2.04.1994

乙妻山

乙妻山
雪洞をつかう。雪崩に気をつかう

otozuma peak
 
1994-2-4.5
メンバー 北田紘一 せいすけ、みぞべ、ケイ郎、森光、ひろゆき、汽車

深夜の雪中ドライブでようやく戸隠大橋につく。仮眠。めをさませば打ち合わせどう
り、全員がそろっていた。
サド山と地蔵山のコル1678メートルを越え、氷沢にくだる。川をくだり、乙妻山北面
の大きな沢にはいる。雪の深いところをさがして、雪洞をほる。宴会。

翌日。頂上までいっきにのぼる。標高差700くらい。2、3日まえにでた大雪崩のデ
ブリがある。ここは気をつけないといけない。頂上からは往路を滑る。けっこうな急
斜面。氷沢にでて、コルへの登りかえし。長くかんじる。
そのあとは下る一方。
くたびれたので、戸隠の民宿で酒盛りしました。

4.15.1993

平標山から仙の倉、シッケイ沢

SKIING TAIRAPYO-YAMA & SENNOKURA-YAMA

平標山から仙の倉、シッケイ沢


近場だけれど結構なスケール
 
sikkei-sawa
 
1993-4-15
メンバー 溝部、糸尾、羽根田

元橋発800。ヤカイ沢をつめ、右手の小尾根にとりつく。ジグザグにのぼり、やがて平標山
直下にとびだす。1200頂上。

頂上からは結構遠くに見える仙の倉までトラバース。雪が固くて結構滑りもむずかしい。
先輩ふたりはすいすいと先をいく。

これがわたしにとって、初めての本格的ツアーとなるのだが、出発まえのI氏の言葉がい
まだにわすれられない。
「なーに、大したことないよ、初心者コースだから。楽勝、楽勝」

で、実際はどうだったかというと、悲惨の一言に尽きる。シールをつけたジグザグ登高で
は、急斜面でキックターンに失敗して危うく転げ落ちるところだった。
仙の倉の山頂からの大滑降は1300時開始。地獄だった。急で雪が悪く、高度感があり、ゲレン
デでマスターしたはずの私のテレマークテクニックはまったく通用しない。

なんとかシッケイ沢をくだりおわるころには、日がくれ、先輩ふたりはわたしを
おいて、どんどんいってしまう。仙の倉谷の出合まででて、つり橋を対岸にわたる。、林道
をいくが、先輩のすがたはない。
貯水そうのあたりからは歩きになって、長い林道歩きになく。1800時、真っ暗になるころ
、ようやく前夜おいた車と憎くき先輩がまつ終点についた。
まいった。オフゲレンデのスキーは難しいね。

3.21.1993

大渚山

大渚山
いくつか好ルートあり
 
ohnagi-yama
 
1993-3-21
メンバー 北田紘一、あいり、汽車
大草連からピストンするルートもある。段々畑のようなところを登って、森をぬけ、頂
上にいたる。いなかの裏山というかんじでそれはそれでわるくない。
今回は老舗山田旅館をベースに、熱湯からの最短コース。おっと湯峠からのんびりとい
くルートもある。

900発、熱湯からいきなり急な尾根にとりつくしばらくのぼってようやく、広い台地にで
る。大渚山の大斜面があらわれる。ひたすら登るだけだ。湯峠からのルートをあわせ、
頂上下のセッピ状の尾根をまわりこむとピーク。1130。
後ろには雨飾山、向いには北アルプス、展望はよい。のんびりしてから往路をくだる。3
00帰着。山田旅館で湯治して、明日は雨飾山だあ。

3.05.1993

奥美濃能郷白山集中

奥美濃・能郷白山集中スキー登山
近場だけれど結構なスケール
 
砂利谷上部
 

 加藤 雅昭、古倉 康雄  井上 元一郎(大阪あすなろ山岳会)田村 和彦、平岡  耕一
 郎 田中 和夫、桐浴  邦夫(RSSA同人)原 伸也(ビル エバンス同人) 
 
 能郷白山は1617mの標高があり、奥美濃の山の中では最も高いために雪の量も多い。山
 スキーのコースとして滑られている場所は頂上から南に伸びる長い尾根であり、都合が悪い
 ことにはその尾根中間には前山まがあり、再度登り返し下ることから山スキーの魅力ある場
 所ではあまりないとされてきた。しかし我々が住む関西からも比較的近いことから、昨年と
 今年の2年間に合計6回の山スキーによるオリジナルな山行をした。滑降標高差はそれほど
 取れなく1滑りで1000mを越える所はないが、さまざまな沢筋を選んで滑れば結構楽し
 める静寂な山であり、近畿や名古屋周辺から簡単に行ける山スキー用の山は数が限られるこ
 とから、特に中京地区の山スキー愛好家には比較的に簡単に行ける山であると思う。
 
  平成5年3月5日  同行加藤 雅昭、古倉 康雄、井上 元一郎(大阪あすなろ山岳会)
  田村 和彦、平岡  耕一郎(RSSA同人)
  
   この山のスキー登山の可能性を見つけたのは加藤 雅昭氏である。古い他の山岳クラブの
   会報に記載されてた、夏の沢のルート図からこの山自体が山頂付近に大きな滝がないこと
   が確認されたからだ。 大阪で集合し高速道路の途中の深夜レストランで、入山路を能郷
   谷か白沢かどちらにするか各クラブの寄り合い所帯のため議論白熱。結局、まだこのメン
   バーの中では入ったことのないとの理由で白沢と決定。                                
       皆まだまだ冒険心がある。
   
    白谷周辺滑降(スキー尾根滑降)
    平成5年3月6日
    朝6時40分出発。長い川沿いの林道を、スケーティングで滑り歩く。30分後、大き
    な橋に出会う。良くみると  その橋さえ渡ればすぐだったのに、深夜の運転でだれもそ
    の存在に気がつかなかった。いまさら悔やんでもしょうがない。皆無理してスケーティ
    ングで飛ばしたせいか、靴ずれを続発。シールをつけひたすら白沢の源頭を目指す。谷
    奥に遥かかなたに見える雪山を、双眼鏡で眺めては「滑れる滑れない」かの議論。     
                   こんな時の時間は探検ゴッコしてるみたいで面白い。読図に自信があり
                   、その上視界良好なのに2万5千分の1の地図を見てもなかなか能郷白
                   山の頂を同定できない。進むにつれて深い雪の崖沿いは5ヶ所ぐらいか
                   なり急でスリリングな通過。
    地図上で登高に良さそうな右に稜線まで伸びる尾根を、820メートル地点から登る。 
     14時1470mの支稜線に到着。奥美濃の最高峰は、大きな雪の輪郭で山体を横たえ
     
     静かである。夏にはヤブの濃そうな支尾根にもたっぷり雪がある。 能郷白山の頂上ま
     で行ける時間は靴擦れのロスのためになく、来たルートを引き返す。
  加藤氏が豪快な滑りでスルスルと下って行く。この尾根は登降に好都合だ。能郷白山の周
  辺でシールで登れる尾根はここだけのようだ。(以下スキー尾根と仮称する)林道の下り
  は登りと同様に手間取る。夕闇がせまりランプの明りを頼りに歩く。                   
       18時半橋に到着。滑降標高差1470Mとなかなかのものであった。メンバーの一
       人が車を取りに歩いていく。周囲に高い山がないためか低い山ではあるが想像以上に
       雪は多い。他のメンバーはアプローチの長さにうんざりの様子だった。しかし僕の目
       には新しいルートがいくつも隠されてる山のような気がした。
  
   平成5年3月12日
   他のメンバーを誘うが行くもの無く単独。今回は、能郷谷から入山。
   能郷の集落からすぐに雪の長い林道歩きとの情報だったが、いくら進んでも除雪してある。              
   「こりゃ道を間違えたかな」と思いながら車を進める。道の脇に能郷谷堰堤と立看板があり
   確認できてホッとする。駐車場には誰もいない。夜を徹して車を走らせて来た甲斐があった。 
   
   白谷源頭の沢滑降
   3月13日
   8時突然の車の停車で目を覚ます。男女混合の5人パーティーだ。2月入山時は、登山口
   の2キロ先まで工事のためか除雪してあったが、雪が深く1合目までしか行けず再挑戦と
   のこと。9時半出発。わずか10分で夏の登山口に到着。いきなりの樹林の急登ためスキ
   ーを担ぎ、つぼ足で登る。 稜線でシールを付け、周囲の滑れそうな斜面をじっくり見なが
   ら登る。前山手前はカリカリのアイスバーン状。先頭を歩いていたパーティーは、前山頂
   上でテントの設営をしていた。先週たどり着いた箇所をすぎ、西側に深くえぐれたような
   小さな沢の源頭に立つ。
   ここは、先週皆が「あんな所は滑れない」と言っていた場所だったが、反骨魂のため、「
   よしやってみようじゃないか」という気になる。下を見おろすと、デブリがゴロゴロして
   るが、安全そうな雰囲気がした。あまり迷うのもんではないと考えながら、「エイ」と滑
   り込む。 デブリを避け、デコボコのない斜面を選びながら滑る。こんな時は、日々の雑念
   をすっかりと忘れている最高の時なのだ。右に大きくカーブすると堰堤が現れる。滑降標
   高差480M(1450Mー970M)本当は、心の中は滑るか半信半疑だったが。なん
   とか、下まで雪が続いてくれたことを感謝する。北から吹く風は、冷たく強い。沢で休憩
   中、ビニール袋に入れたチリ紙をさらわれてしまう。シールを付け白沢の左俣を登る。た
   たきつける風が、谷間を全面アイスバーン化させている。主稜線上は、風を遮る山が周囲
   にないためか目を開けていられないぐらい激しい。                              
   すでに2時半を過ぎ、今夜の寝床を探すが適当な所がない。北面の白沢に100メートル
   ほど滑り込み、面倒だからそのまま整地せずにツェルトを被り寒い夜を過ごす。 砂利沢
   
   滑降平成5年3月14日 
   風は前日よりは弱くなった。雪が飛ばされ笹が一面に出ている
   広い斜面を、シールでごまかしながら歩く。                                  
   途中散歩中のテンにばったり出会う。相手は全く俺の存在なんか知らぬ顔でのんびりと通
   り過ぎてく。見渡せばはるかかなたにひときわ白く輝く白山や、霞がかかった北アルプス
   の山々も見え、眺望抜群の山だ。平らな頂上は浜松の古田 徹司氏らと夏に登頂したはず
   だが二日酔いだったためか 全く記憶にない。平らな頂上から見おろす白沢は、地図では
   緩くても途中ストンと落ちているのは、あまり僕好みではない斜面だ。先が見えないのが
   一番恐い。平坦な頂稜直下の東面に、滑れそうな急斜面の沢を発見。胸の高まりを感じる。                                
   最初の200メートル迄はかなり幅も狭く急だがなんとか行けそうだ。地図で確認すると
   、砂利谷というちょっと変った名前の沢。砂利が沢山採れるからつけられた名前なのであ
   ろうか?風の影響を受けてなく、雪はアイスバーン化していない。気を引き締めて 一番
   頂に近い右脇の肩から滑り始める。白沢よりはるかに急なルンゼ状の斜面だが、下部の状
   態が良く見えるのが安心。                                
   
   思ったより誘発雪崩は出ない。明るく広い雪面になってからも左からの斜面が合流する場
   所まで、気が抜けない。                              
   地図では、崩壊地形となっているが普通の沢と何ら変わりない。大きく左に曲がると水流
   の音が聞こえ始める。堰堤を数カ所過ぎると福井県と岐阜県をつなぐ林道に出る。滑降標
   高差817M(1617M-800M)。遠くになった頂上下部にはついさきほど滑った
   部分が見える。 
   大郷沢付近の尾根を登って引き換えす事も考えたが、長い林道を歩くことにしたがこれは
   結果としては 失敗であった。重く湿った雪は足をとられやすい。ポカポカ陽気で、スキ
   ーが思うように進まない。                    
   最終の無人の集落から200メートル先から雪は無くなり、休憩中の3人の釣人と出会い
   、カンビールやつまみをご馳走になる。あまりの旨さに時を忘れる。釣人にはいつも白い
   目で見られてきたが、これだけ親切にしてもらった事がない。                              
   自分の車のある能郷谷の終点までの約20キロをぐるりと大きく歩く。最後にはマメので
   きた足を引きずりながら、歩き通す。長距離の歩行がなかったら、滑降の醍醐味を満喫で
   きる素晴らしいコースである。
   
   白谷周辺の沢滑降
   平成5年3月20日
   随分とこの山に魅せられてしまった。地形にも慣れ、地図から未知の滑降ルートをいろい
   ろ見つけ出す。今回は前山南尾根の稜線に到着後すぐに白沢へと滑ることにした。沢の中
   は始めから雑木が多く、中間部では少しはましな所もあったが、また下部になると濃くな
   り、ついには雪が付着してない狭い滝の上部に出る。右側の細い沢の雪を拾い、強引に下
   る。降りてしまえば、なんでもない気はするが、まともなスキー滑降ルートではない。                              
   2週間前のかすかなトレースを確認後、能郷白山頂上に直接突き上げる白沢を自由な気分
   で登る。硬い雪面が現れ、ツボ足で登る。頂上直下150mの平坦な場所で、3人連れが
   テントの周辺に雪のブロックを積み上げている。  頂上は先週と同様風が強い。どこにも
   風を遮り快適そうな場所が無い。仕方なく、頂上から西に50メートル程離れた所に建っ
   ている小さな神社の柱にツェルトの紐をつながせてもらう。普段は寒さに強いはずだが、
   すきまから風が容赦なく入ってきて寒くて寝れない。白沢周辺滑降平成5年3月21日朝
   は快晴。7時頃2パーティーが我がテントに来ては話かけていった。冷えた体を暖めるの
   に時間がかかり9時出発。今後の滑降ルートを偵察しに北へと進む。                
   
   東側に大きく張り出す雪庇に近寄りすぎて踏み抜く。穴の下は大きな空間で、思わず背筋
   が寒くなる。何枚も各谷の写真を撮り引き返す。                    
   先週登った白沢の支流を滑り込み、それだけでは面白くないから隣の沢へ小さな尾根を越
   して移る。こちらの方が景色が明るく雄大で、熱心に通った頚城の山の姿によく似ている。                              
   沢の全面がスキー可能な沢だ。今後のルート開拓にも良さそう。滑降標高差1567M(
   1617Mー800M、1500Mー750M)
   
   スキー尾根を登り前山南尾根を滑降。 白沢本谷滑降
   平成5年3月28日同行加藤 雅昭、古倉 康雄  井上 元一郎(大阪あすなろ山岳会)
   田村 和彦(RSSA同人) 
   
   当初は能郷白山からダイレクトに下れる白沢の滑降を目的としていた。先週  このコースを
   登ってるので気分が楽だ。通常のルートから頂上に上がる。                                
   滑降時はガスがかかり視界不良だが迷うことはない。滑降標高差1567M(1617Mー8
   00M、15
   00Mー750M)。                                    
   さすがに4週連続でかよいつめると山の輪郭が解ってくる。スキー尾根を登り前山南尾根を
   滑降。このルートが一番変化に富み、手応えのある滑降高度差をとれると思う。 大郷谷滑降
   平成6年4月3日単独今年は2月から2週間おきぐらいで能郷谷の最終の建物である和牛の生
   産牧場へと通ったが、毎回雪が除雪されてなく敗退。あの長い道のりを歩くと思うと気乗りし
   なくなってしまうからだ。この日の1週間前も大雪が降り、1Mの積雪。そんなわけで今回は
   「長い林道歩きでもやってやるぞ」てな気持ちで来たら、意外な事に登山口の手前500Mま
   で入れてしまい拍子抜け。わずか1週間で1Mの雪が消えてしまうのも奥美濃らしい気象の変
   化だ。快晴の中8時30分発。1時間前に出た4人に追いつき一緒に登る。犬と一緒の2人が
   いて、犬のほうが元気よい。今日の雪の量は昨年の3月中旬ぐらいの感じがする。11時30
   分に登頂後来た道を滑り大郷谷へと入る。湿雪で非常に滑りにくい。                              
   最近できたばかりのデブリがいたるところにあり慎重に下降する。自分のシュプールから三回
   誘発雪崩が起こり 身が引き締まる。右手の細い沢から巨大な雪崩の跡があり500Mのデブ
   リにさえぎられ狭い沢筋を下るのがつらい。カモシカを山腹に見つける。快調に滑れたのはそ
   れを越した所からだ。水が現れ右岸は通行不能の状態だ。左岸側を下る。林道手前500Mぐ
   らいの地点で1度板を脱ぐ。滑降標高差887M(1617M-730M)昨年の状態より雪
   が多い感じの林道に2時30分着。温見峠まで曲がりくねった林道を串刺し状に登る。砂利沢
   の北側にある無名の沢も滑れそうだが中間部分が明確に見えなくてこれからの課題。温見峠に
   16時着。標識を利用してツェルトを張る17時熟睡。 能郷白山南尾根通常ルート滑降 平成
   6年4月4日 7時45分発天気予報とおりの良い天気。夏道は下部の状態が悪そうだが他に
   よさそうなコースもない。シールでしばらく上り急な斜面からはツボ足で登る。緩んだ雪で上
   りにくい。                                  
   田村氏が2月にこのやっかいな主稜線ルートを単独で下降したなんて信じられないくらいやっ
   かいな斜面だ。次はカリカリのアイスバーンでヒヤヒヤしながら蹴り込みに気合いをいれて登る。                              
   稜線から頂上へはシール登高。頂上10時30分着。まだ時間が早いためか斜面は滑降に適
   したバーン。このいつも風が強い山塊では雪の状況を判断するのが意外と難しい。スキー尾
   根を登り前山南尾根を滑降。駐車場に12時30分着。滑降標高差867M(1617M-
   750M)
   
    白谷前山西北面無名沢滑降
    同行田村 和彦、平岡  耕一郎 田中 和夫、桐浴  邦夫(RSSA同人) 
    平成6年4月16日
    
    今回は能郷白山の手前にある前山周辺の沢を残していたのでそれを中心に滑降することにした
    。  前山から西北側に出てる沢の上部は大きなカール状になっている。4月3日の下山時には
    、下部の雪がいつまで残っているのか少し無理かと考えてたが、今年の後半の降雪により充分
    な白い雪がタップリある。大雪庇の脇から滑り出すと最初はかなりの急斜面後は緩斜面が続き
      パラレルに調度良い                
    春の日差しが眩しくて 暑いくらいだ。左の斜面から土混じりの茶色の長いデブリがありそれ
    
    を越すと980M地点にて林道の雪が全くない。これ以上滑れない。引き返し、左側にある小
    さな沢を詰める。途中の急斜面の上部は3つに分かれ、上部まで続いていると見られるまん中
    の細い沢を登る。   
     最上部は雪の下に水が流れている強い音がする。あまり気味の良い音ではない。ソロリと登
     りきると後は稜線まで緩い登りだ。                                  
     能郷白山の頂上から白谷の滑降を終えてきたメンバーと時間を決めてなかったが合流。                  
     前山からの下りはあまり雪がなく3回スキーを脱ぐ。5名中テントまで滑ったのは2名だけ
     。滑降標高差920M(1500M-980M,1500M-1200M)。
     
      平成6年4月17日
      前山南面能郷谷の無名沢滑降 
      
      原は午前中昨日登り返した沢を滑る。引き返したスキー尾根は何度も登った所だが、下部に
      は雪がなく薮こぎがひどかった                    
      他のメンバーは昨日原が滑降した沢を滑降。 白谷前山西北面無名沢滑降 今まで前山の南に
      ある能郷谷の大きく切り落ちて見えるいくつかの沢は、雪崩の危険や上部の雪庇や滝の存在
      であまり滑る気がなかった。双眼鏡で覗いてみると意外な可能性がありそうな気がした。前
      山の頂上から東に伸びる尾根を偵察。雪庇のないのは前山の頂上から出る沢しかなく、その
      東は下部に滝はないが巨大な雪庇が連続していた。それを突破しなければ無理だ。そこで考
      えたのは前山頂上直下はカール状で滑りやすそうだ。ただ下部には10m程の滝が露出して
      るから、ポイントの小さな尾根を東側に越せば滝もなく安全に下れそうだ。 全員が前山頂上
      に集合し滑降開始。小さな雪庇から沢に入る。雪質が安定していて気持ち良いのはこの部分
      だけだった。隣の沢へと小尾根を慎重に乗越すと急斜面の上デブリでつらい滑降となった。
      最初の堰堤から少し下った所でほとんど雪が無くなり板をぬぐ。滑降標高差1050Mと少
      ないが皆充実した表情。後は堰堤建設用に作られた曲がりくねった林道を歩く。車で能郷谷
      を下る時全員が下車し、いま滑降したばかりの谷を見上げる。 2年間で通算6回通い、能郷
      白山の北西面を除いた谷や尾根を集中して滑る事ができた。               
      
       周辺に山スキーに適当な雪山がない関西や名古屋周辺の山スキーヤーには一度訪れてほしい
       山であると思う。滑降心をくすぐる沢がまだ幾つも残されてる。今年度は阪神大震災のため
       に継続して行く事はできなかったが、いつかまたこの山域をスキーで開拓していきたい。た
       だ一つ問題なのは昨年最短のコースの能郷谷の林道が林道工事のためにかなり奥まで車が入
       れたが、今年は3月下旬まで車が最後の牧場から先に入れなかったことである。従って今後
       工事が行われなければ、積雪期の能郷白山への入山は林道の雪が無くなる時期を根気よく待
       つか長いアプローチを歩くしかないのが大きな問題である。 今年の4月に雪で道を車が前進
       できなくなり、車1台分の幅しかない車道に駐車して入山したところ何者かにフロントガラス
       を割られタイヤも1本穴を開けられるてしまうという事故があったので 注意が必要。

12.29.1992

南ア・仙丈ケ岳

南ア・仙丈ケ岳馬ノ背北東面スキ-初滑降
原 伸也
 
,
 
平成4年12月29日-平成5年1月2日
 
  原 伸也(単独)
  
   仙丈ケ岳の北面のスキー滑降は過去に薮沢の記録はあるが、
   他はまだない。                                    
   
   雪の多い東面のスキ-滑降は全て終わり、数年前から狙って
   いた記録のない馬ノ背からのコ-スを正月休みを利用して行
   なった。 29日戸台より入山。当初予定していた平右衛門谷
   と薮沢の間にある尾根は、樹林のため滑れそうにない。                   
    大平山荘から西に見える大きな尾根の中間に、上部が開けた
    沢が見られる。                                    
    下部の状況はわからないが、何とか目的は達せられそうな気
    がした。30日9時頃から曇空となり、頂上に到着時には3
    0メ-トルの視界もない。                                                
    滑降中止し、スキ-を頂上の標識にくくりつけて帰る。 31
    日停滞。1日(元旦)移動性高気圧のため快晴。スキ-が頂上
    にまだあるのか少々不安だったが無事にありほっとする。
                                          
  頂上から見える北面は雪の量は西面よりはるかに多いが、風の
  通り道のためか不気味なアイスバ-ン状に見える。大仙丈沢は
  丁度10年前に滑降した時よりも積雪量は多く、思わず安易な
  気持ちに引き込まれるが初志貫徹。頂上から来た道を15メ-
  トル程滑り、凹地から急な北面へ。数回のジャンプタ-ン後、
  軟雪に足を取られ転倒。そのまま落ちるかと思ったが、石にひ
  っかる。気を持ち直し、大きなシュプールをカールのお腹に刻
  む。
  入口が開いたままの仙丈小屋の脇を通り過ぎるとアイスバーン
  。馬ノ背ヒュッテの上方の稜線でシ-ルを貼る。馬ノ背の頂上
  でカモシカに出会う。2715メ-トル地点を越えると尾根は
  狭くなり、一度だけスキー板を担いで5メートル下る。西側は
  ほとんど雪がない。地形が複雑で予定の下降地点を探すのに地
  図確認が難しい。薮沢のス-パ-林道との出会いにある橋を望
  見確認。2690メートル地点でシールを外し、東側へ滑り込
  む。思ったより雪の量は深く、膝までの軽い雪。小さな誘発雪
  崩が何度も起こる。下るにつれて沢幅は狭くなり、2140メ
  ートル地点で12メートルの滝に出る。                              
  左の急雪壁を胸までのラッセルで抜ける。尾根は倒木が多くて
  つらい下り。1950メートル地点でスキーを外して歩く。地
  図上の問題の大崩壊は、難なくスキーで通過。堰堤を何ヶ所か
  越え、水の少ない薮沢本流を渡りきり林道の橋に15時半到着
  。2日戸台へ下山。
   参考地図2万5千分の1「仙丈ケ岳」  

5.07.1992

ちゅさんの白馬山飛び3本

白馬連峰山飛びハットトリック
伊藤忠男
とんでる
 

引き出しの隅から思いもかけずに、白馬鑓から飛んだときの写真が出てきました。飛  
んでるボクがまるで埃みたいなんで丸付けちゃいましたけど分かりますか? スキ-  
で遅れて登って来る仲間が撮ったもんです。
で、滅多にない記録なんで、古いけどここに書く(打つ)ことにしたってわけです。  
写真でもないと、山飛びなんて、うまくいっちゃうと、たいして書くこともないし目  
を引かんもんね。

>>> 92年5月7日 : 小蓮華岳から栂森 >>>


高度差:1100m、 フライト時間: 約20分。

自家用車がこの時期に栂森まで入れたのはこの年まで。朝7:00、栂森ゲレンデの  
下に車を置いて、栂池自然園へ向かう。テレマ-ク・スキ-ヤ-が3人、シ-ル付け  
てスタコラ行ってしまった。こっちは風が悪いときようにスキ-まで背負っているの  
でつぼ足でのんびり。自然園のプラ-トを南へづっと振って適当なところから、小蓮  
華北のジャンクションへ直登。11時頃に稜線に出たが、風が西風なので気がすすま  
ず、大池の見えるところまで戻って、風の変化を静観する。1時間待つと弱いフォロ  
-(西風)になったので、足場を踏み固め、走路を作った。立ち上げるたびに横にし  
てリュックに付けたスキ-にラインが絡んで閉口した。結局テイクオフしたのは午後  
1時を廻っていたと思う。リフトがかからない気持ちの悪いテイクオフだった。自然  
園まで前(東)へ出て行くと、南風とのウィンドシェア-にぶつかって、思いっきり  
揺さぶられたが、そこから栂森まで追い風に乗ってあっという間にスキ-場の上空。  

対地高度は100mを割っていたので簡単な高度処理をしてアプロ-チ。ところがス  
キ-場によくあるパタ-ンで、低高度になると風向がころころ変わって、アテタと思  
った風がいきなりフォロ-になって、着地するなり、ベタッと顔面から前へ転がって  
しまった。そっとおきあがり、恐る恐る廻りを見た。しめしめ誰もいないぞお。いや  
あ、こんなとこ見られたらなにいわれっかわかんねえもんなあ。とはいっても油断で  
きないので、口笛ふきながら堂々とした動作で機体をたたんでいたら、リフトの作業  
員らしいひとがこっちを見て笑った...ように見えた。わ、わ、わ、わらったなあ  
。

>>> 93年6月12日 : 白馬岳から長走沢出合 >>>

高度差:1600m、 フライト時間: 約44分

梅雨の直前にある静穏な時季を狙っていた。午前2時に家を出て中央を飛ばし猿倉に  
5:20着。
快晴でいまのところ風もない。メシを食って6:40に出発。前に懲りたので今回は  
スキ-はもたない。だめだったら、グリセ-ドで降りてこよう。馬尻 7:20。3  
号雪渓の下まで上からなでるような風が降りて来ていた。これは雪面付近の気温低下  
で起きる接地性逆転層で、雪の上では受け入れなければならない現象だ。頂上10:  
30。稜線にでるなりやはり西風が顕著で、すんなりテイクオフする気になれない。  

頂上山荘前の緩やかな斜面に自作のウィンド・ソックスを立てて様子見。昼近くなっ  
てこころもち西風の勢力が上がったような気がしてきた。飛ぶかやめるかの決断をし  
なければならない。

山荘の斜面はいったん黒部側に向いているのでそのままテイクオフできれば、西風を  
生かせる。問題は2重稜線になっている黒部よりの浅いリッジを超えてしまうとこち  
らには戻れないってところだ。

12:03、緩い斜面なので、ゆっくり立ち上げキャノピ-を頭上で止めたまま、グ  
ランドハンドリングで風にあわせたまま50mほど歩いていき、徐々に加速してリフ  
トがかかって来るのを充分にかんじてからなるべく東よりに崖へ飛び込んだ。村営宿  
舎のすぐ上で、東へタ-ンすると、恐ろしい音とともに揺さぶられ、ベンチから落ち  
てしまった。立ったカッコを修正できず、そのままタ-ンを続け、大雪渓の上空をク  
ロスして白馬主稜に近づく。小岩峰が入り組んでいて、スティッキ-なサ-マルがぶ  

つかり、そのたびにすごいリフトがかかる。腕力全開。あっという間に再び村営宿舎  
よりも上にでてしまう。大雪渓の方向に修正すると、いきなり静粛が訪れた。機体が  
風を裂いていく音だけが聞こえ、ゆれも止まった。ベンチに座り直し、そのまままっ  
すぐ馬尻の上空から小日向山を目指す。雪の消えた杓子東稜の末端付近にはサ-マル  
が出ていて、ゆっくりタ-ンしても高度が上がった。小日向山にもサ-マルがでてい  
て、八方側南斜面でまた上がる。なんとなく八方まで行ってしまいたくなったが、や  
めた。生活圏への侵入はなんとなくやっちゃいけないんだ。

小日向山の北側で180度タ-ンを繰り返し高度を下げ、ブッシュの出始めている長  
走沢の平らなところにランディングした。


>>> 94年5月29日 白馬鑓ケ岳から二股 >>>

高度差:1700m、 フライト時間: 約25分

例年なら鑓の東面は雪が締まってこの時季が一番スキ-滑降に適しているが、この年  
はどういう訳か寡雪で、しかも小日向のコルまでの猿倉台地は完全にブッシュ。スキ  
-を使う2人の相棒は悲惨だ。コルまでいつもなら1時間みれば充分なのにこの日は  
3時間かかってしまった。あまり天気が良くないので、出足も遅れたが結局まだ営業  
どころか仮設もされていない鑓温泉についたのが12時過ぎ。雲量は10だが、雲は  
高い。穏やかで、まったく風がない。山から飛ぶには良いかもしれない。スキ-の仲  
間は一人遅れているが構わず、メシを食ってそのまま頂上へ向かった。頂上3:00  
。機体を広げられる斜面がなく、肩まで降りた。浅いルンゼ状に機体を広げるが、テ  
イクオフに必要な向かい風がない。ないなら良いが時折上からわずかなフォロ-さえ  
 
入って来る。30分ほど様子をみたが、状況は変わらないし、時間ももう夕方。相棒  
に見守られて緩い雪の斜面を全力疾走した。相当走ったあと走りながら上を見ると、  
まだキャノピ-はくしゃくしゃでがっかりした。斜面の傾斜が急になったとたん、ふ  
いに足が離れた。対地高度がみるみる上がってヤッホ-。穏やかで、キャノピ-の風  
切り音だけが聞こえる。サ-マルが出ているとは思えないのでとにかくまっすぐ。眼  
下に鑓温泉がみえると、目前に天狗から落ちてきている脆そうな岩のマイナ-リッジ  
がみるみる近づいてきた。少し修正してロクエモンの滝の上を忠実に辿って、唐松沢  
の下流から南股入に入る。ゆっくり360度回転して広そうな河原にあたりをつけた  
。二股発電所の上部にランディング。最後まで穏やかで、なんと、着地まで、この標  
高差をわずか4回のタ-ンで降りてしまった。


Chu

4.04.1992

Spring skiing in Wasatch

Spring skiing in Wasatch,Utah

伊藤文博
ロッキーの極楽バックカントリースキー
.
マイルドセブンのロケ地
 






1992年4月4日雪の遊び人たちはモルモン教徒の約束の地、ソルトレイクシティーにおりたった。

メンバーはカリブークラブとそのとりまき。北田敬郎、伊藤裕之、野口俊一郎、真壁静子、竹内利春、真下
薫之、ベンジャミン・バーディ。

ワサッチ山系はロッキー山脈の主脈のひとつ。ユタ州の東のはしに南北につらなっている。スノーバードや
アルタなど有名スキー場があります。

今回は一週間のプラン。山麓のコンドミをベースにして、毎日周辺の山々へワンデイツアーにでかけると
いうもの。お気楽、安全プランだ。しかもスキー場のリフトがぎりぎりうごいているのでそれを使って効率
良く遊べるという頭脳の勝利的計画だ。

4月5日 アルタスキー場であしならし。ビーコン練習、雪崩学研究。

6日 ソリチュードスキー場わきからスコットヒルへむかう。3050メートルピークまで2時間。周辺を
滑りまくる。


7日 アルタからツインレイク経由ハニカムクリフまでのワンデイツアー。リフト終点が2500、350
0まで登り滑る。

8日 スノーバードスキー場の向いの山、フラッグスタッフの3500メートルピークまで700メートル
を全力でのぼる。一気に滑り降りて、午後はスノーバードで遊ぶ。ベンのともだちがたくさんいて、急斜面
を舞うように滑る、うわさのワサッチ滑りを習う。

9日 ウルヴァリン山をめざす。ピークから滑る。毎日上天気で疲れがたまりそうだ。

10日 今日が最後と必死ででかける。ここいらの最高峰ツインピークへのツアー。スノーバードの一番う
えのパトロール小屋でサインしてから、3770メートルのピークまで。名山ティンパゴスが目の前だ。知
る人は知っているローンピークもすぐそこ。ボウルをすべり大きく登り返して。ホワイトパインバレーを滑
り、リトルコットンウッドキャニオンにくだる。