10.24.2001

黒部下の廊下カヤック

黒部下の廊下
第二下降

photo by Hiroshi Kawasaki 川崎 博
 こんにちは。10月24日から27日にかけて、黒部下の廊下のカヤックによる第二下降
が5人により行われ、成功いたしました!(第一下降は12年前モンベル辰野勇による)

 私もサポート隊として当初全日程参加予定でしたが、仕事の都合上、25日まで参加
いたしましたので、その間のレポートをいたします。
 カヤック隊5人は皆、地元関西にて日々練習をつむエキスパートカヤッカーです。
またサポート隊には、クライミングの技術やボッカが必要でしたので、クライマーの
協力もいただき、10人になりました。カメラマンの川崎博氏と私のスキーの先輩の小
俣氏にもご協力をいただきました。
 カヤックの搬入方法は、扇沢より23日深夜トローリーバスの道を専用の台車にカヤッ
クをつけて、テクテク歩き運び込みました。わずか1時間でいけました!
 カヤックをなぜこの時期やるのかと言いますと、黒四ダムが10月16日より放水を終
了している為、比較的グレードが下がるからです。と言ってもクライミングで言う5:
14から5:12になるぐらいか?
 下降初日、黒四より新越沢出合いは、1っ所以外は簡単なコースでした。その一ケ
所の滝壺の中に、1人巻き込まれ30秒ほど出て来なかった時は肝が冷やされました。
このセクションは前回下降されていませんでしたので、ファーストディセント(1人)
になります。
 
 二日目が今回の核心部です。別山谷出会付近のスノーブリッジ内部の下降(2時間
後に崩壊しました。危なかった-。)、白竜峡の12~13Mの滝落ちや多数の5Mクラス
の滝落ちまで見届けて帰路につきました。その後報告によると、数回のトラブルが発
生したそうですが、S字峡の多数の滝落ちにも成功して、無事欅平よりトロッコ電車
にておりました。
 今回の件は、雑誌紙面やモンベルにてスライド/ビデオショーにて発表する予定で
す。お楽しみに。
 by watanabe kenji 

10.18.2001

具志頭ボルダ

具志頭(ぐしかみ)ボルダーclimbing
手がいたた
投稿者?

10月18日に沖縄を旅行したついでに今ブームのボルダリングエリアに行ってきまし
た。
場所は具志頭(ぐしかみ)ボルダーエリア。
那覇から車で1時間弱くらい。
磯浜のビーチにたくさんの琉球石灰岩が点在しています。
どれもかなりかぶっていますが、ホールドが大きいものが多いので楽しく登れます。
ランディングは場所によりますが、おおむね砂地で良好。
岩はガビガビでとがっていて痛いので、指には徹底的なテーピングが必要です。
チョークの必要性はあんまり感じませんでした。

このほかにも、浜比嘉島というところのビーチでもボルダリングしました。
これはエリアとして紹介されていないところです。
沖縄の海岸にはたくさんの岩があるので、沖縄旅行を計画している人はクライミング
シューズ+テーピングテープを持っていきましょう!

ちなみにトポは以下のHPに詳しく載っています。
http://sqeez.virtualave.net/gushichan.html

10.13.2001

湯河原幕岩蒸し

湯河原幕climbing
湯河原幕岩蒸し蒸し報告

10/13土曜日帰り。けんじさん&chuでまだまだ蒸す湯河原幕岩。

ここんとこ疲れが溜まっているので、午後発でハイキングみたいなエリアへ。

”オリンポスの丘エリア”(駐車場から20分くらいかかるよぉ~)
5.8~5.10aまで、6本のルートをかわりばんこにリード。
低グレードですが、好ルートばかりです。
ことに、カサンドラ5.9は、メッチャ楽しいルート。リード初心者はきっと大喜びしますよ。
しかも、下は大混雑なのに、別世界のがらすき。
ただし(おいしい話には・・・の典型か?)、足場が不安定な傾斜地です。FIXがありますが、
ビレイや移動は慎重に。

10.07.2001

長谷川恒夫カップ

日本耐久レ-ス
長谷川恒夫カップ

10月7・8日 isidera
日本耐久レ-ス 長谷川恒夫カップに参加してきました。 

ハセツネは、今年で2回目の参加ですが、とても不思議なレ-スです。奥多摩全山縦
走71.5kmを24時間以内に走る(歩く)やや過酷なレ-スで、私の場合、走って
いる間はとにかく早く終わって欲しい、そのことばかり考えています。 10月初旬
の奥多摩だと、紅葉もまだまたですし、スタ-トも午後1時ですので、すぐに暗くな
り、景色を楽しみながらといったレ-スでもありません。  しかしながら、不思議と
レ-スの翌日なると来年も参加しようと思ってしまう魅力?があるような気がしま
す。 参加料は9000円と高いのですが、良くオ-ガナイズされたレ-スだと思いま
す。 完走率66%くらいです。

結果ですが、15時間44分(183位)と昨年より2時間ほど遅い結果でした。昨年は、絶
対完走したいとか、その内アドベンチャ-レ-スに出場したいとか、会社の仲間と
いっしょに参加するとか、森夫妻が参加したことがあるとか、色々モチベ-ションが
あったのですが、今年はいろいろあり、当然練習にも身がはいりませんでした。その
結果、早い時間から足がつってしまい、休みを多く取った分、給水所につく前に水が
なくなってしまったり予想外の展開でした。 ただ、完走できたのでその部分では満
足しています
来年は、ArCでエントリ-したいと思っています。 どなたかいっしょに参加しません
か。

石寺一隆

9.30.2001

大ヤスリ岩/夢のカリフォルニア

大ヤスリ岩/夢のカリフォルニア
日時調査中

・ルート
大ヤスリ岩/夢のカリフォルニア3P(5.10-、5.7、5.10)+ハイピ-ク・ルート上部2P(Ⅲ+、A1)

・メンバー
pika&chu

・内容
日帰りはきついので、前夜、大泉ラッセル邸泊。AM5:00起き、6:00出。
増富温泉経由で瑞牆山荘へ(40分)。
7:00発。金峰への登山道を辿り、富士見小屋から瑞牆方面へ左折。
取り付きは登山道沿い。明るく明瞭。8:40着。
頂上は間近で大勢のハイカ-が見えます。

ルートは大ヤスリの前衛に位置するナイフピークの南壁に入ったクラックです。
現在7つのクラック・ルートが開かれていますが、殆どがワイドの要素を含んでいて、wildです。
その中で、レイバックを駆使する”夢のカリフォルニア”はスポーティなイメージがあって、長い間、
僕の心を捉えていたートの一つでした。

1P目、chuリード。5.10-の美しいフレークが10mくらい続きます。
寝てるように見えましたが、スタートしたら、パワー全開でした。
2つキャメをとったあとフォール。これで怖さが消えました。
あと2つありがたいキャメ#4と、トライカム#7をsetして気の抜けないオフィズスから、ビレイ点へ。
レイバックは右引きなのに、どういう訳か右手でカムをsetしないと、バランスがとれず、つらかったです。
腕が張ってしまったので、2P目をpikaにゆだねました。
ここは快適なハング(5.7)からハンドクラック(5.7)を抜けて、外傾テラスのビレイ点へ、20m。
3P目、1P目同様の美しいフレークで、上部がハンドのコーナーになっています。
2P目のハング越えのポイントから見えたこのラインは、日本離れしていて非常に印象的でした。
pikaは、出だしのオフィズスに少し手こずりましたが、フレークのレイバックをこなし、コーナーを使って巧みにレスト。
抜け口のハンドを持ち前の粘りでうまくこなしてオンサイトしました。
でも、本人は中間部に2本リングボルトがあって、これにクリップしたことに少々気がとがめていたようです。
(大きなカムのなかった頃は、他にプロテクションは取れなかったんでしょう)

ビレイ点のすぐ上が、ナイフピーク肩のテラス。
大ヤスリは目前ですが、手前のルンゼ状広場にいったん5mラッペルします。
大ヤスリ側の簡単なクラックからチムニーへ入り(Ⅲ+、20m)、
2ポイントのエイドで大ヤスリのテラスへ。
瑞牆のピークや、登山道を行き交うハイカーのおじさん、おばさんたちのあたたかい(?)声援にマメに手を振りながら、
恐ろしいスピード(20分!)でpikaが大ヤスリの先端へ(40m、A1)。
20年前の”聖子命”は消えていた!!(これ分かるひと、いるかな?)

経歴不明のビナ一個で、ラッペルするのは気が進まず、コングの”人食いビナ”をドネーション(これも25年モノだけどね)。
大テラスからは北側(本峰側)に15mほどのラッペル(しっかりした支点あり)で登山道に戻りました。
取り付き着13:00過ぎ(正確な時刻は忘れちゃった)。
予報はあまりよくなかったけど、時々日も差し、概ね暑からず寒からず。

ケイタイから下界はどこも大雨(アフガンには爆弾の雨)という話が伝わってきました。
僕達は今日もラッキーなクライミングができました。僕達は好きなことやっていられる世界にまだいます。
でも、そうではないひとたちが大勢いることが、いつになく気がかりになりました。

以上

追記>下山途中で、なんとオコジョと対面。実物をこんな間近で見るのは初めてで、感激しました。

9.29.2001

奥日光ハイキング

奥日光ハイキング
冠水した小田代原を訪ねる
 
松倉一夫
 9月29日、土曜日に、奥日光の小田代原に行ってきた。今年は台風の大雨の影響で、
湿原に満々と水がたまっており、これまでに見たことがない珍しい小田代原の姿に触
れることができた。
 自宅を朝5時40分出発。まだ本格的な紅葉シーズンは迎えておらず、渋滞もなく赤
沼茶屋には7時20分に到着。駐車場はすでにかなりのクルマが止まっており、奥の方
に駐車スペースを見つける。
 身支度を整えて7時25分に出発。ミズナラの森は所々黄色く色づきはじめているが、
まだ二分といったところ。途中、戦場ヶ原展望台から草紅葉と太郎山を展望。周囲が
カラマツ林になると小田代原も近い。鹿よけの電気柵の内側へ回転扉を抜けて入る。
時計回りに進むと、じきに電気バスが走る車道に出る。
 話に聞いたとおり、まるで湖のように湿原が冠水している。車道脇の斜面には写真
愛好家が4人ほど、一本のシラカンバ、貴婦人や湿原に光が射し込むのを待って三脚
を立てている。高い位置に上がると、水面に映り込む木々が美しい。まさに水鏡その
ものだ。それにしても、これほど冠水してしまって高山植物のダメージはどれほどか
と心配になる。夏場はホザキシモツケやハクサンフウロ、野アザミがきれいだ。
 写真を数枚とり、車道をたどること5分ほどで、8時30分、小田代原のバス停前に
到着。再び回転扉で電気柵の内側に入り木道をたどる。冠水は木道の際まできており、
木道がなければ先を進めないほどだ。
 進むに連れ、男体山や大真名子山、小真名子山、太郎山がよく見えてくる。紅葉し
始めた木々が水面を挟んで上下にシンメトリーを描くようにくっきりと写っている。
 小田代原の最奥まで進むと、水もなくなる。笹原とススキ、草紅葉が美しいグラデー
ションを見せ、その向こうに貴婦人と男体山が映える。
 回転扉で小田代原を抜けると、泉門池へと向かう。途中、大きな沢状の切れ目が現
れる。以前はそれほど深くなかったが、今回の大雨で削られたのだろう。幅は1mほ
どだが、深さは3~4mありそうだ。
 しばらく進むと、大きなこぶの目立つミズナラの大木が現れる。ここを過ぎるとゆ
るやかに下っていき、じきに分岐となる。左へと1分ほどで泉門池となる。地中から
湧き出す小さな池にはマガモが悠々と泳いでおり、男体山が望める。テーブルとベン
チも用意されており休憩にちょうどいい。まだ9時40分と早いが、朝飯も少ししか食
べていなかったので、ここで昼食とする。おにぎり2個とミカンを食べ、9時55分、
湯滝へと向け歩き出す。
 整備された木道を進むと、じきに湯川沿いとなる。ゆるやかな流れには釣り人がけっ
こう入っている。20分ほどで分岐となる。湯滝へは左へと橋を渡って進むと1km、まっ
すぐ湯川沿いに進むと400mとの案内。左へと橋を渡る。橋から正面に小滝が望め、
釣り人が中に入り込み、竿を振っている。
 一度小さく登って、ミズナラの森を行く。途中、直径1m50cmはあろうかというミ
ズナラの巨木に出会う。このあたりのマザーツリーといったところか。さらに進むと、
右下に見事なカツラの巨木が見えてくる。根元から枝分かれした姿がいかにもカツラ
らしい。ここから1分で湯滝だ。10時33分着。
 展望台から湯滝を眺め、茶屋の前を抜け、赤沼方面へと進む。400mで小滝の脇
を通り、先ほどの分岐だ。往路をたどり泉門池に戻る。ここから戦場ヶ原を抜け、赤
沼茶屋へと向かう。ミズナラの森を抜けると、左手に男体山、大真名子山、小真名子
山、太郎山が広がり気持ちのいい木道歩きだ。駐車場には11時35分着。
 時間も早いし、他を少し巡ろうかとも考えるが、かなりクルマも増えている。いろ
は坂の渋滞を考え、下ることにする。途中、日光市内のやしおの湯で汗を流し、午後
1時半過ぎに帰途につく。帰りはいつもながら、日光杉並木の道を通り、鹿沼ICま
で走る。杉並木は規模こそ小さいが、アメリカのレッドウッドハイウエイを彷彿させ、
とても気に入っている道だ。帰りも渋滞に会わず、4時過ぎに帰宅。

9.08.2001

西湖の岩場開拓10回

サイコの岩場 マイ・ゲレンデ
  サイコのトポはこちら
 
9月8日
池の内潔 汽車
小屋から小1時間。西湖のキャンプ場に近付くと青空がのぞいてきた。小屋のあたりは小雨だったのだが、あのあたりはいつ
も天気がわるい。
突き当たりに車を置いて林道を10分、樹林帯のなかの急なクライマー道をあえぎ登ること10分。明るい岩場の基部にでる。
鷲の巣(とうのす)岩とか言われていると古いガイドブックに書いてあったが詳細は不明。
正面に大きなスラブがあって、その右に小沢をはさんで岩塔がそびえる。岩場は南面にあって、日が当たると暑いくらいだ。
1時ころから登り始める。
西湖が光っているのがみえる。富士山も見えるらしいが、台風接近の今日は厚い雲の中だ。
スラブ壁を交互に登る。
5級、5.9、10a、10aと勝手にグレードをつける。
リングボルトが多いがところどころに新しいボルトもある。終了点はよく整備されている。ボルトを打ちかえると安心して登れ
ると思う。
小谷のアウトドアスクールのスタッフ5人が登ってきてトップロープで研修?を始める。運動靴。全員。登るのは女性スタッフひ
とり。
ぱらぱらとしてきそうなので4本でおしまいとする。
スラブ壁には10本ほどルートがあるようだ。広沢寺ゲレンデの倍の大きさか。
岩塔のほうは2ピッチあってほんちゃん風のようだ。
先週ハーフドームを登ってきた池の内氏は日本的な岩場に感心していた。
半日クライミングが楽しめるのがよい。こんどカラファテでボルトを買ってこよう。
by kisya

9月23日
member おまた かわさき 汽車
雲ひとつない好天。初冠雪の富士山が素晴らしい。
朝飯をゆっくりとりサイコ方面へ。11時には岩場の下にいた。
前回トライできなかった正面壁の左2本を登る。
それぞれ30メートルあって、左が10b、右が10a,スラブである。
リングボルトが打たれていてルートは明瞭。50メートルロープだと足りない。
懸垂は2pになる。
午後は右壁の前回登った5.9と10aを登る。おまたさんが5.9を初リード。
正面壁には都合6ー7本のルートがあることになる。
ノーズダイレクトともいえる正面ルートがあいているようでここにボルトを打ってみたいものである。
日が傾いてきて富士山がますます素晴らしい。サイコも。今日は一日中雲が湧くことはなかった。
まれにみる初秋の好日であった。5湖の観光エリアはマイカーの洪水状態のように見えた。

サイコ3
ボルトを打った
9月30日
メンバー いけのうち、きしゃ くろ

午後から雨になるという。いかにもそのような気配の朝である。
あり合わせのボルトが10数本ある。ペッツエルの10ミリ径60ミリ長のものである。サイコゲレン
デにぴったりのものだ。11時過ぎに岩場についた。
おっと、といういけのうちさん。ハーネスを忘れた、とかでシュリンゲで自作する。
あいている正面ダイレクトをトップロープで登りボルトの位置を決め、ぶらさがりながらあっという
間に5本を打つ。ふたりが交互に登って新ルート完成。ノーマル右5.9としよう。先週おまたさんが
登ったノーマルは5.9というのはまちがいで先々週5@級としたもので、ま、5.7とでもして
おくのがよいかもしれない。いずれ要所のボルトをペッツェルに変えよう。
ノーマル左は10a.。いけのうちさんが錆びたリングボルトのかわりに3本新打ちして整備。そのころには小雨となった。
あと30本ほどペッツェルボルトが必要かもしれない。

サイコ4
メンバー いけのうち なべ 汽車 ひろみ くろ まいら
10月6日
先週まであったアプローチの鉄橋がはずされていて、山道を少し歩かなければならなくなった。
土曜日とあってゲレンデはにきやかだ。企業研修生を連れた小谷の学校がきていた。ルートを登ると拍手
がわくのがへんだと思っていたのだ。あっというまに去る。どこかの山岳会10人ほどもきていた。
「ザイルダウン!」
とか言っていた。中年と若い女性たち。下のキャンプ場に滞在しているらしい。リッチなオートキャンパーでも
あることがあとで分かった。
正面左の2本を整備した。9か10a。どちらも30メートルほどの長いルート。間にもう一本ルートがある。コ
ケっぽいので手をつけなかった。あっと
言う間に時間がたって暗闇の中を下山。夜なべちゃんがやってきた。今夜のメニューはトン汁と野菜炒め
10月7日
昨日とおなじメンバーが岩場にいた。さらにボルダリングのマットを持った若者グループもいて大賑わい。その
うち白人グループもやってきて岩塔のマルチを上りだした。
正面の小ハング直上にボルトをうつ。5本のルートがぴかぴかのfixe(イタリアの金具)で整備されたことになる。岩塔ルートは
3pほど。昨日も今日もパーティがとりついていてまずまず安定しているようだ。アルパインクライミングのよ
うで面白そうだ。こんど登ってみよう。あちこち登った。チキン照り焼きとごーやちゃんぷるを作る。
10月8日 
ヒロミさんとマイラ(犬)がやってきた。ロープをはったところで雨となり敗退。予報よりやや早い雨の訪れで
あった。クロとマイラが仲良くあそんでいた。吉田ヤナセ向かいのうどんを食して解散。


サイコ5

10.13
ikenouchi endo kisya くろ
素晴らしい秋空の日。のんびり出て取り払われた橋にかわる回り道をかまなたで整備
しながら岩場には昼着。誰もいない。
左エリアの三段ハングとその左のダイレクトを整備する。トップロープで試し登りし
てボルトを打つ。池ノ内枯れ木がおれてずこっけるハプニングあり。三段ハングは完
成。イモにで酒盛り。
10.14
ikenouchi endo nabe kisy くろ
今日も絶好の秋日和。岩場には今日もだれもいない。風もなくおだやか。湖にはボー
トやウインドサーフィンが浮かぶ。
なべちゃんがきて昼前に全員集合。左エリアの右既成ルートを登る。見た目より難し
い。10ありそう。左ダイレクトにトラバースしてボルトを打とうとしたらバッテ
リー切れであった。昨日バッテリーを充電するのを忘れたため。ここは10びーの予
定。池ノ内の三段ルートをみんなで登る。1
0しーはあるか。下から見た感じよりもぼろぼろの岩であった。汽車オンサイト。
左ダイレクトのとなりのハングルートを試し登りしたいけのうちいわくここは11あ
りとのこと。掃除する。


サイコ6
いけのうち 汽車 クロ
10.27
絶好の秋日和である。富士山は紫色に輝き、てっぺんあたりは何度目かの雪で薄化粧している。近所の黄葉はカエデの類か。透過した光がやわらかい日差しを庭におとしている。葉形はカエデのようだけれど、黄色くかわるカエデもあるのだろうか。垣根のあたりのドウダンツツジは真紅に色をかえて今がいちばんよいときのように見える。風はいくらかあるが、陽気はぬくぬくとしていて、こんな日ならだれでも幸せな気持ちになれるにちがいない。クロは、朝日をあびてベランダにべったりと腹をつけてうつらうつらしている。敷物になってしまったようだ。いまがいちばんよいとき、と思っているにちがいない。だれでもクロのように考えられれば人生は言うこと無しだ。
作りおきの雑煮スープに七輪でもちを焼いていれる。
夜中に到着したらしい池のうち氏がのんびり起きてくる。手酌で深酒をしたのか、ああーとかううーとか言っている。
朝飯をすませ、クライミングの道具をガチャガチャ言わせて整理し、電動ドリルのバッテリーを充電し、そういえばいまのうちにやっておこう、と水道管に凍結防止のヒーターをまき、そういえばこの不凍栓もと思いつき、かがまなくても開け閉めできる孫の手方式のハンドルをとりつけ、してやったりとその成果をよろこぶ。畑に立って、冬も近いというのにいまだ未成熟な大根たちを、この後どうしたらよいものか、などと考えたりしているうちにいよいよ日が高くなってきた。
「そろそろ出かけようか」と車のエンジンをかける。クロが飛び乗ってくる。
予想に反してすいすいと湖畔の観光道路をドライブして30分ほどでサイコの駐車場に到着。いつものように急な山道を大汗かきながら、岩場の基部につくころには11時になっていた。クロも水筒の水をがぶがぶと飲む。
今日の仕事は新しいクライミングルートを作ること、その3である。先週のうちに大体見当をつけておいた岩場上の仮想のルートに安全確保用のボルトを打ち込むこと。そうすることによって、だれでもトライすることのできるピカピカのクライミングルートが完成するのだ。朝方用意した電動ドリルは充電式のバッテリーを使う野外用で、ボルトの穴を岩にあけるためのもの。重い思いをしてここまで持ち上げたのである。
あまり人の世に知られていない事実についてお伝えしたい。
地表部分の堅い岩石が露出して絶壁となっている自然地形が国内あちこちに存在する。一般には岩場とよばれるのがそれだ。そしてそこが登山道や林道の近くであるのならば、そこには必ずといっていいくらいクライミングのルートが作られている。なん十年も昔から日本中の岩場にクライミングの愛好家がルートを作ってきた成果がそれである。そのつもりでそれらしき岩場を見あげれば上にむかって一列に延びるボルトやハーケンなどを発見できるはずだ。それがクライミングルートである。一般の人の知らない事実であろう。
岩壁があればそこでロッククライミングすることが可能だ。ただしそこがぼろぼろの崩れやすい岩場だとクライミングを楽しむには危険すぎる。落石などの心配のないしっかりした岩場を発見したら、土や泥などでを落し、コケなどは剥がして、金ブラシでクリーニングする。その後、安全確保用のボルトを打ち込んでルートとする。これがロッククライミングのルートを作るということの必要充分な説明である。
作られたルートを初めて登るのが初登攀。初登攀するのは普通はルートを作った本人であることが多い。初登攀した人はそのルートとそのグレードを世界中に発表できることになっている。そのルートに自分の好きなように名前をつけることもできる。自分の子供に名前をつけるようなものである。そういう伝統がロッククライミングの世界にはあるのである。
日本中の岩場にクライミングルートが作られてしまった現在、もう新しいルートの制作は不可能かといえば、それがそうでもなく、いまでもあちこちで愛好家たちは新しいルートを作りつづけている。辺境の岩場や林道から遠く離れた岩場、山の上の岩場など、あるいは有名な岩場の脇や、日の当たらない裏側、にいまでもクライミングルートはつくりつづけられているのである。

今回のわれわれプランは、知るひとぞ知る古い岩場、山梨県のサイコ湖畔にあるサイコ、そのメインゲレンデの脇や日の当たらないその裏側、あるいは既成ルートと既成ルートの間に、新しいルートを作るというもので、およそ10本のルート制作が計画されている。われわれは先週と先先週とその前の週、さらにその前…、すでに5本のルートを作ってきた。
今日はぼくが1本、池ノ内氏が1本、屏風のようにヨコに広がるサイコの岩場のもっとも西の端に、新ルート完成のためのボルトを打つという胸おどる日なのである。湖は銀色に輝き、そびえる巨大火山は反逆光の美しいシルエットをひろげている。さきほども申し上げましたが、すでに先週のうちに仮想のラインは考えられていて、コケなども落とされ、金ブラシとハンマーで、指や手に危害を与えそうな粒子やもろい岩角などは処理されていて、あとはボルト打つばかりの状態。サイコのもっとも西端にあるこの新エリアは、本日、われわれの到着をいまや遅しと待っていたのである。
ドリルやボルト、ハンマー、そのほかいろいろを身につけて仮想ルートの最上部へ登る。ロープにぶらさがりながら、ドリルで岩を穿ち、ボルトを入れて、レンチで締める。錆びとめをほどこしたボルトが灰色系稀褐色の岩場に銀色の星のようにキラリと輝く。岩壁のすぐとなりでは作業用の革手袋をはめた池ノ内氏がもう一本のロープにぶら下がりながら金ブラシで岩を磨くことに余念がない。声をかけるが返事がない。金ブラシ作業に全身全霊で没頭しているのだ。けっこう変わっている人かもしれない。
ロープ伝いに下りながらたちまち7本のボルトを取り付けた。新ルート完成。
ドリルを池ノ内氏に手渡し、こんどは彼がとなりの仮想ルートにボルトを打つ番だ。再び最上部に登り返し、同じようにドリルで穴をあけボルトを埋め込んでいく。
ぼくは折りたたみのノコギリとカマを出して登り口付近のヤブやら草などを刈り込んで、整理し、あまつさえ整地まで始める。
電動式ハンマードリルの機械的な轟音が岩肌にこだましている。池ノ内氏もまたたくまに4本ボルトをとりつけたようだ。見上げると5本目の穴をあけようとしている。そのときドリルが急にか弱い声に変わる。
「ちっ。バッテリー切れだ」岩場を足蹴にして悔しがる池ノ内氏。あと2本で新ルート完成だというのに。一度小屋に戻って充電しないかぎりドリルはもう動かない。
岩場で地団駄する池ノ内氏に言う。
「ま、しょうがない。残りの2つのボルトはまた次回」
しばらく休憩とする。クロは山が好きだ。あちこちくんくん鼻をならしながら散歩している。ケダモノの匂いがするのだろう。チーズと水をあげると、こんどはごろりとヨコになって昼寝を始めてしまった。全山錦秋、落葉して明るくなった森の中へは日が差し込んで下草の紅葉はいっそう鮮やかだ。
今日始めにぼくが作ったルートを登ることにする。ボルトが打たれたから安全に登ることができる。ロープをハーネスにつけてまず僕がトライ。安全は確保されているとはいえ、ボルトより上部で落ちればそれなりの距離を墜落するわけだから慎重に行く。池ノ内氏は下でロープを握りぼくの動きに合わせてロープを繰り出している。
「……」
「……」
二人とも声はない。
いくつかの手がかりや足がかりはボルトを打つ時に確かめてあるから、その点安心だ。難しいと思われるところの動きはその時に研究もしてある。
下からみるとカンタンに見えたところが意外とむずかしい。ぼくをロープで安全確保確保している池ノ内氏が両足の間から小さくみえる。

足が震えるような難しいところが2箇所ほどあった。なんとか墜落せずに5本目のボルトを越えると、見上げているはずの池ノ内氏は岩の下で見えなくなった。
息があがっている。最後のボルトにロープをかけると急に傾斜がおちて、あとはカンタンに終了点に到着した。
一息ついて振り返ると富士山が大きい。湖には小さなボートがなん十も浮かんでいる。へらぶな釣りの舟のようだ。
ロープ伝いにするすると下る。
「やったね。オメデトウ」池ノ内氏がうれしそうだ。
つぎは池ノ内氏が登る番。
ロープをハーネスに結びつけながら聞いてくる。
「グレードは?」
グレードは難しさのことで、5から,15まである。15が現在世界でいちばん難しいクライミングルートのグレードである。この数字は世界で通用する基準なのである。
「10くらいかな」ぼくが答える。
池ノ内氏がぼくよりもあきらかに慎重に登りはじめる。慎重だが迷いはない。ゆっくり確実の登っていく。ボルトに正確にロープをかけながら登っていく姿に見ているほうも安心感がわいてくる。
さすが永年世界のあちこちでクライミングを経験してきたエキスパート。核心の部分をあっさり越えて姿が見えなくなった。しばらくして「オーケー、登ったよ」の声が頭上から聞こえてきた。
池ノ内氏が再びロープにすがってするすると降りてくる。
息を弾ませることもなくニコニコ顔で言う。
「グレードは10だね。いいルートだよ。名前はなんて付けるの?」
まだ考えてない。「こんどまとめて考えようよ」と答える。
日が傾いてきた、湖が金色に輝き始めている。急に冷えこんできた。今朝、水道管にヒーターをまいたのは正解だった。
店じまいの荷物をまとめながら池ノ内氏がいう。
「もう一回だね」
バッテリー切れでまだ2つのボルトが打たれていない。来週もまたここで仕事しなければ。
「さっき観察していたら岩場のもっと西端にもまだルートが作れるみたいだ」もう仮想ルートを考えているらしい。再来週の仕事もありそうだ。
それにしても、池ノ内氏は都会ではどんな仕事をしているのだろうか。なにしろ、ここ1.2ヶ月というもの週末という週末はこの岩場で過ごしているのだから。彼の仕事はともかく、クライミングルートを作るということが大好きな人であることは間違いないようだ。クライミングルートを作る仕事はもちろん一銭にもならない奉仕のような仕事なのだから。時間とボルトなどすべて自己負担。好きでなければできない土方仕事である。好きだとはいえ、先先週など、ボルト打ちの最中、つかまっていた枯れ木が折れて数メートルでんぐりかえって墜落するハプニングまであったのだ。ルート作りは命がけなのである。池ノ内氏はやはりちょと変人かもしれない。
古いロッククライミングゲレンデ、サイコ。クライマーが訪れることもまれな忘れられたゲレンデ。新しいルートが作られることによって、またクライマーが少しずつやってくるのかもしれない。
あたりが暗くなってきた。クロがしきりに帰りたがっている。秋の夕暮れはつるべおとし。突然ひらめいた。そうだ、今朝かた、頭を悩ませた畑のいじけたダイコンは明日にでも収穫してタクアン漬けとしよう。名案に満足して暗くなりはじめた急な山道をかけおりた。


サイコ7
11月4日
いけのうち きしゃ くろ
昨日は駐車場までやってきたら雨になった。
駐車場の周辺はオートキャンプ場と別荘地になって
いる。サイコ一周のドライブをして帰荘。おそらく駐車
場のあたりは根場という集落だったようだ。小学校の跡地をさが
すがいまいち判然としない。古い石垣の上にたつあたらしめの別荘が不
釣合いに見える。今根場というのは、対岸の西湖民宿村となっているところ
を言うらしい。46年の水害で集落の名前ごと引越ししたらしい。民宿村ははたし
てそのような立地のところにあった。区画整理された敷地に民宿がずらりと並んでいる
。古い土着の民家というものは一切ない不思議な村である。無理やり作られていると言う感
じであった。ブリダイコンを作ってみる。かなりの味であった。ミネストローネスープが大量に
できてしまった。増量したカレースープもひとなべできてしまった。なべ長者である。

 さて昨日とはうってかわった秋日である。富士山は7合目までたっぷりと雪を積もらせた
。根雪になりそうだ。紅葉は湖畔に向かって駆け下りている。
バード10bを登ってロープをたらし、11のルートにボルト
を打ち足す。いけのうち、汽車が登ってオンサイト
。そのバリエーションルートに3本を打ち足
し一本とする。トップロープでトライし
たがここも11ありそうだ。リードし
たくないルートであった。
北北西に進路をとれの
2p目を偵察するが、
ルート作りはたいへん
そうだ。また次回考え
よう。
ルートが作れそうな所
はおおむね作ってしま
ったということか。

サイコ8
11月11日
金森 柏 いけのうち きしゃ くろ 

快晴。前日の雨で富士山4合目まで真っ白。秋空に純白の化粧が映える。
西湖自転車レース開催とかで時差的通行止めがあり、それでも11時過ぎに
は岩場にいた。地元山岳会の救助訓練が開催されていて十数人がいた。ウイ
ンチまで設置している。
未登の緑の森エリアのアルパインルートの2pを登る。前回のぼった1pと
あわせるとリッパなルートである。正面スラブの5.8を登る。5.10といって
もおかしくない。
金森夫妻はヒッチコック10bなど数本を登る。
夕方、未登の岩塔2pを登る。1pはエプロンで、2pは40メートル。交
互に登る。もろい岩壁でヒヤヒヤのアルパインルートだった。
夜は、5.13鍋とチキンクリームシチューで夕食をとりました。


サイコ9
11月16日
いけのうち きしゃ くろ かとう

小淵沢のactメンバーのかとうさんがやってきた。先週は足元まできて岩場を発見できず
合流できなかった経緯がある。
小屋の朝はマイナス5度まで下がった。秋色は湖畔にまでやってきた。晩秋である。
昼から森の緑のアルパインの左の直登ルートを整備する。
トップロープで登ってみる。出だしのハングはガバがあって容易。中間部は快適。最後の
フェイスが強敵。フェイスはコケもあって大掃除しないといけない。終了点を2段階にする
とよいかもしれない。下部は10a,フェイスは10cはありそうだ。
夜は、イタリアンでワインがおいしい。

11月20日?
ちゅう、けんじ
全部は登れなかったけど、感想などを書きます。

・アプローチ
けんじさんが来てくれました。Pから屋根岩みたいに全貌が見えて、思っ
ていたよりもでっかいので驚きました。
Pから30分強かかりました。最後の堰堤からの登りは、落ち葉が滑って
結構シンドイですが、fixロープでずいぶん助かりました。

・取り付き
割と安定していて、いいです。景色抜群。日当たり最高。申し分ないです。

・ルート
3つの壁をそれぞれ登りましたが、全体的に低レベルグレードほど辛目に
感じました。
一般にグレーディングは、要素が整理されていませんし、クライマー間で
の明示的なコンセプトもありません。
ゆ~じがクリプトナイトをRPしたとき、14dはないということを云い
ました。
彼でさえも、そのときの主観で一過的にグレーディングするわけですから
、公平な評価はかくも難しいのだは思います。
でもスポーツルートの開拓者は、今後取り付くクライマーのレベルについ
て充分に注意深い必要があると、僕は思います。
だって、危ないですから。

以下、登ったルートごとのコメントです。右の方から。

①ノーマンベイツ10c・・・1ポイントのみ。限定は気になりません
でした。
②アンソニーホプキンス7・・・おもしろいです。、5.8に感じまし
た。5.9でも文句ないです。
③ジャネットリー8・・・とってもおもしろい!! 5.9に感じまし
た。10aとしても文句ないです。出だしにもう一本ボルトがあっても
良い
と思いました。
④サイコ9・・・ルート名通り、異常に怖いルートでした。けんじさん
には薦められませんでした。ボルトをもう3本ほど足して欲しい気がしま
す。グレードは5.9なのかもしれませんが、修正が恐ろしくて、10
aを感じました。壁が思いっきり寝てますので、どのクリップに失敗して
も、ロングフォールになってただごとではすまない気がします。
⑤ヒッチコック10b・・・とってもおもしろい!!ここのところ甲信
の岩場へばかり行ってますが、それらの水準と比較してもこのルートは
抜群
に高品質です。けんじさんがぎりぎりでOSしたことからも適正グレー
ドだと思いました。発表されれば人気ルートになりますね。
⑥ダイヤルMを廻せ11a・・・パワフルでおもしろい。適正グレード
だと思いました。
⑦引き裂かれたカーテン11b・・・チンケ(ごめん!)ですけど、見
た目よりもおもしろかったです。レイバックに入るときにもう一本ボル
トが
欲しいなあ、って思いました。あれで落ちると、下の寝たところにたた
きつけられますね。上に立ちこんだあとの微妙なムーブが核心だと思い
ます
が、これはどっかの11bとそっくりでした。従って適正グレードかと
思います。

※一応⑦だけ1テンで、あとは全部OSできました。
左の壁は結構掃除も大変だったのじゃないですか? 大変な労力だった
ろうと思います。ごくろうさまでした。
まだまだ開拓の余地もありそうで、楽しみです。僕にもお手伝いさせて
ください。