9.25.1999

小川山ジャックのぱーてひ

小川山ロッククライミング マガスラブ
1999-9-25
MAGASLAB
 

1999-9/25
MEMBER CHU KISYA

6時過ぎに城南をでる。渋滞が始まる前に都内脱出。1000廻り目平着。夏にくらべると駐車場の
車はすくない。これからがここのよい季節だと思う。
ガマスラブの裏、通称マガスラブへ。可愛い女5,8をのぼりカッパ5.8へ。キャマロットでのぼる
クラックルートだがクラックにへばりつくと意外とわるい。ここはひだりのフェイスをいくのが
よい。クラックはプロテクションをとるためにだけつかう。さらにその下の。。。。のクラック
ルート5,9プラスへ。下部はなんとかこなしたが、上半でクラックをはずれて右へでてしまい
、もどるのは難しそうなのでそのまま終了点。

フォローしてきたちゅうさんがクラックを忠実にのぼり。意外と悪いという。小川山レイバックが
5.9なら、ムーブはもうすこし複雑でやはりプラスはある、とのこと。すりむいたひざ小僧をさすっている。
2ピッチめはプロテクションがと
りにくく危ないとのことで眺めておわる。
新規開たくを考えている可愛い女の右側にトップロープしてラインをさぐる。5.8,5.9,5.10aが
作れそうだということがわかる。可愛い女左のラインをいれると4本は作れそうだ。
ちょと下って、小さな親切大きなお世話10bにトライ。オンサイトする。まん中に棚があるが全
体的にはきれいなスラブルートでおもしろいと思った。
ジャック中根の結婚パーティがあるというので岩根庵にむかう。4時が開始時間とはしらず大幅
に遅れてしまった。とはいえ、この宴会、午前2時のカラオケ大会終了までいれると10時間とい
う記録的な長時間パーティになるのだが。

9.01.1999

コロラドロッキーの夏休み

ROCK CLIMBING AROUND BOULDER,COLORADO

コロラドロッキーの夏休み
ボルダー周辺を走り回った
 
Garden of gods,Spearhead,Eldorado canyon, and Flatiron
 
member:tokuchi,haneda,kisya
1999-8/31-9/10

8月30日 羽根やんとユナイティド機でLAへ。徳地さんと同じ飛行機でデンバーへ。
タウラスを借り出し、ボルダーへむかう。EMSとカーナビに打ち込むとその店に
連れていってくれる。店で買い物して、たしかこの裏のホテルだったな、とのぞくと
懐かしいたたずまいがあった。フロントに聞くとあいているというのでチェックイン。
数年まえはクラリオンホテルだったのに、今は香港系のリーガルハアーヴェストという
名前のホテルにかわっていた。

8月31日
今日は裏山のサードフラットアイアンに登りました。4Pくらい。5.5とか5,6のお手
軽コース。岩壁にはUCと大きく書かれていてボウルダーのランドマーク的岩峰です
。夕立があってたいへんでした。下山ルートのほうが恐いかんじでした。
アプローチは町外れからちょと歩くだけ。そのあたりのきれいなこと。山の花が咲き
乱れる草原。
夕方はフラッグスタッフのボルダリングエリアにいきました。教え魔のおじさんが
いたりしてにぎやかでした。
あしたはエルドラドにクライミングにいくです。
おいなりさんやお寿司がうっておりましたのでそれで昼ご飯といたしました。

9月1日
きょうはゆっくりおきてホテルの朝飯をいただいたあと、ネプチューンスポーツ
にいきました。
山の都らしい立派な店です。ハネヤンがクライミングシューズを買い、パタゴニ
ヤのレギュレーターがもう店にでていたので、R1のプルオーバー買い増した。
R2のおしゃれなものもありましたが、敬遠して玄人このみのアークテリックす
のフリースも買い求めました。
昼過ぎて、ボルダー郊外のエルドラドにいきました。峡谷のりょうがわに屏風岩
のようない岩峰がいくつもそびえているところで、うまい人が多いクラシックな
ゲレンデです。
バスティルという岩峰のクラック5・7、3Pにとりつき3人でのぼりました。ナチ
ュプロルートなのでそれなりの苦労があり、6時すぎに取り付きにもどりまし
た。きょうも残業というかんじ。いい写真がたくさんとれました。日当なら10
万円ひとりというところでしょうか。30分でホテルに戻り、シャワーをあびて
TAJというインド料理店にまいりまして、カレーライスなどをたらふくいただ
きました。
3人で1万円くらいなので、まいいかとおもいましたがとくちさんなど、ぜいた
くだ、といっていました。
あしたからロッキー国立公園にはいります。バンガローやキャンプになりますの
でしばらあく、メイルできないかもしえませんです。
グレポンなどのユウメイなアルパインクライミングをするつもりですが、山は高
く天気のことなどもあり不透明です。
標高1700メートルのボルダー市は涼しくてさわやかでございます。

9ー2
ボルダーのパールストリートで朝ご飯を食べゆっくりとロッキー国立公園にむか
う。天気は不安定で晴れたり曇ったり。エステスパークの町に入る。1時間ほど
のドライブ。徳地さんがとても懐かしがる。10年ぶりとのこと。ゲイトをぬけ
て小さくひとまわりする。小雨がふり、ロングスピークは雲の中。明日はそのふ
もとまでいってスペアズヘッドの岩のぼりをする予定。ヘッドコータオにいって
テント泊を申請するが予定地は満員という。じつは、クライミングをするのだと
いうと、おお、それなら、もっと山の上のクライマー用のビバークサイトをつか
ってくれと、じいさんレインジャーがいう。3人2泊で15ドルであった。
エステスパアクマウンテンという登山品店で必要品を購入。室内ジムもある大き
いお店。町外れのリバーヴューパインロッジに宿を取る・3人で100ドル。2
室で眺めのよいへや。あしたからのテント泊でパッキングがたいへん。

9ー3
相変わらずぱっとしない天気。町は青空がのぞくが山には黒い雲がかかている。
4000メートルを越えるコンチネンタルディバイドは天気が悪そうだ。グレ
イシャーゴルジュのトレイルヘッドから歩き出す。ブラックレイクまでいくつか
の湖をとおり4時間。標高が高いので20キロ近いにもつを背負っていいると歩み
も遅くなる。穂高の稜線よりも高いところをハイキングしているのだから。
谷ぞいのすばらしいハイキングコースだ。時々であうのはハイカーばかり、それ
でも2チームのクライマー組みが下山するのにであったと思う。重い荷物に歩み
はおそいが花崗岩のスラブが露出した山道はとてもあるきやすい。スペアズヘッ
ドが良く見える。ハフドームのような岩峰だ。shの意味は矢頭のことだとか。
ブラックレイクからいきなり急登りとなり、見事な氷河ケンコク
にはいる。ロングスピークの岩頭がすばらしい。shは仰ぎ見るようにそびえて
いる。氷河に磨かれた岩肌は光り輝いている。ノースリッジは意外と傾斜がな
い。カールはもうあきの気配。枯れた山の花の群落がさびしい。降り出したあめ
におわれるようにフローズンレイクほとりの平らな露岩のうえにテントをはる。
夕方から風がでてきて、夜半には雷とヒョウが襲ってきた。この壮大なカールに
はぼくらいがい人一人いない。

9ー4
強い風でテントが倒れそうだ。風も冷たい。残雪しかみえなかったロングスピー
クの岩壁には新し雪が振りまかれたようについている。こりゃ岩のぼりは無理だ
ね、と早々に宣言すると、徳地さんが残念そうな表情をみせる。羽根田文豪はう
れしそうだ。昨日羽根田文豪にはあぶないから岩のぼりはしないで写真家となっ
て遠くから撮影していただきたいとお願いしてある。
しばらく様子をみて、下山ときめる。
コロラドの山には夏か冬しかないんだ、と徳地さんがいう。山はこのあといきな
り冬をむかえるのだろう。
日本の場合、こういう高い山でのクライミングはアルパインクライミングとよく
言われるが、ガイドブックなどをみると、ゲレンデのような岩場はこちらではク
ラッグと呼ばれ、高い山でのクライミングはハイピークのロッククライミングと
よんでいるようだ。6時間以上かかった登り道を3時間ちょっとでくだる。町は
レイバーズデイの3連休とかで、夏休み最後の休日を楽しむ現地のひとたちでお
おにぎわい。原宿のよう。めずらしく日本人の観光客も数人みかけた。
おとといの宿は満員といわれていたので、ここはとりあえず退散ときめ1時間ち
ょっとのドライブでラブランドからフォートコリンズにむかう。
とくちさんが再びなつかしがる。ジョンギルの課題で有名なホースツースのボル
ダーエリアにいく。夕日をあびた湖ぞいのボルダーで何本かのぼる。この町には
州立大学があり学生が多い。ボルダリングエリアもにぎやかだった。町にはいり
モテル8にチェックイン。向かいのデニズでステーキなど食す。デニズではうけ
つけで、いきなり喫煙か禁煙、いずれの席をお望みかときかれ、とくちさんがお
もいっきりおどろく。アメリカではたいへんめずらしいことだが、喫煙しながら
食事をとることができた。レッドネックの土地なんだ、ここから東は、と徳地さ
んがつぶやく。

9-5
昨夜とおなじくデニずでヘビーな朝ご飯をとる。ホテルの電話によるのかなかな
かEメイルがつうじない。
すばらしい快晴の朝。空気がさわやかだ。ロングスピークが遠望できる。もう1
日停滞していたらスペアヘッドにのぼれたのになあ、と徳地さんがくやしそう
だ。
REIにいってバアーゲン品を購入。ふたたび1時間のドライブでエステスパー
クに戻る。きょうは巨大なクラッグ群のランピーリッジを視察し登攀するのであ
ります。ザブックの5、7ホワイトホエールがよさそうとパーキングから歩き出
す。すばらしい岩峰がいくつもそびえている。小川山の3倍も4倍もある岩峰
だ。道に迷ってハイキングしながら大回りして取り付きについたのがもう3時す
ぎ。想像以上に広いエリアなのだ。クライマーが三々五々あちらこちらのルート
を登っている。花崗岩のスラブとクラックのルート。ピンはどこにもみえない。
クッラシックなルート。徳地さんとリードを交代しながら3人でのぼる。
ロングスピークを望遠しながら素晴らしい花崗岩の岩のぼりが楽しめた。ナッツ
しかつかわないという徳地さんはロックスで慎重にプロテクションを作ってい
た。
撮影むきのルートだね、と徳地さんがいう。夕日のなかのクライミングシーンが
うまくとれているとよいのだが。日が沈むころ車にもどり、大混雑のエステスパ
ークを敬遠して麓のラブランドの町まで降りる。チャイナドラゴンというレスト
ランで食事をすませ、ラブランドモテルにはいる。2部屋で100ドルちょっ
と。

9ー6
今朝も快晴。レイバーデイとのことで祭日である。徳地さんが通ったという北コ
ロラド大学のあるグリーりーの町にいき、キャンパスをみる。徳地さんがしきり
になつかしがっていた。住んでいたという近くのアパートにまわる。こりゃ貧民
街だなあ、と徳地さんがつぶやく。そのままボルダーまで1時間ほどのドライ
ブ。町にはいりスターバックコーヒーでお茶しながら今夜の宿を徳地さんが電話
帳で探し出す。
ボルダーマウンテンロッジというのが125ドルというのでそこにきめ、カーナ
ビにアドレスを打ち込むと
タウラスがボルダーキャニオンの目的地までわれわれを運んでくれる。峡谷沿い
の山荘。自炊ができる。キャンプエリアもあってクライマーテントもある。風が
さわやか。
ボルダーキャニオンの岩場を見る予定だったからちょうどよい。夕方近くなって
からボルダーキャニオンを見に行く。いちばん奥にあるキャッスルロックまでは
20分ほどのドライブ。直径7、80メートルの巨大なボルダーだ。クラシック
なクラックルート以外にもボルトの打たれたスポーツルートがある。谷をくだっ
て、コブ。7から10のクラシックな好ルートが並ぶ。たくさんのクライマーが
とりついていた。谷を渡るにはフィックスされたロープを使ってチロリアンブリ
ッジで渡る。
さらに戻るとドームとエレファントバトレス。5から10。たくさんの人がとり
ついている。7くらいのルートが人気があるようだ。7とはいってもオールナチ
ュプロのクラックルートが主体だから難しそうだ。7のオーバーハングも巨大な
ものだ。
ロッジに戻って豪勢な夕食をつくる。明日、作家羽根田氏はニューヨク経由ミラ
ノへ移動する。アルコなどユージの活躍を見に行くのだという。

9ー7
7時に起きて、8時にデンバー空港へ。1時間もかからない。1030の飛行機で羽
根田氏去る。そのまま70合線にはいり、デンバー郊外のゴールデン市にあるサ
ウステ
ーブルマウンテンクライミングエリアへ。クアーずビールの町。巨大工場を見下
ろす裏山に2キロ近くにわたって岩場が続く。10ー25メートルのボルトルー
トが100本ほどもある。ルートとルートのあいだにはクラックルートが。オー
バーハングエリアのデッキチェア、レモンライムなど8、9、9と3本ほどのぼ
る。日差しがつよくバテ気味。
町でハンバーグをたべ郵便小包などおくり、コロラドスプリングスまで1時間ち
ょっとのドライブ。ナビにいれたガーデンオブザゴド着5時ころ。
名前もロマンチックだが景色も絵画的なところ。緑の丘に巨大な赤い岩峰がいく
つもそびえる。軍艦状のもの。フィン状のもの、タワー状のものなど一様に規則
的な方向性をもってならんでいる。クライミングしているひともちらほら。この
町の名所はパイクスピークとここらしい。空軍の基地としても有名だが。ボルダ
ーリングしてみたいね、と一回りあるき、くらくなるころ町のエコノロッジにチ
ェックイン。


9ー8
きのうのサウステーブルマウンテンの3本で疲れたのかゆっくり起きて、ビレッ
ジインで朝飯。そのあと念願のシェルフロードへ。このコロラドスプリングスか
ら1時間半のドライブ。非常な田舎のまちキャノンシティからさらに奥地へドラ
イブ。フォーマイルクリーク沿いの一大エリア。石灰岩の岩場らしい。いくつも
のエリア
があってとりあえずザバンクエリアへ。平日のせいなのか人っこひとりいない。
さみしいー。さらにその中のカクタスローズウオール
へ。ザニーオルズライ、BACK HER UP AGAINST,9と11の
2本を登ったらもう4時近くにな
っていた。夕方まコロラアドススプリングにもどり、再びガーデンオブザゴッヅ
へ。夕日の写真を撮った。

9ー9
三度ガーデンオブザゴッヅへ。朝日をあびてボルダリングするなどの写真をと
る。ビジターセンタアで取材。コロラド通りをみて、キャッスルロックのプライ
ムアウトレットへナイキなどみて少々買い物。徳地さんはたくさん買い物をする
わけではないが山の店やいくつかのブランドを見ることも熱心だ。クライミング
リアの研究心やギア、ウエアなどへの好奇心をいつまで失わないのは素晴らし
い。徳地さんがもうひとつ、という。横道にそれてパインのスフィンクスロック
を見に行く。小川山のような岩、意外と小さなクラッグだ。ユージがのぼって有
名になったクラックがある。おそくなるのでそのままデンバーのクインタインに
はいる。コロラドロッキーのクライミングの旅もこれでおしまい。


9-10
シアトル飛行場からはレニア山がみえた。まだ雪をかぶっている。氷河があるゆ
えんだ。オリンピック国立公園の山をこえてバンクーバー島沿いに飛行機はとん
でいるようだ。デンバーからシアトルの航路ではティトン国立公園のわきを飛ん
だので立体写真をものにしたと思う。この春に訪れたところだ。ヤキマ上空では
コロンビア川が大きく見えた。飛行機からみる下界はみあきない。

今朝6時におきてクインタインのオフィスにコーヒーをのとりにいったら、わ
れわれのくるまの右後ろのタイアがパンクしていることに気がついた。昨晩金龍
飯店にいったかえりにくぎをひろったらしい。
それにしてもさわやかな空気だ。標高の高さと関係あるらしい。カリフォルニア
とはちがう。と徳地さんも認める。
レンタカーをかえし、1000ドルちょっとのレシートをもらい、ユナイティッ
ドにチェックイン。
徳地さんはLAへ、ぼくはシアトル経由で東京。忙しくまわって、毎日のように
クライミングしたり山登りしたりしてやや疲れぎみかもしれない。それでも目的
のある旅はおもしろい、とはなしあう。今度はカリフォルニアのあたらしいとこ
ろに行こうともいう。スキーもいいね、とも。
今回役にたったのはハーツれんたカーにつんであったカーナビ。これからはこれ
が普通になることだろう。
こんどアメリカにくるのは来春か。アメリカの旅はいつでっもたのしい。それも
いい道連れがいるからだろう。

8.28.1999

穂高屏風岩のクライミング

穂高屏風岩のロッククライミング
土日でTRY、屏風のクラックと、ちょっとハ-ドなフリ-

ビョーブ岩
 
MEMBER CHU PIKA
1999-8/28,29

20年振りで、びょ~~ぶへいってめいりやした。あんときは真夏だったので、死ぬ
ほど暑くて、夏くっとこじゃねえなあ、って思ったもんです。でもめっきり歳喰っ
ちゃったんで、やっぱ陽が長い方があんし~~んって訳です。

長くあこがれていた雲稜のバリエ-ション、”ミッドナイトエクスプレス”(以下、
MEと書きます)と、3P目のフリ-が目標です。(オ-プンロ-ド??...なん
て、と~~んでもありやせん)
8/28(土)朝5:00に藤沢にいるpikaを拾って、沢渡へ。村営Pで、たま
たま居合わせた有名なガイドさんとタクシ-相乗り。ひとり1350円。まずまず。

すごいにぎわいの上高地で昼飯喰って、のんびり歩き始めるとポツポツ降ってきた。
ま、読み通り。日曜は晴れるぞぉ、って思いこむ。
横尾までの道は良く整備されていてビ-サンで歩いても違和感なし。両側を大きな山
に挟まれていてYosemiteみたい。シャトルがあったらいいなあ。
横尾の岩室で寝ようって計画してたんだけど、予報が雨だったんで、急遽横尾山荘を
予約。夜メシ付で7800円。寝心地最高!!

朝4:25にpikaに起こされた。外へ出ると、月が煌々と照っていて、快晴。
やった!
急いでラ-メン喰って、出発。
山荘から30分ほどで、岩室...岩室跡というべきか、ひどく崩壊していて、これ
じゃビバ-クは快適じゃないなあ。左手に工事の手が入っている堤にケルンがあり、
渡渉地点であることが分かった。屏風はまだ、東面が左前方に見える程度なので少し
迷うところだが、対岸に貧相な押し出しが見えている。これが1ルンゼなんだよ、諸
君。

こいつをヒ-ヒ-ゼ-ゼ-いいながら1時間弱、ひたすら登って、T4尾根に取り付
いた。2P(30m4+、30m5-)のクラシックな”岩登り”。岩混じりブッ
シュ混じりで非常に不安定な尾根(アテンション:ここが最初の核心!)を詰めると
T4のテラス。先行パ-ティが雲稜に取り付いている。

MEのクラックは雲稜1P目の途中から横に走っているのでテラスからは良く見えな
い。でも派生地点に残置のシュリンゲが長く垂れていて、それとなく分かる。

1P目は15mのハンド(ジャム)トラバ-スだが、ポイントはスタンスの見あたら
ない中間と終了点直前の2ケ所(5.10b/c、35m)。荷物はここにデポ。
水、食べ物、ジャンピング、ハンマ-、アブミ1セットだけ、セカンドが体のどっか
に付ける。

pikaが1P目をリ-ドしたが、終了点直前で、クラックを覆うブッシュに騙され
てワンテン。2P目は僕の番。入り口の立った部分はクラックに詰まった泥が恐ろし
くてワンテン。しかし後半の15mは完全なもじゃもじゃのジャングル・クラックで
(誰も登ってないんじゃないかあ??)
寿命が縮んでしまいました。久々、あたまんなか、真っ白状態で、ビレイオフ!!
(5.10a、30m)
pikaのコメント、「ミッドナイト...はあこがれていた割に、チンケだ!! 
なにしろちょっとみには、5.8っぽいぜ」
まさに。審美的には、落ちるよなあ。開拓者は猫可愛がりで”快適なハンドクラッ
ク”なんて書いてたけどさあ。登るひとによるんだろうなあ、やっぱ。

ま、いいや、って訳で、次が、いよいよ扇岩の上のA1ピッチで、雲稜を登っていた
パ-ティが抜けるのを待って10時過ぎ、まずpikaが取り付いた。でも、5m上
にあるフリ-用の1本目のボルトまでまったく行けない。何度か交代してトライした
が、全然だめで、仕方なくA1で登って、TRをセット。図らずも、初登者と同じパ
タ-ンになってしまった。11-だったら、オンサイトできなくても、ま、なんとか
なるべ、と思っていたんだが、とんでもはっぷん。
ショックなのはTRでさえ、この部分(核心!!)がつなげられなかったこと。ここ
を抜けるとあとは、そう難しくはなかった。時間切れ、モチ切れで12:30に下降
開始。横尾に3時半。上高地6:00。松本の”たくま”でヒレカツ喰って藤沢着午
前1:00。

MEも、件の3P目もグレ-ディングが良くない。迷っているといえばそうなのかも
しれないが、後々のグレ-ドダウンを怖がっているんじゃないかと、勘ぐれる。ME
の1P目5.10b/cは後に、5.10a/bと修正された。同様に2P目も5.
10aから5.9+に修正。3P目は5.11a/cと発表されている。こういう
どっちつかずのグレ-ディングは大嫌いだ。

5.10&Under・クライマ-を自称する僕ら(11-以下についてはかなり感
覚的に自信があります)からみて、ME、1P目は5.10bです。2P目は5.1
0aです。クラックの場合、プロテクションのセットに取られるエネルギ-を加える
と、フェ-スで+2~3ランク上の力がないと勧められません(つまり、ボルトル-
トで、5.10d程度を登るひとってこと)。
3P目ですが、登れなかったので、分かんないんですが、これだけははっきりしてま
す。5.11a/bってことはないと思います。当然もっと難しいと思いました。で
も、A1ル-トですから、人工ができれば、TRもできるので、挑戦しやすいと思い
ます。岩は硬く、安定しています。

下降支点はどのピッチもしっかりしていますが、T4尾根の露岩以外の部分の下降
は、ぐずぐずの石ころが急斜面に張り付いている状態で非常に悪いです。みなさん、
ゆっくり、慎重に。

とまれ、最高の景観と素晴らしい高度感、加えて固い岩で短いピッチながら、存分な
フリ-クライミングと美しい渓谷のトレ-ル・ウォ-キングも含めて、充実した週末
でした。

:Chu

8.22.1999

前穂高滝谷クライミング

穂高ぐるり一周,滝谷クライミングつき
山小屋をつかって軽やかに

滝谷
 
1999-8/22-26 
member:kurokawa,kisya
8-22
小川山で1日半楽しんで、昼過ぎには夕立ちから逃げるように上高地方面へむか
う。ランドクルーザーを沢渡においてタクシーで上高地、シャワーのなか西糸屋
へ。
8-23
朝7時にあさごはんをいただき、ツカサ若主人にごあいさつして、すぐに出発。
カラサワ小屋で会おうよ、と黒ちゃんとバラバラに歩き出す。横尾まで2時間ち
ょと。新しい橋をつくっていた。小屋の新風呂場も建設中で横尾はごたごたした
雰囲気。カラサワ小屋には12時前についた。黒ちゃんがもうテラスでまってい
た。こんなに早いのは初めてとか。荷物が軽いのが勝因だ。ラーメンを食べてか
ら、南稜をのぼって東稜にトラバースする。ショートカットして尾根にでてみる
と、そこはすでにゴジラの背中の核心部をすぎたところだった。ま、いいか、と
そのまま北穂高小屋へ直行。
4時前に小屋着。カメラマンの磯貝猛夫妻がいた。小山若主人からビールをいた
だく。1年ぶりの小屋。外国の山ばかり登っている黒ちゃんが、日本の山はいい
なあ、という。緑がきれいなのだという。ぼくにはアルプスの前山のようにも見
えるのだが。夜はおとなしく就寝。

8-24 朝から雨。もう下りたいとおもったが、ここはがまんと、マスターキート
ンという漫画を借り出して1日過ごす。お昼には小屋の方たちにさそわれて釜上
げうどんパーティに出席。おいしかった。夕食もすばらしい。食器はすべて陶器
で、小皿がいくつも並ぶ。標高3000メートルのピークにしがみつく山小屋の食事
とはとても思えない。志も高いのである。
8-25
停滞のかいあり素晴しいご来光の朝をむかえる。360度のパノラマだ。岩が乾く
のを待ち、8時過ぎに出発。ドームをまいて鎖場のところから滝谷にくだる。昨
年の7月に下見してあるから間違えはしない。どんどん下って、最後に25メー
トルいっぱいの懸垂下降でドームの基部につく。登り気味にトラバースして中央
稜のとりつきへ。
ルートはどれかな、いちばん簡単にみえるのがそれらしい。1p目、ぼくのリー
ドで30メートルくらい。凹角からチムニーへ。チムニーはハング気味にみえる。
どうやって越えようかとあせる。一度チムニーに入り込んで一段あがりそこから
外側にでてガバをみつけてよいしょよいしょと登るのが正解。5級はあるだろ
う。
2pはつるべで黒ちゃんがいく。快適なフェイスで楽しめる。3p目は歩きに近い
登りで、4pが核心。黒ちゃんがいく。一箇所5.9くらいの核心がありリングボル
トが打たれている。フォローのぼくはフリーで越える。黒ちゃんはアルパインで
はそういうところは安全第一とA0で登るのがよいのだと、忠実に実践したとい
う。4pは快適なフェイスでそんなに難しくない。最後の壁を越えたらいきなり
終了点の頭にでてしまった。11時。2時間もかからなかっただろうか。握手し
てひとやすみ。
ここからどうやって下ろうか。天気は最高だからこのまま奥穂まで縦走して岳沢
をくだろうようと、スコスコと歩き出す。穂高小屋でラーメン。岳沢でコカコー
ラ。黒ちゃんがいうには穂高の縦走は水筒もいらない。お金さえもっていれば空
身で充分とのこと。そのとおりだと思う。
岳沢をかけ下り、河童橋着4時。4時間ちょとの行程だから、カラサワ経由より
断然早い。ひざが痛むのが欠点といえる。
岩登りを楽しみ、稜線縦走も満喫する。山小屋を利用して軽い荷物で行動する。
そんな動き方が北アルプスの夏休みプランとしては名案かもしれない。良い山小
屋がたくさんあるのだから。
タクシーで沢渡にもどり、稜線から携帯で予約した平湯湯の里旅館に6時まえに
は入館。温泉につかった。安房トンネルができ岐阜にいくのもあっという間にな
ってしまった。実は新しくなった中の湯にも電話したのだが高いこといわれあき
らめたのだった。
8-26 朝一で、再びトンネルを信州側にもどって、暑苦しい町なかを走り、僕の
車が置いてある山中湖へ帰荘。午後は小屋のペンキ塗をしたり洗濯したりしての
んびり過ごす。夕食をどうしたかは思い出せない。

8.09.1999

小川山お友達岩

小川山お友達岩など
夏は小川山だあ

お友達岩
 
1999-8-9
メンバー 川崎博 汽車

600に川崎邸にお迎えにいく。10前には廻り目平着。
川崎さんがカメラをもっているのでよい被写体や風景をさがしながら歩く。
ガマスラブで大阪OCSの  さんをとり、ガマスラブ2pまでのぼる。小
川山レイバックに転進。
ステミングスタイルで登る。川崎さんはめちゃくちゃなエイドでのぼってき
た。無理もない。大きいカメラを2つも胸にぶらさげているのだから。2p
目ものぼり親指岩のアタマにたつ。イイ写真がとれた。キャンプ場にもどる
と北田ファミリーがいた。
岩根庵に初めて投宿。ショウミさんがいた。夜お酒のみながらいろいろと語
る。内容は忘れてしまった。
翌日は、パタゴニアグループがくるので北田さんともども合流する予定だった
が、朝から冴えない天気。パタゴニアもこない。小雨がふりだしたのでさっさと
去る。

99-8-21,22
メンバー くろ、まつくら、ちゅうファミリー、アクトチーム、そのほか。
前夜、山中暗黒寺荘に黒ちゃんと松倉さんがやってくる。
あさいちで廻り目平へ。
ちゅうさんの毎年の追悼祭の日。アクトぐるーぷもいる。アクトの新エリアに
いって写真撮影。左はじの10bにトライ。ハング越えもあって、むずかしい。
最後のクリップができず。こわくて敗退。10Cはあるよ。と池の内さんにいう
と、そうかなあ、考えてみます。とのこと。
夜はにぎやかに焼肉パーティー。
翌日。天気がよいので松倉さんをさそってガマスラブへ11pを僕がいき、2p
は黒チャンがハートアンドソウルにとらい。ワンテンする。3pまでのぼって、
きょうはこれでいいか、とお開き。松倉さんも楽しそうだった。
昼すぎに帰りはじめたら土砂降りとなった。取り付いているクライマーはさん
ざんのことだろう。僕らはラッキーだった。黄金虫でラーメンたべて松倉、ち
ゅうさんとわかれる。くろちゃんとぼくはこれから上高地にいくのだ。滝谷を
登る予定。

7.24.1999

小川山の新しい岩場

小川山のクライミング、新しい岩場も
1999-7-24
おばあさん岩
 
member  chu,kisya,act group 

7-24 あさいちで東京をでて山中湖経由
廻り目平着1030分。ちゅうさんのact仲
間、いけのうちさんやえんどうさんがい
る。夏休みが始まったというのに空きず
きしている。なぜだろう。actチームは
新エリアの開拓にいくという。同方向に
むかって、ちゅうさんと二人、おばさん
岩でザックをおろす。

今シーズン、小川山は初めてのぼくはこ
のあたりで登るのがよいようだ。春から
夏にかけてオレゴン、グリンデルワルト
と絶好の名所で岩に触った覚えはあるが
、本格的なアウトドアでのフリークライ
ミングは秋の城山以来(ウソウソ、そう
いえば先月インスボンで1日のぼっていた)。
 おばさん岩の全ルートを登る。
11aのレールドヂュタン
では2テンがはいってしまった。毎年1
度はさわるルートだが、年々悪くなって
いく。もう岩登りはやめようかな、とも
思う。いけのうちさんが開いているとこ
ろを訪問する。仮称おばあさん岩。明るく
て開けていてとてもよいところ。まだま
だ岩場は残されているのだ、と感心する
。3本できているから、登ってみて、と
気安くいってくれるので、ありがたく登
らせていただく。10aと10cとおもわれる
という2本にトライ。名前も決めてある
という。宇宙的なネーミングだった。ど
ちらもたいへん素晴らしい。2つ3つ星が
つけられそうなルートだ。オンサイトに
気をよくして、もうすこし岩登りを続け
ようかな、と思い直す。きょうは6本も
登ってしまった。『ちょっとやりすぎか
な』などといいながらロープをザックに
しまう。 
せっかく涼しいところにきた
のだから、今夜はキャンプを楽しむこと
にする。たき火に苦労しながらもいい仲間といい酒
をのんでぐっすり眠った。

7.22.1999

スイスアルプスの4000メートル峰4つ

CLIMBING IN 4000ers in Switzerland

スイスアルプスの4000メートル峰4つ99
雪が落ち着かないとたいへん
 
Jungfrau, Alarinhorn und Camping in GW
 

1999-7-22 8-10
member KUROKAWA,KISYA、SATOSI KANAMORI
6-22  KLM便でアムステルダム経由チュウリッヒ着。ほぼ同時刻着の大阪発大韓
便の黒ちゃんと合流。レンタカーを借り出してルツエルンへ。車はオペルのアト
ラスの新車で調子よい。町外れの湖畔にベストウエスタンチェーンのホテルをみ
つけチェックイン。むかいのレストランで夕食。物価は日本より高めだろうか。
ホテルのまどから眺めるピラタス山と湖がすばらしい。

6-23 ルツエルンからインターラーケンに向かう。町なかを偵察して米など買い
だしてグリンデルワルトへ。道がせまいのにスピードをだすのがスイスの事情ら
しい。BODENWALD、最近はEIGERNORDWANDと名前をかえたキャンプ場にチェックイ
ン。前者はホテル名となってオーナーの息子さんが敷地内で経営している。日本
人のクライマーが昔から利用するところでオーナーのおじさんも親切だ。設備は
たいへんよく、景色は最高だ。目前にアイガーの北壁が大きくそびえる。この
2、3日の悪天気で山は冬模様。フィルストからはパラパントが何十機と飛び出
している。人気エリアらしい。山登りより楽しそうだ。
この日、ドライブでグロッサーシシャイネディックとラウターブルンネンの谷を
偵察する。グリンデルワルトは日本人が多く、老人のツーリストが多いが、ラウ
ターブルンネンの谷には欧米の若者たちが多くみられた。スポーツショップも前
者にはみるべきものがほとんどないが、後者ではよい店が発見できた。

6-24 天気がよいので上にあがってみることにする。ユングフラウヨッホで登山
電車をおりる。ユングフラウは真っ白でトレールなし。登山シーズンにはまだ早
すぎるのだろうか。ラッセル1時間でメンヒヨッホの小屋にはいる。人影がな
く、冬季小屋にはいってなごむ。薪用のキッチンストーブがあって快適。水を作
ってお茶を飲む。夕方になってイタリア人の6人組みがあがってくる。山スキー
をはいている。そのあとスイス人の2チームが入ってにぎやかになった。イタリ
アチームからハムなどおいしいものをいただく。彼等は夜中にメンヒをめざすと
いう。スイス人の若者ふたりは北東壁をのぼるという。

6-25 イタリアチームは未明の2時頃でていくが、6時ころにはもどってきた。
頂上直下100メートルのところで雪がわるく敗退したとのこと。ぼくらは7時
に小屋をでる。天気はよい。トレールをたどると、おもったよりも手前でおわっ
ていた。これなら頂上までまだ標高で200メートルはありそうだ。目の前にや
せたナイフリッジがのびている。2、3日前の新雪がつもっていて悪そうだ。イ
タリア隊はここで懸命にも引き返す勇気をもったわけだ。ここから先はトレール
なし。危ないんじゃないの? とおもうが黒ちゃんはロープをだして行くとい
う。あてになりそうもないスタンディングアクスビレイで確保する。50メート
ルいっぱいにのばしてやせ尾根がおわり、こんどは急なカンテ状雪壁をぼくがリ
ードする。4000メートルでのラッセルはきつい。それでも出発直前に富士山頂で
1泊した効果は絶大だ。となりの尾根をスイスの二人組みが登っていくのがみえ
る。50メートルのばしたところで岩場にでくわし、つぎは黒ちゃんがさらに急な
雪壁をつめる。50メートルのばしたところで確保用のポールがでてくる。頂上
手前の肩のようなところ。ここから先は頂上まで広くてゆるい頂上稜線が伸びて
いるのだろうと勝手に想像していたのだが、あにはからんや、右に左にセッピが
張り出したやせ尾根。メンヒはビギナー向けの山、などとガイドブックにはあっ
たがとんでもない。今日のコンディションは厳しい。さらに50メートルほどの
ばしたところで、急な雪壁のトラバースとなる。あと頂上まで100メートルだ
が、このトラバースはやばそうだ。500メートルしたのセラックまで急な滑り台
がのびている。自信がないので、ここで戻ろうと、黒ちゃんに言うと、ひとりな
ら行けるとのこと。ロープを外してここで待つことにする。確保支点もどこかに
埋っていて見つからないのでロープがないほうがこの場合安全なのだ。煙草をす
う。黒ちゃんはピッケルをおもいきり突き刺して、雪を何度も践み固めながら、
がんがんといく。雪崩ないことを願うだけだ。
頂上直下の北東壁にはスイス人の若者がひとり、上にもいけず下に下ることもで
きずに立ち往生しているのがみえる。黒ちゃんは頂上に着いたが、相変わらず動
こうとはしない。そのうち赤い救助隊のヘリコプターがごお音とともにやってき
た。レスキュー隊員がするするとおりてきて、あっと言うまにその遭難者をつか
まえると、ヘリにぶらさがったまま下界へと連れ去っていった。そのスイス人の
相棒はその前にひとりで滑落してケガをし、電話でレスキュウを呼んだらしい。
とり残された彼もヘリで救助されたということのようだ。ぼくも黒ちゃんもスク
ープ写真をものにしたようだ。
天気はすばらしい。モンブランやマッターホルンが見える。
時計をみると11時。黒ちゃんは、北尾根を登ってきた単独行のイギリス人と頂上
からいっしょにおりてきた。ロープで確保しながら登ってきたルートどおりに下
降して、12時に小屋との分岐点にもどる。
電車で下山。クライネシャイディックでヤマケイのハイキングビデオ撮影隊とで
あう。前の日、町の宿に遊びにいっているので全員が顔見知りだ。汗を流しなが
ら働いている。キャンプ場に戻るとモンベルテントが張ってあり元気な金森君の
顔があらわれた。予定どおりの登場だ。
明日からは3人での行動になる。

6-26 レストの日。朝飯後、ビデオグループのコンドミに遊びにいきコーヒーを
のんでいると、今日はメンリヘンでアルペンホルンのコンサートがあるという。
撮影にいくというのでぼくらも同行することにする。現地までのぼってみると、
天気がわるく延期になったとのこと、お茶をのんでから、ウエンゲンまでハイキ
ングする。標高差800メートルの下りハイキングだ。駅につくと見覚えのある風
景があった。何年かまえここにきたときのことを思いだした。鉄道をつかってぐ
るりと大廻りしてグリンデルワルトに戻る。

6-28 
アイガー東山稜は冬景色。ユングフラウもいまだにトレールがつかない。危ない
雰囲気だ。夏山日和になってガイド登山でも始まってくれれば楽勝なのだが。作
戦をかえて南のバリス山群の4000メートル峰にのぼることにする。ビデオ隊の山
本、高城さんたちも打ち合わせにツエルマットにいくというので、車2台をつら
ねて移動。カンデルシュテグからの鉄道フェリーが珍しい。二つの谷の出会いで
ツエルマットにはいるベンツワゴンとわかれ、われわれはザースの谷にはいる。
ザースフェーの駐車場から荷物をもってインフォメーションへ。初めて訪れる
村。オートルートの最終ポイントであり、ツエルマットとはひとあじ異なったス
キーエリア。正面にドムがそびえる。ベルグハイマートガルニに宿をとる。町中
を散歩。こじんまりして良い町。テレマークとクライミングの専門店もある。わ
れわれは明日アラリホルンに登る予定。

6-29
朝いちでロープウエー2本と地下ケーブルカーをのりついでミッテルアラリン
へ。930に歩きだす。ノーマルを登るグループがみえる。正面の北東稜を登るト
レールもみえる。おじいさんとおばあさんの4000メートルといわれるだけあって
人気ルートのようだ。ここでいちばん危険なのは歩き始めがスキー場のなかなの
でスキーヤーにぶつけられること、とゲーツゲのガイドブックには書いてあった
が実際そのような感じではある。ノーマルではものたりないと思ったのか、黒ち
ゃんが正面の北東稜を登ろうという。先行のトレールがあるので楽だ。PD+のル
ート。かなりむずかしいはず。正面からみると絶壁にみえるが、実際にとりつい
てみるとそれほどのこともない。先行していたのはフィンランド人で登路をおり
てくるのとであう。たいしたことないよ、とのこと。それでも頂上直下100メー
トルは60度以上の雪壁で、ロープをだしてダブルアックスで快適にのぼることが
できた。2時間半で頂上。マッターホルンがそびえる。バイスホルンやモンテロ
ーザも素晴しい。
下山はノーマルルートにとる。おじさんやおばあさんがガイドとともに登ってく
るのにであう。1330ミッテルアラリンの駅にもどる。全員調子がよいようだ。
この日、気分転換してグレッチャーホテルに転宿。

6-30
ザースフェーからツエルマットに移動。車止めのターシェの駅で金森君の知り合
いのエクストリームスキーヤーの利根川君にであう。ツエルマットまで電車、駅
前のホテルバンホフにはいり、利根川君と大通り2階のレストランでカレーライ
スをとる。マッターホルンは雪が多くまだシーズンにはいっていないとのこと。
明日はブライトホルンからスキー滑降することにしよう。駅前のバイアードスポ
ーツでテレマークスキー1式3人分を借りる。午後近くのクライミングゲレンデ
を見にいく。

7-1
新築なったホテルバンホフは快適宿。ドミトリーもあるし、炊事設備もある。山
屋のためのホテルだ。かんたんな朝飯をたべ、駅前から電気タクシーでロープウ
エー駅へ急ぐ。クライネマッターホルンまでロプウエーでひといき。いきなりこ
こに登ってきたらめまいがすることだろう。
天気は良好。もう何人かがブライトホルンを登っている。日本人の団体登山ツア
ーの一行もガイドと添乗のひとといっしょに登りはじめた。20人くらいが3グ
ループにわかれている。ぼくらも初めてはくレンタルスキーをつけて滑り初め
る。コルまではゆるいくだり。先行する登山者をあっというまに追い越してしま
うs。スキーはBD社のもの、ブーツはガルモントのプラスティック。
シールが入手できなかったので登りはスキーを背負う。2時間で頂上。頂上手前
は雪稜なのでスキーを肩にデポする。頂上は狭いがにぎやか。日本人グループが
おお喜びしている。風が強いのですぐに退散。スキーの滑降写真を撮りながらく
だる。金森君はいちばんいい斜面でスキーを流す。流れ止めがこわれてしまった
のだ。すぐに止まったが、くやしいらしくすこし登り返して滑り直す。1時間ほ
どでロープウエー駅にもどる。
ホテルバンホフにもどりランチをとり、荷物をまとめてそのまま電車にのりター
シェへ。車で3時間弱のドライブ。なつかしのアイガーノルトバントのキャンプ
エリアにもどる。夕食後、ビデオ隊の宿に遊びにいき帰還報告と自慢話し。
7-2
レストの日。大快晴。再び好天の周期に入ったようだ。そろそろ登山者が山を登
り出したのではないだろうか。午後は体を動かしたい気持ちになり金森くんとグ
レッチャーシュートの岩場で2本ほどクライミング。
夕飯を食べながら相談する。いつまで天気がもつかわからないので、思いきって
明日はユングフラウに登ろう。メンヒヨッホの小屋に前泊して早朝に登るのが鉄
則だが、みんなの調子もよいので朝いちの登山電車であがりその日のうちに頂上
往復とすることにしよう。

7-3
予定通り730の電車に乗る。930にはユングフラウヨッホのスフインクスの出口か
ら歩きだす。やはりおとといと昨日の好天で何人かが登ったのだろう、うっすら
とトレイルがみえる。きょうも好天。メンヒヨッホの小屋を未明に出たのだろ
う、2.3の登山者がユングフラウの頂上下をくだってくるのが遠望できる。日が
当って数時間たった雪面はときどきブスッとひざまでもぐる。やはり朝いちでア
イゼンをきしませて登るべきだったかも。遅い出発に気持ちが焦る。雨量計のさ
きでルートを失う。雪がおおいのではっきりした今シーズンのトレイルがまだで
きていないのだ。もろい岩場をおそるおそるあがり、氷河からきたしっかりした
トレイルに合流。あとは登るだけ。ヨッホからみた絶壁のトラバースも、その場
にいってみるとそれほどのこともない。トレイルがしっかりついている。左上の
巨大セッピがくずれてこなければ問題ない。太陽に暖められたあちこちの斜面か
らは不気味な音とともに表層なだれがでている。トラバースをおえてクレバスを
こえるとローターホルンとのコルにでる。急な雪壁をがんがんのぼって、ロープ
がほしいトラバースも気合いで突破。氷のついた岩場もおもいっきりよく越え
て、やがて4110メートルの頂上。1330、ガスがでてきて視界はなし。一時的なガ
スだったが、長い無用と記念写真をとって下りの途につく。ロープもださずがん
がんと下り、安全地帯へ。もう2時だというのに登ってくる二人組みにであう。
マイペースのひともいるのだ。今日頂上を極めたのは10人ほどか。麓の喧騒にく
らべてあまりにもわずかな人口ではある。アレッチ氷河のトラバースにでてひと
安心、ここで念のため今日初めてのロープをだす。午後の氷河トラバース、クレ
バスがこわいからだ。駅までの登り返しをがんばって1630ヨッホ駅に帰還。登り
が4時間、下りが3時間のアルパイトであった。どうしても登りたいと思ってい
たこの山群の最高峰に登って大満足。駅の韓国カップヌードルでランチ。きょう
は朝ごはん以来たしたものを食べていなかったのを思い出した。
最終近くの電車の乗り、グルント下車。テントにもどってシャワーをあび、いつ
ものとおり芝生の上で寝転びながらワインなどを飲みながら楽しく食事する。今
年の条件でわれわれのできることは大体やったという、感じか。
7-4
のんびり過ごす。
7-5
案の定天気下り坂。テント撤収。おやじがもう帰るのかという。明日金森くんが
帰国するのでチュウリッヒ郊外の温泉町バーデンに移動。ぼくもスケジュール変
更でいくらか早めのチケットをホテルプラン社にて再購入。バーデンのホテルヒ
ルッチャー泊。川向こうの伝統の温泉プールになごむ。
7-6
天気くずれ曇りと雨。チュウリッヒで旧市街と大聖堂、シャガールのステンドグ
ラスなど見学。金森くんを空港におくる。バーデンにもどる。黒ちゃんはあと10
日ほど残りドイツを旅したりするという。条件がよければマッターホルン登頂に
もトライしたいとのこと。

7-7
バーデン町深訪。古城、歴史博物館など見学、再び温泉プールにはいり、夕方チ
ュウリッヒ入。空港で黒ちゃんと分かれ、夜のJAL機にて帰国。チュウリヒ空港
のパブにて川崎カメ、みなみらんぼう氏らハイキング取材班とあう。どこかで会
えるとおもっていたが最後の最後に会えたわけだ。昨日二人はガイドとともに悪
天にもかかわらずメンヒに登ったという。ぼくらのトレイルをたどったわけだ。
7月8日午後4時成田着。
(汽車)