7.19.2018

旧士幌線沿いのドライブ

士幌線沿いのドライブ
国鉄の遺跡を見る

2018年7月7~8日 
member 伊藤記
ニペソツ山とタウシュベッツ川橋梁

士幌から十勝三俣まで士幌線沿いドライブ

幌加温泉

7月7日
朝のうちに大雪山黒岳から層雲峡に下山。次の目標はニペソツ山。東大雪の名峰だという。ほかに石狩岳やウペペサンケ山が有名らしい。

層雲峡から南へドライブ。大きな分岐でうっかり狩勝峠・北見方面に入るが(有名観光地はこちら側が多い)、Uターンして大雪ダムに戻る。湖の向こうに石狩岳が見えるようだ。さらに南下、分水嶺の三国峠からは南に十勝三俣方面の樹海を展望することができる。ここらへん一帯は「十勝三俣大カルデラ」だという。ここからはるか帯広の平野まで緩い傾斜で下っている。

ニペソツ山の登山口幌加温泉に寄る。一軒宿の鹿の谷館は素朴な造りで好ましい。異なる三つの源泉がある素晴らしい湯治場。明日の宿泊を予約する。

いったん買い出しのため士幌に向かう。途中で国道脇のタウシュベッツ展望台をのぞく。タウシュベッツって? 遠望して分かった。旧士幌線のアーチ型コンクリート橋のことだった。写真を見たことがある。今日は9割方が糠平湖に沈んでいるようだ。

糠平湖温泉でランチしてビジターセンター(東大雪自然館)を見学して上士幌で買い出し、さらに士幌道の駅で車泊。ちょっとおしゃれすぎる変な道の駅だった。
真ん中に鉄橋がかかっていたらしい

旧糠平駅構内

旧士幌線

7月8日
士幌一帯は帯広の北に広がる豊かな田園地帯。はた目にもそう見えるが100年以上の厳しい開拓の時代があったという。朝いちで開拓記念館のひとつ美濃の家を訪ねる。士幌は岐阜からの入植が多かったらしい。

昨日の道を戻るように国道273号を北上する。今日も好天、明日のニペソツ登山に備えて幌加温泉に移動するだけなので時間がある。旧国鉄士幌線のあとを訪ねることにしよう。

道道、右や左に廃線の跡らしき平場が見える。旧士幌線にはアーチ型コンクリート橋が何十もあったという。国道脇にあるのであちこちで見学できる。有名なのがタウシュベッツ川橋梁で、糠平ダムができる前の旧旧士幌線にあったもの。この旧旧線はほとんどダム湖に沈んだようだ。付け替えられた旧士幌線にもアーチ橋は多用されたという。いずれにしても帯広から士幌、十勝三俣を結んだ士幌線は昭和の終わりには全線廃線となっている。コンクリート橋が多いのは戦中に鉄が不足で使えなかったからという理由もあるらしい。
幌加駅跡

ターミナルの旧十勝三俣駅付近

鹿の谷館

糠平温泉の鉄道資料館であれこれ勉強させてもらった。豪農地帯の帯広から士幌にかけて鉄道があったのは分かるが、はるか山奥の十勝三俣まで線路が敷かれたのはなぜか? 疑問だったのだが、それは林業のためだったという。広大な十勝三俣の樹海を原資に採取的林業が盛大に行われていたという。全盛のころに、材木満載の列車が士幌へ向かって暴走する事件が3回もあったという。「弾丸列車走る」と伝える当時の新聞記事が面白い。

ターミナルの十勝三俣の駅跡は、野の花がいちめんに咲く原っぱになっていた。駅前かなと思うあたりに食堂とバス停があるだけだった。廃線ファンとおぼしき車が2~3台あたりをウロウロしているのが面白かった。

夕方に幌加温泉鹿の谷館にイン。素泊まりのみで湯治客が数人泊まっているだけのようだ。
参考
この日のタウシュベッツ川橋梁。国道脇の展望台から。
7月8日、90パーセント沈んでいるという

以下にタウシュベッツ川橋梁とニペソツ山の写真。インスタグラムから借用、トップ写真も。素晴らしい写真ありがとうございます。明日は登るよ、ニペソツ。


十勝三俣カルデラ

大雪山北鎮岳 お鉢平周回

北鎮岳 
大雪山お鉢平周回

2018年7月5~7日 
member 伊藤記

黒岳から北鎮岳など見る

クマ

お鉢

7月5日
朝8時のANA便で出発。千歳は小雨だった。北海道はしばらく梅雨空が続いているようだ。クイックレンタカーでフィールダーというワゴンを借り出して北上。
ここのフィールダーは3月にもスキー旅行で利用したが、雪道でも頑張ってくれた。コスパのいい車だ。

前日のチェックで、当初予定の南暑寒別(雨竜湿原)とニセイカウシュペへの登山は無理なのがわかっていた。数日前の大雨で登山口までの林道がどちらも壊れているという。ほかにも天人峡やあちこちで林道通行止めがあって山に入りにくい状況のようだ。

三笠のイオンで買い出しして旭川をかすめて層雲峡までドライブ。黒岳の湯に寄ってパーキング棟屋上で車泊。明日はロープウエーで黒岳へ上がり、お鉢平(カルデラ)一周の予定。層雲峡の谷底から見上げる空は夕焼け。
雲海の上へ。ニセイカウシュペなど見える

アイヌ語でクマの遊ぶ山というらしい

エゾリス

7月6日
朝いち6時のロープウエーで上がる。登山リフトも使って7時前には黒岳登山スタート。この時間には観光客はいない。ロープウエーの客20人ほどはみんな登山者のようだ。

ところどころ雪田の残る急坂を登って黒岳山頂9時前。層雲峡の谷底では曇っていたが登るにつれて青空、雲海の上にでる。
旭岳、北鎮岳、白雲岳など大雪山上のピークがよく見える。振り返ればニセイカウシュペ。
カルデラ側にのんびり下って黒岳石室へ。

小屋に不要な荷を預けてお鉢平一周に向かう。8時スタート。山の花は梅雨のせいかあまり元気がない。エゾリスがあちこち。10時には北鎮岳に立って、比布岳やアンタルマ岳を見下ろす。北鎮岳は道内第二位の高峰だ。
中岳へ下り、登り返して間宮岳。大雨のせいで登山道は溝になっている。

昼前、旭岳分岐から北海岳へ向かう。ハイカーはわずかで静かな日だ。お鉢の中に黒い点が動いている。ヒグマだろう。初めて見た。ズーム最大で撮影する。なにかの新芽でも食べているのか、ひとところにいて10分以上も動かない。
カルデラ

間宮岳あたり
お鉢側へ下る

赤石沢は右端のブリッジで越える

黒岳石室

北海岳からのんびり下って雪渓を過ぎ、カルデラから流れ出す赤石沢を渡る。渡渉している人もいたが、危うげなスノーブリッジを走って越える。4時過ぎに黒岳石室に戻る。

1ダースほどの泊り客で空いている。素泊まりのみで毛布を一枚貸してくれる。小屋の近くでもクマを見たという人がいた。凌雲岳あたりに住んでいるとか。この日は1日好天、夜は冷え込んだ。
クマがいたのは松田岳の下
1㎞ほど先に見える

7月7日
3時半には明るくなる。かんたんな朝食をとり5時にはスタート。霜柱の道を黒岳へ登り返す。大雪山上の山々をもう一度眺めてからロープウエー駅へ下山。7時過ぎには層雲峡に降りる。

6.26.2018

蛭ヶ岳(地蔵尾根と源蔵尾根)

丹沢最高峰。地蔵尾根を登り源蔵尾根を下る
2018年6月24日 日曜日
member 伊藤記
蛭ヶ岳から大室山方面

aが源蔵尾根、bが桧洞丸北尾根、
c矢駄尾根。〇が桧洞丸

地図は登り下りルートとも破線

梅雨の晴れ間予報の日曜日、明け方に東京出。道志道に入ると小雨がふってきた。
7時前、神ノ川ヒュッテのパーキング(日向沢橋)にはもう5~6台の車があった。

7時過ぎスタート。予定ルートは広河原から地蔵尾根を登り蛭ヶ岳。さらに臼岳経由源蔵尾根を下山という裏丹沢シリーズの続き。

ひわた橋から蛭ヶ岳が見えた

渡渉してここを登る。出だしはちょっと岩登り

尾根上にあった剣先

小雨の中、犬越路トンネルに続く林道を小一時間。ひわた橋からは一段と高いところに蛭ヶ岳が見える。
堰堤伝に下って広河原、釣り人が二人。神ノ川本流左岸をしばらく行くと対岸に地蔵尾根の取り付きが見える。赤布やロープがあるが目立たない。
杖をたよりに渡渉。大水のときは苦労するかもしれない。もう雨は上がっている。

地蔵尾根出だしは、いきなり急崖の岩登り木登りで始まる。そのあとも急斜面を直登する。1時間ほどで尾根上に出て一段落。はっきりした尾根を進むと林業用索道ケーブルが残る平らにでる。その後、小一時間は細尾根を行く。ところどころに岩場もある危うい道だ。バリエーションルートらしい雰囲気ではある。
蛭ヶ岳下から姫次、袖平山方面。地蔵尾根の頭も見えるか

登山者で満員、の予想が外れた。日本百名山だが


11時前に尾根の頭、開けた頭頂部に出る。蛭ヶ岳、桧洞丸、大室山が見える。青空もでてきた。雑木の森を少し進むと、北丹沢のメインルート、焼山・蛭ヶ岳線に合流。ちょうど姫次と蛭ヶ岳の中間地点。蛭ヶ岳まで1.6kmという標識があった。

きれいな雑木林を抜けると蛭ヶ岳山頂まで続く階段道となる。日が差してきた。山頂下ではあたりが開けてよい景色。ひわた橋が見下ろせる。

蛭ヶ岳山頂にはだれもいなかった。日曜日の12時なのにこれは不思議。ここまで登山者にはだれも会っていないし。
展望はよい、が富士山は雲の中。下山路の源蔵尾根は桧洞丸山頂の手前から右へ派生する小尾根、たぶんあれだろう。

臼岳からの蛭ヶ岳 

神ノ川乗越。ふみ跡はユーシンに続くのか

山頂から標高差300mを急降下してからこんどは緩く臼岳へ進む。ブナ森のきれいな臼岳からさらに下って神ノ川乗越。ひと登りするとザレ場の頭に出て急造りの橋で難場を越える。その先に源蔵尾根と書かれた標識が道脇にあった。蛭ヶ岳からここまでですれ違ったのは男性ソロ4人だけ。
源蔵尾根降り口。バリエーション度は地蔵尾根の方がすごい

源蔵尾根は岩場交じりの細尾根で、すぐに急下降することなく、しばらくは小さな起伏が続く。右は金山谷、左は彦右衛門谷というらしい。
ふみ跡があるので迷うことはない、はずだが一回は枝尾根に入りこむところだった。

スギの植林帯まで下ればあとは仕事路をたんたんと下るだけ。左ひざに痛みがでてきたのでゆっくり下る。数年前光岳の下りでそんなことがあって以来のことかもしれない。
ひわた橋近くから午後の蛭ヶ岳と広河原

朝にはなかった落石

尾根の末端からは左へ彦右衛門谷へと下る。ラストはヤブをかき分け堰堤のある川原に出る。ここで大休止。もう4時。

林道に出て往路を下る。道のど真ん中に1トンはあろうかという大石が落ちていた、あさには見なかったものだ。
5時に終了、青根のいやしの湯に寄ってから道志道の駅へ移動。
青はこないだ登った矢駄尾根と桧洞丸北尾根

裏丹沢の北尾根シリーズも残すのは風巻尾根くらいだろうか







6.05.2018

袖平山(北尾根)

袖平山
北尾根を登る

2018年6月3日 日曜日
member 伊藤記
北尾根に上がると富士山と大室山

伐採エリアの先に古い登山道が見える

道志道の駅は中途のところにあるせいか、山中湖や河口湖に比べて車泊の人は多くない。
昨晩は5~6台(日中はオートバイの人がやたらにやってくるところだ)。

早起きして出発、30分ほどで青根に入り、山道を走る。黍柄山登山駐車場は林道ゲートの手前、標高500mにあってもう4台停まっていた。少し下の道脇に停める。ここから太郎と蛭が岳往復したことがある。今日はネットでみた袖平山のバリエーションルート、北尾根を登りたい。

4月に神の川からヤタ尾根を登って檜洞丸北尾根を下って、これがけっこう面白かった。その前は大室山にやはり神の川から登ってここも空いていてよかった。そんな裏丹沢北尾根シリーズの続きだ。
さわやかな風が吹く

檜洞丸。ヤタ尾根と北尾根が見える

7時にスタート。ちょと道迷いして10分ほどロス。元に戻って足下に見える林道に降りる。伐採仕事中の道らしい。平日だと車が行き来しているかもしれない。

30分ほど行くと伐採エリアにでて、その先に古そうな山道が見える。これをひたすら登る。そのうちふみ跡を外して急な細尾根を直登することになる。944mピークからは明瞭な尾根になって細道が続いている。大室山と富士山が見えた。
蛭が岳

八丁坂、モノレール沿いの尾根を下る

標高差1000mをだれに会うこともなく登って袖平山10時半着。北尾根は丹沢らしい雑木のきれいな道だった。袖平山山頂からは檜洞丸の2本の北面尾根が見えた。山頂に小屋が立っているのは蛭が岳。富士山はもう雲の中。ここで二人のハイカーと出会った。

ハイキング道を下って八丁坂の頭から尾根道を下る。長い下りだが道はよく整備されている。
小屋戸沢をはさんで向かいにさきほど登った袖平山北尾根がよく見える。かなり長大な尾根だ。好天で暑いくらいだが足もとから薫風が上がってきて気分は悪くない。

2時に林道に出て2時半終了。


944mまでは地形図の破線を辿る方がいいかもしれない

富士山春山

富士宮口ルート、スキーはできなかった

2018年6月2日 土曜日
member 伊藤記
水が塚から。上部雪渓はズタズタ、下部雪渓はほとんどない

無風の好天日、登山者たくさん

前日に水が塚駐車場まで入る。好天が続くという予報。森光さんが明日北面にスキーに行く予定と聞いてつられてやってきた。こちらは南面で単独行動(今回はともに山岳会に登山届をだしている)。

夕方、富士山はガスの中で姿を現わさなかったが、夜中に月明かりでよく見えるようになる。が、がっかり、南面にスキーのできそうな雪渓はのこっていなかった。

日の出のころ五合目駐車場まで上がる。6時前スタート。スキーは置いて、靴もハイキングシューズに変え。アイゼンもピッケルもなし。
九号五勺

富士宮口浅間神社奥宮

無風快晴の日で50人くらいが登っている。スキーヤーはひとりもいない。11時過ぎにとぼとぼと富士宮口山頂。12時に剣ヶ峰に立つ。スキーがあればお鉢に滑り込むことはできそうだ。数日前の新雪がぐちゃぐちゃに残っている。そういえばそのとき東京から富士山が真っ白に見えたのを思い出した。

のんびりしてから下山。トレランの人が10人ほどいて最後の雪渓も平気で登り下りしていた。雑誌かなんかの取材チームのように見えた。

スキーなしの下りはつまらない。3時過ぎに終了。久しぶりの3000m越えで手先がしびれたり頭痛がした。おおにぎわいの山中湖石割の湯に寄って道志道の駅へ移動。
お鉢は新雪が残っている

山頂でお暑いほど

森さんによれば北面は3200mまでしか滑れなかったとのこと。そういえば昨年は6月4日にこちら南面を滑っている。雪渓は残っていて3000mまでは滑ったはず。富士山スキーは5月のイベントだといえる。