5.31.1997

小川山のクラックルート-1

小川山のクラックルート-1
オンサイトでなくてもいいんだよ。休みやすみ登るのさ
夏子のナッツ5.11
 
1997-5-31
メンバー 忠、くるみざわ、汽車

 夏になるとどうしても小川山にいってしまう。ほかのところをあまり知らないからだが
、あきるということもない。
最近は東京からの日帰りが多くなった。道も良くなったせいか片道3時間だから日帰り圏
ともいえる。ま、せめて、せっかくだから、2日くらい居たほうがいいのだが。

それにしても、どうやら、あのオートキャンプブームは去ったらしい。
天気予報が悪いこともあったが、キャンパーの数はほんとに少なかった。このまま続けば
よいのだが。逆にクライマーのほうが目立つくらいだ。
金峰山荘のマコトさんも人が入らない、といって寂しそうにしていたという。クライマー
にしてみればキャンパーが去り静かな小川山が帰ってくるのはうれしいことなのだが。

クラック登りもたまには。ということで、兄岩の比較的、人の登らないクラックルートを一
日のぼってみた。

昼前、兄岩南面。マガジン10a,フィンガーっぽいクラックだが、フェイスをたっぷりつか
える。忠がリードし、トップロープでのぼる。リードするとあしもとが切れ落ちていて出
だしはこわそう。
もみじ10a、ボルトを使わず、ナチュプロで登るのが本当だろう。それにしてもカマロッ
トをつかいなれるととフレンズは心もとない気がしてくる。

午後。八王子ルート?だと思うが、5.8。テンションがはいる。情けない。足の使い方がわ
るいのだ。カマロットをセットしているうちに腕がはってきちゃうんだよね。
忠が夏子のナッツ5.11aを登る。えらい。

日が長いので、下部スラブにいき、ピクニクラ5.10bを登る。一部にクラックあり。ジャ
ムをつかう場所はそんなにない。ムーブは10bなのだろうが、なにせ長い。
休み休みのぼる、情けなし。でもいいんだよ、オンサイトしなくても。休み休み、登るのだ、
おれは。山登りはそういうもんさ。

5.11.1997

北ア針の木雪溪ボード滑走

北ア針の木雪溪ボード滑走
MORI MOMO

HARINOKI

1997-5-11
森桃

針ノ木岳をボードで滑ってきました。2年前に天気が悪くて中止していたので、雪辱戦。
ボードにはとても向いていると思います。
   7:00 扇沢 出発
   7:50 大沢小屋 着
   8:00 雪渓に取り付き ところどころきれて、豊富な水音が聞こえる。デブリも多い。
  10:00 マヤクボ沢への分岐 アイゼンをつける。
  11:00 2600m付近の台地に出る
        ここから山頂へ直登すると、最後が壁のように急なので、マヤクボ のコルから夏道をいく。岩場なので、板を背負い、プラスチックブ ーツだととても大変。
  12:00 山頂(2820m) 剣と立山が真正面に見えて楽しい。
  13:00 滑降開始。山頂直下は壁状なので、針ノ木峠方面へすこしトラバース。
        1段大きく下がるので、ほかのスキーヤーはバックステップで降りていた。
        ボードは横滑りで解決。
        斜面は広くどこも快適。全体に急で部分的に30度強あるところも。
        雪渓まで降りると、デブリをさけるため、ボードには辛い長いトラバース。
  14:00 大沢小屋の手前で、切れ切れですべりづらくなったのでおしまい。 

  
  感想   
     登り返しがほとんどない上に、ルートもわかりやすいしブッシュもない。扇沢からもすぐ取り付けて、日帰りもできる。ボードには最適だと思います。
     ただ、マヤクボ沢はアイゼンがあった方がいいようなので、ソフトブーツでは厳しいかも。
                                97-5・11 桃

5.10.1997

HENRY BARBERとクライミング

CLIMBING IN DOME WITH HENRY BARBER , SO. CAL

南カリフォルニアのクライミング:ドーム・ロック
MORI HIKARI
 
1997年5月10日

ニードルズのそばのドーム・ロックの報告です。

知る人ぞ知る往年の名クライマー、ヘンリー・バーバー氏とクライミングをする機会  
があった。
ヘンリーはアメリカ東海岸のニューハンプシャー出身で、1970年代に地元のエリ  
アやシャワンガンクスで当時のアメリカのグレードを押し上げた一人である。
今回はもともとニードルズに行く予定で、前日はベイカーズフィールドのモーテルに  
泊まり朝早く出発。ところがアプローチの林道がまだ雪があって閉鎖されていた。歩  
くと15kmぐらいある。仕方がないので近くの別のエリア、ドーム・ロックへ。

ドーム・ロックはきれいな花崗岩でルートもたくさんあるが、プロテクションは少な  
い。
まず、5.8の4ピッチルートのArch Bitch Upに取り付く。なんだエイトかよー、と  
思ったがこれがなかなか。

ヘンリーは昔気質の(頑固な?)クライマーなのでフレンズやキャメロットを使わな  
い。すべて、ナッツとシュリンゲである。それでもスムーズに確実にリードしていく  
。
2ピッチ目は私のリードの番だったが、オフハンドのクラックで中間サイズのヘキセ  
ンやストッパーだけでどないせいちゅうねん!ランナウトをがまんしながら、ノブ・  
ホールドでやっとプロテクションをとる。でもシュリンゲをタイオフしようとしたら  
、ヘンリーに注意された。ノブ・ホールド用のノットがあるらしい。ヘンリーが確保  
しながら教えてくれるが、なんだか良くわからない。リードの途中で新しいロープワ  
ークを教わるとは思わんかった。
そんなこんなで登り終わったときはのどがカラカラ。低グレードでもとっても充実。  

次はこれも4ピッチのAnti Jello Crack(5.10a)をのぼる。2ピッチ目はきれいな  
左上するシンクラックだ。ヘンリーが大喜びでリードする。彼はフリーソロでも有名  
で、どんな条件でもゆっくりだが着実に登っていく。
2ルート登り終えたらもう午後3時だった。ヘンリーが今日ニューハンプシャーに帰  
る
ので早めに終わり、ロサンジェルスに向かう。やっぱりアメリカのクライミングはス  
ポーツというよりアドベンチャーだなあと感じた1日だった。


場所:ベイカーズフィールドから車で約2時間。ニードルズのすぐそば。トポはニー  
ドルズのに載っている。

5.03.1997

タイオガパスの春スキー

タイオガパスの春スキー
アプローチかんたんにして好斜面多し
  
KITADA'S SKIING GAYLOR PEAK BACK MOUNTAIN IS MT.DANA.(LEFT) NISHI SKIING TIOGA PASS(RIGHT)
 

日時 1997-5/3
メンバー TOKYO TELEMARKERS

ロッククリークキャニオンで4日ほどスキー三昧して、マンモスレイクの町に下り
てきた翌日、一日だけ日帰りのスキーを楽しもうということで、タイオガパスにで
かけた。

このあいだ、ビショップのイーストサイドスポーツ店で、一日だけどこかへいくの
ならタイオガパスだ、という情報を仕入れていたし、最新のクロワール誌にもそ
このグラビアがでていて、ぜひ、とおもっていたからだ。
クロワール誌にのっている写真は40度から50度のクロワールを滑り下りている
スキーヤーのものばかりで、その点、大いなる不安はあったが…。

マンモスレイクの町からは小一時間のドライブ。落石の多いこわい道をぐんぐん登
るといきなりスキーに好適な山がごろごろでてくる。
クロワール誌の写真はエキストリームばかりだったが、実際はそういうところはご
く一部で、やさしいスロープのほうが多い。

タイオガレイクのあたりが行き止まりで、除雪はここまで。ヨテミテにぬけるのは
6月頭のメモリアルデイのころという。峠にはくるまがいっぱいとまっていて、ス
キーヤーがいっぱい。

二手にわかれて、ホワイトマウンテン方面ともよりのとんがりピークGAYLOR PEAKを
めざす。ホワイトピーク方面はまるで根子岳と四阿山みたいで楽しそう。
どこを登ってもよい斜面があり、迷うほどだ。道路の向いはDANA山で、
(そんな名前のパックもあるね)ここもすごそう。あちこちシュプールだらけだ。
サンデイエゴからきたオジさんテレマーカーはここで車にとまりながら、毎日あち
こちすべっているという。

ぼくらは適当なピークまで登って、滑り、また登りかえして滑り、楽しみました。
ここいらはけっこう気楽で、本格的な滑りが楽しめる。なべちゃんがコロラドの
ヴェイルパスと同じ感じといっていました。
とはいえ、ここにはいるには、シエラの裏道からいかなければならず、遠いといえば遠い。
6月になって道があけばヨセミテからはいれるわけだからそのころも楽しそうだ。
乗鞍の夏スキーよりは5倍は楽しめそうだ。
帰りにモノレイク観光しました。

5.01.1997

スイサイドのクライミング

CLIMBING IN SUICIDE,CALIFORNIA

9でも大変なもの、スイサイドのクライミング
徳地保彦
 

日時 1997-5
メンバー 森光、徳地保彦(記)
 
ある日のスイサイドでのクライミングのレポート、あるいは10&アンダークライマーの言い訳

傾斜はないんだが、けっこう緊張している。いつも練習している岩も同じ花崗岩だがここのはもっ
と白くてなめらかだ。赤っぽくて結晶の粗いジョッシュアツリーの岩ともまるで違う。どちらかと
言うと小川山の岩質によく似ている。この白い岩に南カリフォルニアのギンギンの太陽が容赦なく
照り付けている。まぶしくてサングラスをつけていても岩の凹凸がよくわからない。まるで雪壁を
登っているような気さえする。久し振りのロープクライミングなので、グレードが低いわりには奮
闘しているのが自分でよくわかる。トップにたってどんどんロープを引いていく快感をほとんど忘
れてしまったようだ。少しやさしくなってやっとワンピッチ目のビレイポイントに到着した。

 半年ぶりにまた日本から友人が来た。彼は毎年2回カリフォルニアの出張があり、そのたびに
近郊の岩場を楽しんでいる。きょうはまだ彼が触れたことのないスーイサイドへ来てみることにし
た。スーイサイドはあの有名なタークイッツの向かいにある。アルドルワイルドの町からも臨める
タークイッツの巨大な露岩にくらべれば、スーイサイドの方はかなり規模が小さい。それでもウイ
ーピング・ウォールの大スラブでは、どのルートでもバッチリ3ピッチはある。スラブばかりでは
ない。インソームニア(不眠症)と呼ばれる5�M11Cの素晴らしいクラックルートもある。ボルト
ルートや人工壁ばかりやっているスポーツクライマーがしっぺ返しをくらうルートだ。車を降りて
から岩場まで、ゆっくり歩いて20、30分なので、ゼロ分アプローチに慣れた南カリフォルニア
クライマーでもたどり着くことができる。ジョシュアツリーなどのハイデザートのエリアが暑くて
登れなくなる夏場は、このスーイサイドやタークイッツに多くのクライマーが集まる。

 僕もその友人も実力のほどはと聞かれれば、正直なところ5.10がいいとこだろう。毎週末、同
じルートで何回もハング・ドッグを繰り返せばもっと上級の課題がこなせるようになるかもしれな
いが、もうそんなにひとつのルートに思い入れができない。グレードが低くても登ったことのない
ルートはくさるほどあるし、僕の場合は、何回も同じルートを登っても十分楽しめてしまう。そう
いう理由でとりあえずこの「サーペンタイン」というルートを試してみることになった。グレード
は5.9でふたつ星だ。一度は登っているはずだが、だいぶ前の事でほとんど記憶はない。友人には
少しものたりないかもしれないが、僕にはこれくらいのレベルが最高に岩登りを楽しめるグレード

だ。

 最近では、5.10くらいのルートはモデレートなどと呼ばれ中級者向けの比較的容易なものとさ
れている。まして、5.9などは初心者向けのつまらないルートというイメージが日本では定着して
しまっているようだ。それには確かな理由がある。日本でフリークライミングが始まった頃は、登山
やアルピニズムの観念からなかなか抜け出せずにいた。純粋に岩登りだけを楽しむという新しい価値
観はすんなりとは受け入れられなかったのだ。それまでは日本で岩登りと言えば、雪渓をたどり、
落石をかわしながら岩壁を登ることだった。そして頂上には必ず到着せねばならなかった。困難な
場所はハーケンやボルトをベタ打ちして人工で越えていくのが常だった。ところが、小川山や城ケ
崎などに次々とフリーのルートが開拓されるようになると、あっという間にかなり多くの人達がい
きなり5.11や5.12をこなすようになってしまったのだ。5.9や5.10のグレードが日本であまり
注目されなかったのは当然だろう。みんながフリークライミングを楽しむようになった頃、気が付
くとすでに日本でも5�M13なんてとてつもなつ困難なグレードが登場していた。

 ところが、僕らにもすっかり馴染みになったヨセミテ・デシマル・システムが生まれたアメリカ
のクライミングシーンではかなり様子が違う。このデシマル・システム、実はヨセミテではなく上記
のタークイッツで使われ始めたらしいが、何とアメリカでいちばん最初の5.9が今から40年以上も
前の1952年に、このタークイッツで記録されているのだ。あのロイヤル・ロビンスがフリー化し
た南壁の「オープン・ブック」というルートだ。5.10やら5.11のルートが頻繁に出てくるのは70
年代になってからだから、アメリカのクライミングにおける5.9というグレードの歴史的意義がうか
かれる。ほぼ20年近くにわたり5.9が最上グレードとして君臨していたのだ。そういう事実を見て
みると、その後登場した5.10がいかに困難であったかは疑うべきもない。もちろん、道具や技術の発
展に負うところも大きいが、この困難さは今日でも変わらない。長くランアウトしたスラブや、不安
定な体勢でロックスやストッパーを選びながら登るクラックを試してみるとよくわかる。ボルトで保
護された前傾壁のムーヴをこなしていく現在のスポーツクライミングとは明らかに違う難しさだ。初
登攀の状態が比較的よく保存されているアメリカの岩場では、5.9や5.10のモデレートのルートで
も十分クライミングの醍醐味が味わえるのだ。いや、むしろこういうクラシックルートにこそクライ
ミング本来の面白さがあるものと、今だ5.11をてこずる僕たちは信じて疑わない。

 さて、2ピッチ目は友人がリードする。大きなスラブをロープがスルスルと伸びていく。彼はき
のうニードルズも登ってきたのでずいぶん調子が良いようだ。相変わらずギンギンの太陽で、露出し
た肌がジリジリと焦げて痛い。南カリフォルニアのクライミングでは雪がなくても日焼け止は必携だ
。めんどうなのであまりつけない。おかげで顔や腕はトカゲの皮のようになってしまった。谷をへだ
てたタークイッツの上には少し黒っぽい雲が現われているが、雨を降らせるほどの勢いはまったくな
い。痛むような陽射しを少しでもやわらげてくれれば良い方だ。取り付きのあたりにワンパーティ来
ているがスラブの中には僕たち以外だれもいない。あまり傾斜のないスラブでも遠くからみれば、必
死に岩壁にしがみついているように見えるかもしれない。実際は、白い大きな花崗岩のスラブの中に
いると、自然の一部になったような気がしてとても気持ちが良い。ちょうど樹木にかこまれて森の中
にいるようなまものだ。都会の面倒なことはすべて完璧に忘れてしまっている。友人は核心部もなん
なく越えビレイポイントに到着した。このピッチを終えれば、次はもう最終ピッチだ。傾斜がだんだ
んと緩くなって終了点となる。こんなに気持ちが良ければ緩傾斜でも楽しいことは請け合いだ。
5.9バンザイ! モデレートバンザイ!

COLUMBIA HAUTE ROUTES

COLUMBIA HAUTE ROUTESなべ

Northern Monashee Traverse with Selkirk Mountain Experience
渡辺賢二
 
 
1997-5
渡辺賢二
コロラドで2ヵ月ほどバックカントリースキーをした時に山で会った人達からカナダのB・C.
でのバックカントリースキーはすばらしいと話を聞いていた。その後、このことは忘れていたが
カリフォルニアのシエラネバダでスキーをするために資料を探していた時にカナダでのスキーの
ガイドサービスについて知り、アスペンの登山用品店に立ちよった時ガイド会社を紹介された。

その資料を読むととてもすばらしいことが書いてありさっそくその会社に電話をする。電話に出
たのはスイス人のルディー・ベグリンガーだ。のちに知ったのだが社長でこのエリアを唯一知り
つくした有名な山岳ガイドである。ドイツなまりの聞きにくい英語で始めは心配した。むこうも

'93よりモナシートラバースを始めて以来、初めての日本人であり、それもテレマーカーなので心
配であったらしいが話を進めていくうちにOKが出る。聞くだけのつもりが予約までしてしまった。

のちに知ったのだが予約は1年前ぐらいにすでにしている人がいるぐらい混んでいるそうだが
、今回は予定外で1ケツアーを組んだのでそのスペースがあいていたために予約ができたのである。

普通はこのツアーに参加する前にはデュラングレーシャー小屋に泊まって別々のルートを6日間すべ
りまくるツアーに参加してスキルを確かめてからでないとだめなのだがむりやりお願いした。デュ
ラングレーシャーのツアーも参加した人の話によると最高で、とくにパウダー時は天国のようだと
のこと。次回は僕も参加したい(ツアーはクリスマスより4月末まで毎週ルディーが常駐。

2月中旬から3月ごろはベストシーズンなので予約がいっぱいである)(スキルはストロングイン
ターミディエイト以上)
予約後Eメールで予定と装備と集合場所が送られてくる。

レベルストークの街の近くのWINTER GREEN INNに前日に入りこのツアーの客用にシェアールームに
して安く泊めてくれ、おまけにうまい朝食付である。夜おそくには皆あつまり、あいさつをかわす。


出発当日
8:00に朝食をすませガイドがやってくる。今回はガイドにスイス出身のルディーとサ
ポートにドイツ出身ローヤスのふたりに客がジャクソンホールから来たノリーン女性テレマーカ
ーMTBダウンヒルスペシャリスト、ドン(トロント)山スキーヤーMTBレーサー、エイド
リアン(ケベック)山スキーヤー中年登山家(元120㎞スキーマラソンを2日でこなす)(スキ
ーはあまりうまくない)、ルイー(ポーランド)テレマーカー ロードレーサーに私の5人で
ある。

通常は10人前後の数でこのツアーをやるが予定外のツアーのため数が少ない。とてもラッキーである。
だいたいに面通しをして保険にサインをして装備のチェックもなく車で出発である。

北へ50㎞ばかり走りDownie Ceekのヘリポートに向かう。ヘリポートといってもただのヘリ1機分
の空き地で、その近くを走っている時いきなり山からヘリがあらわれて我々をPick upし、いっき
にBovrne Glaicerのキャンプ地に向かうヘリにのる際、横の土手にいきなりムースのメスがあらわ
れカナダに来たことを実感させられる。

Glaicer到着後その場にテントをはり、さっそく前に見える山に向かう。ピークの名前はないがノ
リーンが「私の乳首ににているでしょう」と我々にノーブラのTシャツを見せるので、そのピー
クを「ノリーンズ ニップル」とすることにする。30分ほどゆるやかに登りながらトラバースし、
50度ほどの急斜面を板をはずし、ガイドのキックステップにそって登りその後、板をつけなおし、
登りトラバースし、ニップルにつく。テント地から1時間30分ほどの行程だ。時間が遅めだった
のでガイドがなだれの危険をふせぐため早いピッチで登るので私はペースについていけず先がお
もいやられる。

頂上着後休みなしで下降する。下降は25度~30度ぐらいの斜面をとおるがクラストし、アルペン
式ジャンプターンでなんとか切りぬける。荷がないので楽である。斜面途中にクレバスの横を通
る。2~3日前に雪が30㎝ぐらい降ってそれがクラストしとてもすべりにくく、又その雪は軽く
なだれクレバスをさけるためトラバースする途中足をとられる。皆ここは慎重に下る。その後
、軽くクラストした斜面を何とかテレマークターンで下るが2度ほどこける。

ガイドはそんな中すばらしいテクニックでスムーズに下り感心させられるが他のメンバーもエイ
ドリアンがすこし苦戦しているがすばらしいスキーをする。ノリーンのテレマークは完璧なポジ
ションでジャンプテレをし、クラストをやぶりパワフルに下降する。すごい!!メンバーは足並
みもそろっているし、おもしろいしでラッキーである。

GOR2人用テントでエイドリアンと一緒のテントになる。天気は快晴。
2日目 
今日も快晴だ。朝4:30に起きて空を見てほっとする。朝食をとり、
テントをかたづけ5:45にテント地を出る。ゆるやかな登りをガイドを先頭にして皆早いスピード
でもくもくと登っていく。コロラドの時、自分一人でHut to Hutなどをこなしていたので自分の
ペースで歩き休みをとっていたので今回の早出早着休みなしで歩きつづけるスタイルはヨーロッ
パに行った時に知っていたが、さすがにカナダでもやるとは思っていなかった。
もちろんコロラドと違いグレーシャーの中にクレバスがあり、今なだれの危険があるという条件
はあるが。またガイドがヨーロッパ人だからという点もあるかもしれない。
まあ私は疲れぬようにマイペースですこし皆よりはなれて登る。途中急登をスキーをはずし直登。
2時間ぐらいした所で一瞬休みCAT PEAKの取りつきまで登り荷物をデポし5分ほどスキーで登り、
スキーをデポし急登をストックを逆さにして突きさしながら登りガイドの作ったキックステップを
ロープで確保してもらいながら登る。稜線に出てリッジになった所からすぐがピークである。すば
らしい景色に感動する。

CAT PEAKに9:30に着くピークは畳2畳ほどなので7人でいっぱいである。360度のパノラマを楽し
み皆でイーハーという。ガイドに確保してもらい1足1足下りスキーをとり荷をPickしてここより
いよいよ下降である。登ってきた逆側に延々続くスロープを今回のテント地まで下降する。雪質は
昨日のスキーとうって変わってコーンスノーで重い荷が気にならないぐらいにすべりやすく、皆で
写真をとりながらすべる斜度も20~30度ととてもきもちがよい。

12:00にテント場(Big Eddy Creek)に着きデポしてあるビールをさっそくとりノリーンがウエイト
レスになりテレマークターンしながら皆に配る。昼食をとり一息入れ僕とルイーで手前の急斜面に
登り、ひとすべりするが雪が悪くアルペンジャンプターンでお茶をにごす。その後はよい天気なの
でごろごろする。
3日目 
4:00起床。天気は快晴だがすこし風が強い。いつものようにせかされる様に朝食後テン
トを片づけて5:30に歩き始める。美しいアイスフィールドを見ながらゆるやかなトラバースを登
っていく途中カメラの中にゴミが入っていることに気づき、それを取ろうとしたが取れずとまどっ
ていると皆はガイドと先にさっさと行ってしまい遅れをとる。

2時間半ぐらい休みなしで歩いてついていくが、さすがに疲れひとり休みをとり、軽く食べてパ
ワーをつける。その後Colを板をはずしKick stepで登ると目の前にSchrund Peakとその大きなコ
ーニスが見える。ここでは皆は待っていてくれた。荷をこの先ですこしおろし、板にアイゼンを
付けてすこし登りKick stepで50度弱の斜面を直登。又板を付け3分ぐらいで9:00にSchrund Peak
に立つ。エイドリアンだけは疲れていたので荷の所で待っていた。

写真をピークでとり下降する。直登する斜面を下降するのかと思ったが、さすがにガイドがすこし
トラバースさせて斜度を落としてゆるめの40度ぐらいの所を6~7ターンすべて荷の所にもどり、
いよいよここから本格的に下降する。下降にあたってすこし時間が早いので雪の変化を10分ほど
待つが、風でコンディションがかわりそうにないので下る。

下降路はとてもきもちのよいテレマーク向きの大斜面で思ったよりも雪が悪くなく、斜度も25度
ぐらいで荷もきにならずおもいっきりとばす。森林限界を渡った所ですこしトラバースして本日
のテント地(Frisby creek)に10:30には着いてしまう。
2日間ここにステイする。風が強めなのでテントをブロックでかこむ。天気はとてもよく午後中ず
っと周りでなだれの音がなりひびいていた。
4日目 
4:30に起床し朝食をつめこみ5:30にテント地を出る。今日はテントはこのままで荷もザ
ックに昼食程度をつめてテント地から見えるアイスフィールドを登る途中クレバスなどが多々あり
、そこのめきを歩いていく今日はクレバスが多いので特にガイドがかたまって歩けと支持を出す。

2時間休みなくハイペースで歩きやっと水をとる。風もなくもくもくと登りつづけ汗をかきUnder
1枚で歩く。その後、稜線をスキーで歩き直接スキーでSerac Peakに8:00に着く。

とてもながめがよく風もなくあたたかいここで皆で写真をとったり食事をとったりしてなごむ。
頂上より稜線まですべり込み手前のこぶに板をはずし少し歩き、いよいよ下降である。大きなゆ
るやかな25度くらいの斜面をきもちよくすべる。雪はコーンスノーだ。時々のクレバスをさけな
がらすべり途中より深雪の重い雪に変わり皆、特にテレマーカーは手こずる。僕も下にいくまで
に2度こけた。荷がもっとあったら大変だったと思う。

斜面の底まで行き平らな所をトラバースし、テントサイトまで板をはずし、つぼ足で歩く。ちょ
うど10:00にテント地にもどる。

今日からガイドのルディーはあらかじめテント地にデポしてあったスノーボードをボレーキット
を使いバックカントリー仕様にしガイドを続ける。今日は意外と疲れ、皆テント地の周りですべ
る者もいなかった。
5日目 4:00に起床し朝食をそそくさと食べて5:00にテント場を出る。途中まで昨日と同じル
ートをとり昨日よりザックが加わったものの、順調にゆるやかな登りを登っていき2時間ぐらい
した所で休む。昨日はそのままSerac Peakに向かうがルートを手前左側にとり稜線に出てそこか
らすこしトラバースし荷をおき、Glissade Peakに8:00に着く。

360度のとても美しいここのピークは広くゆったりしている。荷の所まで比較的急な斜面を下降
し荷の所にもどる。
斜面はすこしかためで、とてもきもちよくすべりやすい。荷をPickしゆるやかな大きな斜面を下
降しここから45度くらいある斜面を下が崖でこけたら死ぬかもしれないのでガイドの指示で板を
ずらしたり、カニ歩きしながら高度を落とし斜度がゆるくなった所で又すべり続ける。

大きなゆるい斜面をきもちよくすべり平になった所でスキーをつけ、ゆるめの山を登りそこより
沢に向かって下降する。始めのうちはきもちよくテレマークを楽しむがその後、片斜面のデブっ
ている斜面を延々とトラバースぎみに下降し、すべるというよりもこけながら落ちていく。この
辺はなだれ危険地区なのでガイドがかりかりして急げと声をかける。急げにも、こけながら落ち
ていってぼろぼろであった。
なんとかそこをきりぬけ、その後重い深雪の沢をひとすべりして又スキーをつけデブリの跡のあ
るおおきなコーニスが上にあるいやらしい所をトラバースぎみに登りアンフィシアターになって
いる湖の上でひと休みする。ここで雪をほり水を取りここから見える最後の沢をできるだけスキ
ーで歩きその後つぼ足で一歩一歩登っていく。ここも軽くデブリの跡があり危険な所だ。現に登
っている時に少し表層がくずれてきたが幸いゆっくりだったのでよけて登った。

ガイドは上でさけんでいた。この沢を登った上が今日のキャンプ地だ。(Tour Rande Swridge)
11:40着。とても天気がよく、暖かかったのでノリで全裸になり手前の斜面を数ターンした。
皆にはおおうけであった。それにしてもきょうはなかなか大変な一日であった。

6日目 
4:30に起床。昨日夕方より雲いきがあやしくなり夜ぱらぱらと雨が降ったが
今日はなんとか天気が回復した。テントと共同装備はここにデポし5:30にTour Roudeに向けて
登る。スキーのまま頂上直下まで行きスキーをデポしつぼ足で荷とともにピークに7:00に立つ
。スキーをPick upしここから下降が始まる。重い深雪を苦労しながらすべるが皆はすばやくす
べっている。一回トラバースし、なだれのおこりそうな所を一人づつ離れて渡り、ヘリのPick 
up pointまでいっきに下降する。

8:10着。ここで10:00までヘリを待つ時間があるので先ほどの斜面を皆ですこし登りすべる。
皆で集合写真をとりガイドと握手をかわす。

フライアウト後、車でレベルストークにもどり皆シャワーをあびガイドのルディーの家でお茶を飲む。
今回のような縦走は年によってこの会社がルートをかえたり場所をかえたりするので再度参加する人
がたいへん多い。
このガイドシステムとしてはヘリで森林限界を越えて、そこから縦走し又ヘリでPick upというも
のだ。又、荷物は夕食だけは各テント地にあらかじめヘリでデポしてあり個人は個人装備の他はテン
トと共同装備のナベとMSRを各自わけて背負う。コロラドなどのHut to Hutに対してPeak to Peak
とでもよべる旅である。朝食と夕食はガイドがつくってくれ昼食はクッキーやサンドイッチ程度のも
のを各テント地で配られ各自てきとうに食べる。
今回のツアーは天気に恵まれたが昨年は1週間すべて雨だったとのこと。もちろんこれは例外であり
この時期は天気に恵まれることが多いが、そのようなこともあることは頭にいれておきたい。もちろ
ん雪だって降る。スキー技術はもちろん上級が必要だが体力的にも強いことが望ましくスキーで北ア
ルプス縦走ぐらいやったことがあるスキー技術と体力が必要だ。なお今回とったルートはカナダの
TOPOMAPのNo82M/7、82M/2、82M/8です。

装備については一般の物と変わらないがテレマークスキーでもスキーアイゼンはあった方がべんりだ。
ザックは夕食を持たないので今回は60㍑を使う。なおこの周辺やジャスパー、バンフ間にはバックカ
ントリースキーができる所が多々ありRocky Mt.BooksのChic Scott著『SUMIT & ICEFIELDS』が詳し
く書いてある。
ワプタトラバースは有名だ。ヤムナスカでガイドサービスもやっている。又、同社同著の
SKI TRAILS in the Canadian Rockies』もあるがこちらはいまいちだ。又ゴールデン近くのロジャー
パスはバックカントリースキーで特に有名でアプローチも楽で、その最寄りのパークステーション
で『TOURING AT ROGER PASS』という地図by DRUID mountain enterprises(Calgary)を得ることが
できるので参考にされたい。特に上級者にはYoungs Peakをおすすめする。なだれには十分気をつけ
るべし。

Selkirk Mountain Experience
Box 2998 Revelstoke B.C.
V0E 2S0
CANADA
Tel 250・837・2381

Yamunuska Inc.
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