6.28.1997

小川山レイバック

小川山レイバック
3通りの登り方があるという
見ためのよいところ
 
1997-6-28
DCC and KIM 合同

土日は小川山でクライミングだ、とはりきっていたのだが、6月二度目の台風上陸で
悲惨な週末だった。
小雨でも登れるということで、5.9の名ルート小川山レイバックにトライ。
初めてのぼったのは10数年以上まえ、以来一年か二年に一回くらいずつ登る機会が
あって、通算なら7、9回は登っているのだが、いつもきれいにはのぼれない。大岩
夫妻の『フリークライミング 入門とガイド』に詳しい登り方がでていたとおもうが
、普通、出だしはレイバックで、ハンドジャムをきめてからフレンズをいれ、中間テ
ラスにたつ。そのうえはかぶり気味だけれど手足ジャムをきめて、ステミングも利用
していっきに登るというのがよくあるパターン。ぼくもいつもそれだが、かぶり気味
のところでジャミングしながらプロテクションをとると、結構腕にくる。フレンズが
すぐ決まらないとあせるところだ。

その日、カラファテの講習会できていた中根さんは、ここを初心者のために、100
パーセント、ステミングで登る教えかたをしていて驚いた。宮崎秀夫さんも、まった
く足はクラックにいれないで終了点までステミングだけで見事にのぼっていた。ぼく
もトップロープでまねしたら、なんのこともなくそれで軽く登れてしまった。傾斜を
殺せるから、まったく疲れない。
二人の先生がいうには、ここは3通りの登り方がある。レイバック多用と忠実なクラ
ック登り、そしてステミングだという。

ステミング利用なら力のないひとも、ジャミングを知らない初心者もここを簡単に登
れるのが面白い。ま、この日は、小雨でほかに登れるところもなかったから、講習生
をここに連れてきたわけで、彼等を登らせるにはそれが一番よかったわけですが

6.21.1997

小川山左岸スラブ

小川山左岸スラブ
講習会でいつもにぎわっている

 
1997-6-21
KIM ちゅう、汽車、安田

日帰りで小川山に遊ぶ。途中用事があって、昼過ぎに回り目平。左岸スラブにいくと、
ちゅう、安田がのぼっていて、きょうはモチなくもうおわりだという。ちょとまて、と
ブラックアンドホワイト5.9とジャーマンスープレックス10aをのぼる。前者は楽勝、後
者はワンテンはいる。ま、スラブは水ものだから、気にしない。きょうは、いまいちズ
クがないということで、お開き。こんな日もある。おもえば小川山にきて雨が降って登
らずにかえることもよくあるのだから。

それにしても左岸スラブは年ごとにつるつるしてくるような気がする。グレードもあが
っているのではないか。その分靴もよくはなっているのだが。それにしても何と短いル
ートであることよ。

ブラックアンドホワイトの左側のルート(名前は失念)も面白いよ。ちょんぼ棒を使い
たいくらい一本目が遠いが、ガバをつかうので行けるとおもう。

6.05.1997

YOSEMIT500 FOR 5.10 CLIMBERs

YOSEMIT500 FOR 10 AND UNDER CLIMBER

ヨセミテで遊んだ
KIM同人合宿97 黒川せいすけ記

NUT CRACKER(LEFT)OUTER LIMITS(RIGHT)
 
KIM 同人ヨセミテ合宿
1997-6-5~12
7人のクライマー

 春山でテレマークを楽しんだ後の温泉で、「ヨセミテに行かないか」という話がで
てきた。6月なら自分もヒマなので、「行きましょう。」ということになった。ヨセミ
テに行くのは他の海外登山に比べてずっと気楽だ。もちろん目的がビッグウォールなら
それなりに準備も必要だろうけど今回は一週間。ショートルートを楽しむつもりなので
持っていく道具もたいしたことはない。
 ヨセミテ行きの話がまとまると、いつもの仲間がいろいろと参加することになって
きた。皆、それぞれ日程がバラバラなのでキャンプ4集合の、出入り自由な合宿形式に
なった。ヨセミテに来たのは5年ぶりだった。緑の濃い森と、白い岩と青い空のコント
ラストは、いろんな国で遊んだ後、訪れても格別にすばらしい。今年は雪が多かったと
のことでヨセミテフォールも水量がたっぷりで豪快だ。キャンプ4入りしてその日は食
糧や燃料など、必要な物を買い出しにでかけると夕方になってしまった。日中は陽のま
ぶしいヨセミテも夕方になると急に落ちついた感じになる。キャンプだけでもここに来
たいと思う。

 翌日は早朝に降りだした雨が一日中降り続き、テントでゴロゴロしていたけれど時
差ボケと旅のつかれをいやすのにはちょうどよかった。まる一日降った雨もやんだので
ハーフドームの頂上までハイキングに行くことにした。ハイキングといっても1000メー
トル以上の高度差があるし、ドームへの最後の登りはずっと手すりをつかんで岩場を登
るわけで、日本のハイキングとはちょっとちがった感じだ。夕方になってようやくバス
ストップに戻る。途中で滝をみたり、森の中を歩いたり、最後はドームの岩場を登り、
変化のある楽しいコースだった。

 6月6日、いよいよクライミングにでかける。クライミングは初めての渡辺とスワン
スラブにでかけた。スワンスラブはキャンプ4から近く、歩いて5分くらいだ。名前の
とおり傾斜はゆるく、日本のゲレンデのようなサイズなので、初日登るには良いところ
だ。スラブだけでなく、けっこうクラシックルートもあり、ナチュラルプロテクション
になれるのにも良いと思う。5.7のフレークルート(Penelope's Problem)を登る。
2ピッチ目、5.6のガリーを登りラッペル。渡辺は自然の岩場は初めてなので少しと
まどっていたけれど、すぐになれた様だ。左よこのクラック(Grant's Crack)5.9を
登る。ところどころフィンガージャムを使いなかなか楽しい。

 これを登り終えてローワーヨセミテフォールに移動。ヨセミテフォールの下の橋を渡
り、少し登った所が取りつきだ。下から見上げると滝はすごい迫力だ。日本には700
メートルの滝なんてないんだから当然だけど。ここはヨセミテバレーの中でも見どころ
のひとつだから、いつも観光客がいっぱいで、なんとなく華いで楽しい雰囲気だ。記念
撮影する人たちの前をとおり、岩場へ少し登る。ここも人気があるようで、結構人が
登っている。少し順番を待ってJamcrackルートの1ピッチ目を登る。(5.
7)このルートは2ピッチ目に5.9のハンドクラックが続いているが、少し混雑して
いたので登らずにラッペルして下った。
 ビレッジストアに行って夕食の材料を買って帰る。ビレッジストアはなかなか品揃え
が豊富だ。食料、酒、たき火用の薪、ちょっとしたキャンプに使う道具などいろいろ
と、そろえることができる。クライミング道具などは、カリービレッジにクライミング
ショップがあるのでそこで買うことができる。今回、日本食はミソと茶、フリカケだけ
を持ってきたけれど充分だった。もちろん本格的にいろいろ日本食を作りたい人は、
持って行く必要があるが、そうでなければ、あまり持ってゆく必要はないんじゃないか
と思う。ヨセミテでの生活に必要なものはだいたい現地でそろえることができるので、
日本食材料を除けば、お金を持って行ったほうが良いかもしれない。

 6月7日、午前中キャンプ場でゆっくりして午後からFive Open 
Bookに出かける。ここもキャンプ4から近く、ヨセミテフォールの橋の手前から左
に登っていった所にある。名前どおり大きなコーナーがいくつかあり、今回は5.6、3
ピッチのルートに取りつく。(●●●)
 たった3ピッチでも高度を上げてゆくとバレーにはえる木を見下ろすことができて
気分が良い。やさしいけれど、ひとつひとつプロテクションを自分で考えながらとって
ゆく。自由な感じがしてとても好きだ。終了点からは靴をはきかえて歩いて下る。歩い
て下ることも、ながめの良い所をとおると楽しいものだ。

 6月8日、昨夜4人のメンバーが合流したので、天気の良いうちに有名なナットク
ラッカーを登りにゆくことにする。5.8までで5ピッチの登りだ。ヨセミテをショート
ルート目的で誘われた人のほとんどがこのルートを登るのではないかと思う。手ごろな
グレードで変化にとんだルートのおもしろさが、多くの人をひきつけている。けっこう
混雑しているとのことだが、やはり取りついてみると先行パーティがじゅずつなぎに
なっており、結局上まで抜けるのに、まる半日かかってしまった。昼から取りついたほ
うが意外によいかもしれない。
 ルートはコーナークラックのレイバックから始まり、傾斜のゆるいフェースを小さな
ハングを2つまじえながら登る。プロテクションのほとんどがナッツ類でとれるため、
ルートファインディングも楽しめる。終了点から歩いて下る。帰り道から見上げると自
分たちの登ったルートがよくわかっておもしろい。

 6月9日、今日は再びヨセミテフォールへ。先日登らなかったジャムクラック、2
ピッチめまでを登る。2ピッチ目はジャミングのよくきく、5.9のクラックだ。登り終
えて1ピッチ目の終了点にラッペルして、トップロープをセットする。ジャムクラック
ルートの左側にはフィンガーのレイバックルート(Lazy Bum 5.10d)があるので、
トップロープでトライしてみる。トップロープなら力をつかいきらないうちに登りきれ
るけど、リードはまだ自分には難しそうなのであきらめる。伊藤と楽しんだ後、スワン
スラブに戻る。先日は渡辺と二人できたので伊藤が5.9のクラックルート(Jamcrack
 Route)をリードする。どのルートもあっさり登ってしまい余裕だ。
 早めに切りあげてたき火と夕食の準備に帰る。薪はビレッジストアに売っており、各
テントサイトにたき火をする場所が用意されているので便利だ。ちなみに、公園の樹林
を燃やすことは禁じられている。朝起きてクライミング、買出し&シャワー、夕食&た
き火のパターンで毎日がすぎていった。

 6月10日、昨日登り残したスワンスラブのレナズレイバックに行く。右はしにある
5.9の美しいコーナークラックだ。取りつきは木かげになっており涼しい。名前どおり
ほとんどレイバックで登る。ところどころ足がすべりやすく、ちょっと緊張する。レイ
バックのリードはプロテクションをとりにくくていつも緊張だ。

 チャーチボウルに移動する。有名な三ツ星ルート「ビショップテラス」は混んでい
るので、正面のクラックルート(Churc Bowl Tree)に取りつく。2ピッチ目まで続
いているが、ボルト2本のところまで登り下る。ボルトから先は5.10bのトラバースだけ
れど、2回落ちてあきらめる。うまくいかないこともあるからしかたない。右側に移動
して11bのボルトルート(The Energither)に取りつくが伊藤も上までぬけられなかっ
た。もちろん僕はぜんぜん歯がたたず、前パーティの残した捨てビナを使って下る。毎
日たくさん登らなくても少し疲れてきた様だ。

 6月11日、どこへ行くか少しまよったが、結局エルキャピタンのベースに行く。午
前中に用事をすませ午後発をした。エルキャピタンは岩が白く、晴れた日にはとてもま
ぶしい。取りつきから見上げると首が痛くなるほどのスケールだ。ノーズやサラテをの
登っているパーティがみえる。下部はまだ少し傾斜がゆるいが上部は前傾している様に
みえる。
さて、取りつきに行ってみると仲間の森がおもしろそうなルートを登っていた。5.9の
クラックルート、La Cosita。三ツ星ルートだ。続いて伊藤と登る。ジャミングがどん
どん楽しくなってきた。La Cositaを登り終えて、有名なMoby Dick 5.10aに移動。
モビーディックは40mくらいクラックが続き、上部でクラックが少し広くなる。総合的
なジャミングテクニックが要求される三ツ星クラックだ。下から見ると傾斜がゆるくみ
えるが、実際に登ると、けっこう上部で腕が疲れてしまう。日本では長いクラックを登
ることがなかったので、自分のスタミナのなさを思い知らされた。モビーディックを登
り終えてビレッジに帰りまた、ピザとビールを楽しんだ。

 6月12日、いよいよヨセミテでのクライミングも最終日なので、あこがれのクッキ
ークリフに行くことにした。クッキーは難しいクラックルートで有名だが、5.10クラ
スの3ツ星ルートも何本かある。クッキーへはキャンプ4から車で10分程度だ。
 仲間がキチチー5.10dを登るのを少し見てからアウターリミックに取りつく。40m以
上垂直のクラックが続いている。難しいムーヴはなく、5.10bのフィンガーが少しある
が、なによりも休みなく続くハンドジャムに半分で疲れて伊藤にかわってもらう。伊藤
もいくつかプロテクションをのばして休憩。結局、たっぷり休んで2回目のトライでな
んとか1ピッチを登り終えた。

 ヨセミテでのフリークライミングは楽しい。すてきなキャンプ生活ももちろんだ
が、日本では味わうことの難しい長いクラックや、ぞんぶんにナチュラルプロテクショ
ンを使うクライミングはクライミング イコール 山登りだったころの何かを感じさせ
てくれる。1週間の休みで充分楽しめるヨセミテに今年こそ行ってみてはどうですか?

6.03.1997

ヨセミテ・クライミングキャンプ

KIM同人ヨセミテ・クライミングキャンプ  糸尾汽車

  HIKARI CLIMBING MOBY DICK 10b,EL CAPTAIN
 

みんなでヨセミテでクライミングしよう、ということでやりくりして行ってきまし
た。天気にめぐまれそこそこ楽しんできました。3チームにわかれていきましたが
、ぼくの場合東京からで、土曜日から翌日曜日までの9日スケジュールで中5日た
っぷりとクライミングできました。近くて安上がりでいいな、とおもいました。

1997.6.3-13 晴介、賢二
  6.7-12 光、もも、
  6.7-13 KISYA
    6.9-13  CHU,TOMY

6.7  ビレッジのマーケットで先発の晴介、賢二とあう。先発はタイオガパスで二三
日スキーする予定だったが、肝心の道があいていず、クライミング一日とハーフド
ームへのハイキングをして時間をつぶしていたとのこと。うち丸一日は  大雨だっ
たとか。またスワンスラブでクライミングビギナーの賢二が回収し忘れたぬんちゃ
く付カマロットが 二個消失、しょげていた。 掲示板に落し物探して、とだしたと
ころ、あちこちで話題になっていたが、14日現在まだもどってきていない。情報が
まわっているので、そのうちもどってくるかもしれない。
坂本真一氏来天。明朝エルキャプ横のビッグウオール、ゴールドウオールは入ると
か。賢二ボッカをかってでる。

6.8
2チームでナッツクラッカー5.8、5ピッチを登る。のんびりグループが登っていて
時間がかかる。
夜井上大助、白水氏来天、酒を飲む。荒巻鮭子氏とともに明朝ソルトレイク移動と
か。そういえば遠藤由加氏も定住生活を送っている。あまり交流はなかったけれど
関西系のクライマーも数人いた。

6.9
明け方アライグマがごみをあさりにくる。
ロワーヨセミテフォールのブマー5.9を登ったあと、トップロープでレイジバム10d
。帰りがけにまたスワンスラブでフィンガーの9を登る。この日、光、ももはヨセ
ミテフォール脇をメドウまでハイキング。登り3時間とか。夕方マーケットでCHU,T
OMYとあう。

6.10
またまたスワンスラブ、ここはヨセミテのガマスラブだあ。レナズ・リーバック5.9
をのぼる。チャーチボウルに移動してチャーチボウル・ツリー10aと脇のボルトルー
トのエナジザー11bにトライ。前は上部トラバースで敗退、後者は下半で敗退。
ほかのメンバーはビショップテラス5.9、ジェイコブラダー10c.
なんとここでビレイしている足元にガラガラヘビがでる。
クマが出るとは聞いていたが。

6.11
エルキャピタンエリア。ラコイスタ右5.9。モビーディック10a.そのあとChu,Tomyは
ナッツクラッカーにでかけ、渋滞にはまり暗くなるころもどる。毎夕恒例のカレー
ビレッジのピザ&ビールタイムに間に合わなかった。夕方光、もも去る。

6.12
クッキークリフエリア。
CHUさんキャッチー10d。晴介、Kisya,アウターリミッツ1ピッチ目10b.後者は二人
で交互に攻めてやっとぬける。こわかった。夜坂本氏無事戻る。ナチュラルハイと
のことで酒ものまず。

6.13
現地三々五々解散。晴介さんといっしょにバークレーで買い物。15日帰国。

晴介、CHU TOMYは、何度かここでクライミングをしているのでなにかと話しがはや
かった。
ヨセミテは難しいところが多いぞ、と脅かされていましたが、たしかに難しいとこ
ろはおおいけれど、簡単なところもたくさんあり、それなり楽しめます。ビギナー
も目立ちました。ローカルクライマーにとってはほかにもいいところがあるので、
わざわざ高い入園料をはらって大観光地のヨセミテでなくても、という感じなので
しょう。ヨセミテならではのビッグウオールを登る人は別ですが。またあまりうま
くないヨセミテ詣での外国人クライマーが目立ちました。でもここは何でも便利で
キャンプ生活が快適なのがよいです。

ボルトが少ないので、やっぱ、ナチュプロのテクが必要です。慣れないひとはここ
で練習するのがいちばんてっとり早いでしよう。すぐもうまくなります。

山口裕子さんなどの最新レポートが参考になりました。ありがとう。
詳しいレポートはROCK & SNOWのホームページに他メンバーが近日中にアップします
。

ところで(写真もとってありますが)ガラガラヘビがでるとなるとこれはヨセミテ
でいちばんこわいことのひとつなのでは? ビジターセンターの動物コーナーへで
もいって、この件、確認してくればよかたのですが…。