの向うに見える。団体はモデルコースどおり今日も山小屋泊の予定らしい。
カールをはさんでみる幌尻岳

山頂近く。新冠口からの山岳部風わかもの

襟裳岬に続く日高連山

下りは同じ道を戻る。11時半に幌尻小屋着。5時のマイクロバスには充分間に合うはず。登りよりも気楽な気分でガンガンと渡渉を繰り返えしながら林道終点まで下る。仲よくなった数人といっしょに長い林道歩き。4時にはバス停に戻ることができた。

とよぬか山荘に6時に戻り、日高スキー場併設の沙流川温泉によって、となりの日高樹林ロード道駅に車泊。樹林の中にあるのかと思っていたら町中の道の駅だった。明日は道東の清里斜里札弦まで移動の予定。

二風谷のアイヌ村旧跡
rindoまで2時間のあと川原を行く

小屋からは高差1100mほど