5.29.2013

北ア立山春スキー

北アルプス立山春
2013年5月14-16日
天候 晴れ
member  A氏 川崎カメ 征矢野(記)

御前から剣岳

 おぢさん達のHUT  TO HUT

 例年春の立山に通って来たが、寄る年波には勝てず、今年は日程に余裕をみて、御前乗越と室堂の2泊3日で剣沢、雷鳥沢、タンボ平を滑ることにした。

 平日なので扇沢を7:30の始発、団体が居らず、快適。例によって室堂でモタモタして、ターミナルを出たのは10時過ぎだ。今回は雷鳥平を経由する必要が無いので、室堂より少し戻る感じで、室堂山荘の手前からシールを外し、ミクリガ池手前よりブル道に入り、雷鳥沢の少し高い位置から取り付くことができた。このルートだと、室堂山荘以降ほぼ滑走でき、雷鳥沢まで再度シールを貼らずに行ける。今年は残雪が豊富で、称名川も厚く雪に覆われている。
例年なら1日で剣沢と雷鳥沢を滑るのだが、今年は初日を剣御前小屋泊とし、ダラダラと雷鳥沢を行く。

 シンガポールから来たという高校生か大学生くらいで7人の男女のグループと前後して登る。リーダー以外はストックのみ、ハイキングシューズに鎖が付いただけの簡易アイゼンで、氷には食い込まない。聞けば雪山は初めてという。いささか心もとないが、それでもバケツが掘られているので、何とか登っているようだ。雷鳥沢の詰めは傾斜がきつく、雪も締まっているので、他のスキーヤーも苦労している。こんな時はスキーアイゼンが有効だ。予定通り、15時頃には小屋に着いた。

 剣を目指したシンガポール組は、クラストした御前乗越からのルートにビビッた上に、小屋の人の説得で、涙を呑んで下山した。事故にならなくて良かったね。
 御前乗越まで登れば、剱岳が目の前に見える。いつもながらその雄姿にしばし感動する。今日はここまで、小屋でまったりと宴会を始める。おぢさん達には、御前小屋泊が、剣沢往復の無理の無い日程だ。


御前小屋

 二日目は、早朝より吹き倒されそうな風が吹き抜ける。剣沢に滑り込んでも、上部はやはり強風が続く。流石に剣沢上部は雪質が良い。今日は室堂山荘までなのだが、長い登り返しを嫌って、適当なところで剣沢を切り上げる。さあ雷鳥沢の大滑降であるが、雪崩を避けて右よりの尾根を下る。上部は適度なザラメだが、やはり5月中旬、下半分はだいぶ雪が腐っている。直接室堂山荘に行きたいので、来た時と同じく、雷鳥沢下部を高い位置で横断し、ブル道を行く。

 ミドリガ池側からの尾根上の雪庇が大きく崩壊し、ブル道の際まで新しいデブリが出ている。ここは昨日通過した時に古いデブリがあり、雪庇がまだ残っているので、注意したところだが、時間帯によっては危ないところだった。バックカントリーは所詮山の中、ゲレンデとは違うリスクも多い。一般ルートに近いアプローチであっても、気を抜いてはならない。


 15時前に室堂山荘着、山小屋というより立派な旅館だ。早めに風呂に入って、この日もリラックス。ありがたいねェ。夜半より強い雷雨、雹などが降って、明日はだめかと思いきや、夜が明けたら無風快晴。

                             一の越へ
おぢさん1

おぢさん2
ここに泊まっている強みで、朝食後ゆっくりと8時過ぎの出発でも、一ノ越に向かう本日最初のパーテイとなる。室堂周辺で遊ぶなら、やはり室堂山荘の立地は好条件だ。

 一時間ほどで一ノ越着、直下の斜面がカリカリで苦労する。後から来た関西の美人テレマーカー二人としばし歓談。御山谷は今回最高の雪質で、夏道のトラバース入り口まで、快適なターンをこなす。美女達は御山谷を大岩まで下り、登り返すようだ。そういうのもありだね、と思いつつ、東一ノ越へ向かう。ここも例年より雪が多く、トラバースも楽勝。

 東一ノ越10:45分、タンボ平を黒部平駅まで一気に滑る。今年はデブリも小さく、縦溝もなく、難なく黒部平に到着した。