11.16.2017

鋸山(房総)ハイキング

鋸山(房総)
石切場のあるハイキング名山

2017年11月4~5日
member  太郎 ケイ 伊藤記
日本寺千五百羅漢。頭部は全て復元

大仏

石切場跡

4日火曜日
明るくなるころ川崎殿町インターからアクアラインで木更津へ。開業20年のアクアラインだが走るのは初めて。早朝とあって海ほたるは空いていた。千葉県のハイキングも初めてで、今日は有名な鋸山を訪ねたい。

金谷の日本寺の大仏側、東口パーキングへ(駐車無料)。600円で院内に入り境内を歩く。大小の石仏(羅漢様)が目立つ。昼間は観光の人で人込みとなるところのようだ。石切り場の最高部が地獄のぞきでここはかなり怖い。

手持ちのおおざっぱな地図では鋸山へのハイキング道がわからなかった。うろうろして結局下山。
海岸線をドライブして野島崎灯台経由鴨川。グリーンプラザホテルにイン。洗濯岩のような磯に太平洋の荒波が押し寄せる。潮騒がうるさいほど。
鴨川。伊豆にも負けない海岸
きれいな海岸線。保田側にも埋もれた採石場がある

地獄のぞき。石切り場最高部かな

三浦半島に似た森
鋸山の展望台


5日 水曜日
外房鴨川から内陸を横切るようにしてドライブ。小さな峠をいくつか越えてふたたび内房金谷の鋸山へ。
今日は有料登山道(1000円。駐車代込み)を上がる。車を降りて鋸山ロープウエー山頂へは10分ほど。ここに鋸山山頂の標識があるがこれはにせもの。三角点のある鋸山はここから稜線を北へ行ったところにあるはず。うろうろするがここにもハイキング道はない。

結局、日本寺に入り北口を出て下ったところで浜金谷からのハイキング道と合流することがわかった。
11時ころ百尺観音から石段を下ってようやくハイキング道と合流(車力道。採石を二輪車で搬出した)。ふるさとふれあいの道とかの標識がある。ハーケン連打の古いクライミングルートも発見。人口登攀の時代の遺物のようだ。

古い石切り場をいくつも越える。あちこちを向いた垂直の断崖は日が射すと巨大なアートのよう。鋸山(乾坤山)では江戸時代から昭和50年代まで採石されていたという。200年間の石工の仕事のあとが年輪のように残されている。その興亡史は下の『ヤマさイガねが』のレポートでだいたいわかる。
石切場の岩は砂岩で三浦半島の鷹取山と同じ地層だという。いまはクライミングゲレンデにもなっているがもともとは石切り場だったはず。ちなみに大谷石も同じ地層らしい。

昼過ぎに鋸山山頂。小さな山頂標識と三角点があった。途中の小ピークからの展望は素晴らしい。地球が丸く見えるピークだという。海岸線の曲折は複雑で美しい。
ひとやすみして往路を戻る。

房総の山や海岸線は伊豆半島とは似て非なる趣があってなかなかなものだということがわかった。
日本寺の北口番人によると、今年の春先に鋸山で二人が遭難した。道迷いして崖から落ちたという。低山ハイキングだからといって甘く見るのは禁物だ。

金谷から館山道経由アクアラインで夕方帰京。千葉の山は案外近い

参考
鋸山へは、内房線浜金谷駅から歩いて往復するのが一般ルートのようだ。車なら浜金谷駅近くのパーキングに停めるのがよい。
ロープウエー駐車場にとめて山頂駅から日本寺に入り、北口を下ってハイキング道と合流、もできる。
日本寺の大仏側(東口)か有料登山道口の駐車場に車をとめて、やはり日本寺北口から鋸山を往復することもできる。
日本寺の大仏側(東口)の駐車場は無料だからここから日本寺を見学して、鋸山を往復すれば1日楽しめるし600円の入院(拝観)料だけですむだろう。

鋸山の採石古道探検のレポートが参考になる。オブローダーの「やまさいがねが」さんのサイト。その勇敢なフィールドワークと考察に驚く。
ヤマイガ
http://yamaiga.com/road/nokogiri/main.html

注 オブローダーとは
道路趣味者の中でも特に廃道を好んで探索・調査をする人のこと。「日本の廃道」の造語。
“obsolete([英]すたれた)”から。廃道を「オブロード」、廃道歩きのことを「オブローディング」ともいう。



日本寺百尺観音