8.27.2000

北岳バットレス4尾根

北岳バットレス4尾根
快調のスピードクライミング
 
kitadake
 
メンバー 汽車 川崎 忠 三浦
8/27 
白根御池小屋まで上がるつもりだったが、時間が遅くなったので芦安の民
宿よしみに宿をとる。先月に広河原で敗退したときも思ったことだが、こ
のあたりには親切な人が多いという印象がある。
8/28
5時に芦安をでて6時半には広河原から歩き出した。先行していた忠さん
と三浦グループに二股で合流。ここまで2時間かからない。天気は良好で
バットレスがよく見える。
大岩を目印にバットレス沢に入る。Bガリーの大滝1P目10時前にスタート
。2Pを快適にこなし、2尾根を越えて、Cガリーのガラ場を石を落とさな
いように慎重にトラバース。赤ペンキのマークがあるので分かりやすいが
縦走路のようだ。 

4尾根の取り付き11時。汽車、川崎。忠、三浦コンビ
で快適にぐんぐん登る。平日とあって先行パーティはない。遥か後方に女
性パーティが見える。ガスが湧いてファンタスティックな写真が撮れそう
だ。
1時半に終了点。頂上でのんびりしてから八本歯を下る。2時間半で広河原
。5時。
風もなく、夕立ちもなく、穏やかな1日。半パンとTシャツで1日を過ご
すことができた。標高差1700、行動10時間、合計年令195歳にしてはけっ
こうなスピードクライミングだった。


ノーマルな下部を行くのなら登山道からここで別れてガリーにはいる。
 
 

8.05.2000

シアトルのクライミング

シアトルのクライミング
夏には涼しくてよい

mt.rainer
 
MEMBER HIKARI MORI
DATE AUG 2000

シアトル出張中に近郊の岩場に行きました。
EXIT32:その名の通り、I-90の32番出口の近くの岩場。シアトルから最も近いエリ
アの一つ。スポーツクライミングエリアで、ハングした岩が多い。ボルトの間隔は近
く、日本並。ここは仕事が終わってから良く来た。
5.9~5.11b/cのルート10本ほど登る。

Leavenworth:シアトルから約2時間半東へ行く。かなり大きなエリアでここだけの
トポも出ている。Castle Rockでマルチピッチを2本登る。
・Canary 5.8クラック~5.8フェース~5.4フェース(ビレイ点にはアンカーが全くな
くルート全体でもボルトが2本のみ。2P目の出だしはハング上をノーピンのトラ
バースで、かなりビビッた)
・Old Grey Mare 5.8~Crack of Doom 5.10a~5.4フェース(1Pはランナウトす
る。2Pはハングのクラックを豪快の越える。その後もストレニで結構きびしい)

シアトルは日が長いので8時半頃までクライミングできた。

8.01.2000

グリッドストーンの旅

グリッドストーンの旅 
climbing in england
楽しかった
london
 2000年8月?調査中

 何年か前から、かあちゃんと、ロンドンへシェクスピアを見に行こうと話していま
した。それで、シェクスピアの研究でoxfordにいる友人がこの夏、最高の適役
を得たハムレットが見られる今こそチャンスといって、有名なグローブ座のチケット
(立ち見席ですが)を準備してくれました。でも、『恋に落ちたシェクスピア』の舌
を巻く巧みなストーリー展開に夢中になっていた娘たちもこの計画に加わって、いつ
しかオヤジはみそっかすに・・・。

 それで、いよいよシェフィールドへ行けるときだと思いました。タッチング・ボイ
ドの推薦文で、ボニントンがジョー・シンプソンと出会ったくだりを書いていました
が、そこはシェフィールドのパブでした。ボニントン自身の本にもよくシェフィール
ドは出てきます。ウィーランスやハストン、スコットとの”下界”での交遊がさりげ
なく描かれていました。また、サベージ・アリーナという名著を残してエベレストの
東北東稜で逝ったジョー・タスカーも、確かここに登山用具店を開いていました。最
近では映画の舞台にもなりました。『マイ・スィート・シェフィールド』は、少々く
たびれ始めたおやじ(クライマー!!)が主人公の、ほろ苦くて心に残る映画でし
た。

 日本を出る前に、BMC(英国登山評議会)のwebサイトから入ってサーフィン
した結果、スタニッジEdgeとミルストーンEdgeの岩場を目指すことにしまし
た。スタニッジは、イギリスでもっともポピュラーなゲレンデだそうです。ミルス
トーンには、ロン・フォーセットが初登した有名なマスターズ・エッジがあります。
いづれも岩質は、グリットストーンと呼ばれる粒子の粗い堅固な砂岩で、イギリスの
クライミングを特徴付けているものです。

 ロンドンで、電話帳を頼りにクライミングショップを探し、結局Snow&Roc
kという内輪受けの冗談みたいなネーミングのお店で、今は亡きポール・ナンが書い
たトポを見つけました(因みに僕らはこの店をスノロクと呼びました)。

 ロンドンでの興味深い”文化活動”を終えてから、8/4、泊まっていたB&Bの
すぐ近くでハーツのレンタカーを借り(保険込みで£178)、午前11時に出発。
シェフィールド市は、ハイウェイを真北に320km、ピーク・ディストリクト国立
公園にあります。週末が近いせいなのか、夏休みのせいなのか、はたまたそれがふつ
うなのか、とにかく、結構な断続渋滞で、シェフィールドの中心部でもある鉄道の駅
に着いたときはもう5時近くになっていました。ふらっと駅の売店を覗いてびっく
り。週刊誌、新聞に並んで、High、Climber、OnTheEdgeがおい
てありました。これって、キヨスクにロクスノがおいてあるようなもんでしょう。イ
メージできますか? ま、とにかく、いい環境だぞぉ~って直感しました。

 9時までは完全に明るいので、ツーリストインフォメーションに紹介してもらった
4人で£70のB&Bにチェックインしたあと、ミルストーンに行ってみました。A
625号線を20分でFOX HOUSEという街道沿いのB&Bに着きます。以前
はここから15分歩いたそうです。現在は、もう少し先の有料駐車場(50P/1時
間)から10分もかからず取り付きに立てます。岩はみるからにかちんかちんで、独
特な光彩を放っています。遅い時間でしたが、2組のパーティが取り付いていまし
た。傾斜はほぼ垂直で、鋭いストレートなクラックが何本も並んでいます。比較的奥
の方のエリアに、マスターズ・エッジがありました。手がかりのないカンテを10m
くらい上がったところに、石切の名残、有名なダイナマイト用の穴が開いています。
ここにアミーゴ(これ知ってるひとってすごい!)をセットするんだそうです。

 僕は、TheMallという4Cのルートを登りました。5.8くらいのディエー
ドルです。両側はソリッドな赤い壁でスケールも25mあって、三ツ星です。ビレイ
はかあちゃんに頼みましたが、フォローまではやってくれません。ランニングはキャ
メロット3つとストッパー#5でとりました。上は牧場になっていて、手前に大きな
露岩がいっぱいあります。手頃なのを選んで、そいつにロープを巻き、これを支点に
して、懸垂しながらギヤを回収します。降りてから、右端のハイキングトレールで再
び上へ戻ってロープを外し、今度は歩いて降ります。(このパターンは翌日のスタ
ニッジでも同様に行いました)空はどんよりしていてすっきりしないので、これでお
開き。

 safeway(イギリスにもあるぞぉ~)で野菜と果物をしこたま買い込んでか
らOnTheEdgeのクライミング・ジム評価で第3位に選ばれていたTheEd
geを覗いてみました(因みにロンドン最大のジム、キャッスルは4位)。50m
ロープで目一杯の変化に富んだ素晴らしい壁です。なかにあるclimbing・s
hopのおにいさんに、スタニッジの情報を聞いてから、B&Bに戻って、一家そ
ろってロンドンで食べ過ぎた肉を中和しようと、野菜を食べまくりぃ~。

 翌朝起きると、この旅行中で初めての快晴。わたしの日々の清い行いのお陰にちが
いありません・・・・、ま、とにかくロンドンは毎日厚い雲空で、気まぐれに日が射
したり、いきなりざあ~っときたり、めまぐるしく変化していましたから雲一つない
のが嘘みたいに思えました。あわてて娘たちをたたき起こし、サウス・ヨークシャー
・ブレックファーストなるすごいボリュームの朝メシを食べまくって、10時過ぎ、
スタニッジへ。A625でミルストーンからさらにマンチェスター方面へ10分。小
さな教会のある村の上に、たおやかな緑の丘陵が連綿と続いています。目を凝らす
と、丘陵のスカイラインを南北に延々と連なる岩壁が指呼できました。それがスタ
ニッジEdgeでした。注意深く見れば、すでにそこに取り付いているクライマーが
点景で確認できました。

 やがて草原の中にちゃんとした駐車場が現れました。すぐ上にスタニッジEdge
が広がっています。高さ20m前後の壁が南北に6km続いていますが、この駐車場
のすぐ上がSouthEndで、一番ポピュラーなエリアです。ここだけでルート数
は400近くあって、全部足すと1000本前後になるそうです。細い車道が、この
Edgeに沿って続いていて、北へ辿っても、手頃な位置にちゃんとパーキングが現
れます。HighNebやPlantationなどと呼ばれるエリアを見てから、
SouthEndに戻って、取り付きへ向かいました。

 基部までは草原の緩い登り10分です。土曜日のせいかすでにたくさんのクライ
マーがいて賑やかです。小学生くらいの子から、見た目はかなりなお年寄りまで、女
性男性、黒いひと白いひと黄色いひと(これワシ)まで、じつに様々な人たちが、ほ
ぼ例外なく腰にわんさかナッツやフレンズをぶら下げています。こういう構図は日本
ではちょっと見たことがありません。壁は、縦横にクラックが発達していて、終了点
近くが概ねハングしています。ちょっと見には、城ヶ崎を思わせます。ミルストーン
もそうですが、話に聞いていたとおり、ピトンやボルトなど人工的な残置物は一切あ
りません。でも、登ってみてすぐに、それが一向に気にならないことに気づきまし
た。つまり無理にピトンやボルトを排除している風ではないんです。たぶんそれはご
く自然な、ただのふつうの選択だったのではないかと思えました。なにしろ壁はク
ラックだらけで、しかも非常に堅く安定しています。ナッツのセットにも不安がよぎ
りません。一つのクラックがとぎれても、すぐ横に別のクラックが出現するといった
案配で、合理的です。概ねグレードの高いラインはクラック間のフェースにとられて
いますが、そこも横に入ったクラックにフレキ・フレンズを決められます。
 いきなりですが、日本のクライミングにはコンセンサスがない、と、僕は日頃から
感じています。僕らのクライミングは、僕らがふだん触れる岩と同じに若く脆く、受
け売りの倫理と規範、それに性急なこたえに拘泥しているのではないか。そんな風な
ことまで考えさせられてしまったのでした。

 壁を抜けると上は気の遠くなるような美しい広大な草原で、背の低い紫色の花に敷
き詰められています。かつてこんな場所には、出会ったことも想像したこともありま
せん。エッジに沿ってトレールがあり、ジョギングしていくひとやMTBを走らせる
ひと、ハイキングのひとたちが、軽く挨拶を交わしていきます。ロープを巻いている
と、爽やかな風が吹き渡り、みるみる汗がひいてじつに申し分のない気分!!
 さて、ふつうリードはエッジ付近に根を張っている大小様々なテーブル型の岩にメ
インロープを巻いてセルフビレイし、フォロ-をビレイします。フォロ-が登り切る
と、簡単なルートをクライムダウンして、取り付きに戻ります。あるいはクライムダ
ウンしなくても、少し南に歩けば、ハイキングトレールで岩場を巻いて簡単に戻れま
す。

 僕は、例によってかあちゃんのビレイで、三ツ星絞り。LeaningButtr
essCracck(3b)、HollyBushCrack(3c)、Chris
tmasCrack(4b)、RightHandTrinity(4b)、Rob
inFood’sCrack(3c)を続けて登りました。5.6,5.7といった
ところです。難しいジャミングはありません。プロテクションも安定した姿勢でセッ
トできます。幅100mくらいの間に50本くらいのルートがあって、つまり単純計
算で2mに1本ルートがあることになりますから、効率良く取り組めます。こんな風
なエリアが手近なゲレンデにあったら、ナチュプロのセットを少しづつ確実に覚えて
いくのに理想的でしょうね。
 一休みして、5.9~5.10aに相当する5bのLeaningButtres
sDirectも。これはフェースです。核心は腰の高さにある水平クラックにナッ
ツを左右並列に2つセットして、膨らんだフェースの遠い一手を取る部分。楽
勝~~、ムハハハハハハ。
 そのあと僕と下の娘はテーブルストーンにねっころがってトカゲ、かあちゃんと長
女は、片道2kmのトレイルを辿って、丘陵の東端にあるスタニッジ・ポイントを往
復してきました。スタニッジ・ポイントからは、こじんまりとしたシェフィールドの
街が俯瞰できたそうです。

 翌日は、まるで昨日のことはなかったような厚い雲に覆われた空が戻ってきまし
た。週末の混雑が気がかりでしたが、早めに出て、マンチェスターからビートルズの
故郷、リバプールを廻ってロンドンへ戻ることにしました。函館みたいなリバプール
の街で道に迷い、少年にここはどこかときいたら、なんとペニーレインだったので、
ビートルズファンのかあちゃんは、地図を放り投げて大喜びでした。
------- おしまい -------

※ £1(1ポンド)は¥160くらいです。