11.08.2011

弓射塚氷池と列状火口2


弓射塚氷池と列状火口2
2011年11月3日土曜日 くもり
メンバー 桑原棟梁、太郎、 伊藤フミヒロ記
レーザープロファイラーの航空写真 1,2,3がミッキー、4が無名、5が列状
文化の日、河口湖パラエリアに寄ってみる。体験パラグライダーのお客さんは十数人とにぎやかだが、メンバーは桑原さんと佐藤ディレクターのみ。日差しがあって好天するかもとテイクオフに上がってみるが、結局雲が厚くなってフォローの風になって、下山。これで2000円以上の散財。

昼前に桑原さんと富士山西面の火口を見に行く。このあいだ見つけた氷池火口を歩いてみたい。天神峠の先に車を置いて、このあいだとは逆ルートで氷池へ向かう。1時スタート。太郎を放すとずんずんと先に走っていく。このあたりは彼にとっては踏破済みのエリアなのだ。
30分ほどで氷池の火口縁に立つ。なんとなく下れそうに見える。火口は直径100m深さ40~50mというところか。大きな噴火石や苔むした倒木を越えながら急崖を下る。桑原さんが先頭に立つ。現役の沢屋だからこういうところは得意だ。
火口底には氷池白太龍王の石碑があって一升瓶が3本供えてあった。地元の水の神様うんぬんと鳴沢村の広報に出ていたような気がする。対斜面は傾斜が緩く噴火石もなくて登りやすそう。で、そこを登り返して隣の火口も見に行く。
氷池火口縁のわな

ふたつの火口の間は狭くてひとまたぎ、2mほどしかない。となりの火口の方がずーっと大きいようだ。火口底に降りてみる。苔の大岩と倒木がごろごろしているがヒトの跡はない。
降りてきた踏み跡を戻って再び火口縁へ。太郎は?とGPSをチェックするとふたつの火口をとっくに先取りしてUターン。なんと1kmも後ろの樹海の中を歩き回っているようだ。迎えに行きようもない。
氷池火口底。石碑がある

双子の氷池火口の東側にもうひとつ同じくらいの火口のあることが、レーザープロファイラーの航空写真でチェック済みだ。そこに行ってみる。ササ藪をかき分けきれいな森に入る。ひと登りして第3の火口を見下ろす。広いがとても浅い火口で大皿のよう。緩い下りですぐに火口の底に着く。火口が埋まっているのか双子の火口と比べて極端に様子が異なる。こちらは落ち葉が積もった湿原か池のよう。
シカの角と遊ぶ太郎

この3つの火口をレーザープロファイラーの写真で見ると、三つが寄り添って正三角形に並んでいてミッキーマウスの顔のようだ。3つ子の火口なのかもしれない。生成の過程については専門家のレポートでも探してみよう。
第3の火口からは、このあいだ見た炭焼き小屋跡に下る。太郎は相変わらず樹海の中をひとり散策しているようだ。小屋跡の広場から往路に戻り林道まで下る。GPSで太郎が戻ってくるのが見える。ほどなくして首輪の鈴の音が聞こえてきた。2時間ほどのハイキング。
鳴沢林道沿いの無名火口

航空写真で鳴沢林道脇にも小さな火口があることが見てとれた。4の火口。見当をつけて車を停め、のぞいて見る。道端から50歩ほど、小高い丘に登ってみる。まちがいようない円形のクボミ、無名火口を発見することができた。林道からは見えない火口だ。直径30mほど。深さは数m。なるほどふむふむという気分。

天神峠に戻り、精進湖登山道1合目から列状火口を見に行く。大小さまざまな30ほどの火口がつながっているようだが、地図上の氷穴とあるのはどれなのかわからない。いくつか歩いてみたが、どこか落とし穴にでも落ちるんではないかと不安になるほど。あちこちで深い穴ぼこや火口壁に出くわす。
紅葉の美しい登山道に戻り暗くなる前に下山。
青が太郎。危険な樹海をひとりで縦横に移動している。いつか遭難しそうだ…。
しかし太郎の歩いているラインにもうひとつの列状火口がありそうだ
富士山を知る見るハイキングガイド伊藤フミヒロ