メンバー 伊藤・記
2009年11月25〜28日
●プロフィル
島そのものが山という屋久島。海を見はるかす展望と海洋性の植生が魅力だ。最高峰の宮之浦岳は島の奥にあってアプローチは長い。定番のルートは淀川登山口から宮之浦岳を越えて白谷雲水峡までの1泊2日コース。高塚小屋など避難小屋利用になる。
日帰りするなら淀川登山口までレンタカーかタクシーで入り宮之浦岳ピストンが可能だ。記録はその往復登山。
宮之浦岳。日帰りOK |
●行程
宮之浦岳 淀川登山口|花之江河|宮之浦岳|淀川登山口(行動9時間)
縄文杉 白谷雲水峡|縄文杉|太鼓岩|白谷雲水峡(行動11時間)
●レポート
11月25日。
昼の飛行機で屋久島入り。レンタカーで海岸線をドライブ。きれいな夕日を見る。チケットに付いていた安房の鶴屋泊。同宿の百名山おじさんと情報交換。
11月26日。
6時に宿を出て舗装林道ドライブで淀川登山口へ。数台の車とストレッチングする登山者。朝日とともに7時スタート。照葉樹の森を行き谷を越え屋久杉とシャクナゲの尾根を辿る。登山口が標高1340mだから宮之浦山頂まで標高差は600mしかないが、いくつもの起伏を越えていくので時間がかかる。
シカ、サルと遭遇。2時間ほど歩くと花之江河。南の島には稀有の高層湿原だ。
山腹をトラバースすると投石平。ササとアセビの草原の向こうに宮之浦岳が顔を出す。翁岳と栗生岳の鞍部から急坂を1時間ほどで山頂に達する。12時着で片道5時間ほどかかった勘定。
山頂は360度の展望。正面の永田岳が険しい。その奥に東シナ海、広い草原のあちこちに花崗岩の巨石が転がっている。帰路は同じ道を戻る。4時間歩いて4時終了。一日中好天でけっきょく7〜8人しか会わなかった。
安房の水明荘に移動。もののけ姫のファンには有名な民宿。清潔で美食。
縄文杉 |
縄文杉を見に行く。白谷雲水峡からもののけの森を抜けて往復。7時スタート。縄文杉のあたりで荒川から上がってきた複数のガイドツアーと合流してにぎやかになる。太鼓岩に寄って夕日を見て、6時、暗くなるころ駐車場に戻る。
11時間行動。全日好天。
水明荘。ネットから拝借 |
海岸線をドライブして名所をまわる。朝の好天が昼頃大降りになり、また夕方にはきれいな夕日が拝めた。天気予報が外れるのはこの島ではふつうらしい。
29日 どんぐもり。朝いちの飛行機で帰京。鹿児島乗換えのjalの777機が飛びあがって10分もしないのに機体不具合で空港へ戻る。油を入れ忘れたのか、こんなのは初めて。次のjal便で帰る。
●アドバイス
・淀川からの宮之浦岳往復はやや長いが危険個所はない。
・屋久島で押さえておきたいポイントは宮之浦岳と縄文杉。定番の山小屋利用の1 泊2 日コースなら2 か所を通る。縄文杉は人の山だが、宮之浦岳はそれほどでもない。
・屋久島は日本でいちばんガイドが多いところで、いわゆるエコツアーがたくさんある。その中から宮之浦岳登山を選ぶこともできるが、百名山ハンターなら自前で行動できるだろう。バス、タクシーがかなり使える。
・GW、梅雨があけた夏、秋が登山シーズンだが混雑する。冬は好天日が多くおすすめだが真冬は雪山となる。
●参考
・屋久島へは、航空便利用か鹿児島から高速船トッピーかフェリーで渡る。島内バスは屋久島交通バスなど、タクシーはまつばんだタクシーなど。ほかに大手レンタカー会社。
・屋久島の宿は各種あって豊富。宮之浦と安房に集中しているが安房が比較的ヒナで静か。
・観光客向きのエコツアー会社が多数ある。宿から登山口の送迎をしてくれるので便利だがガイド付きツアー。
・1 泊2 日の縦走コースにした場合、利用する避難小屋は高塚小屋、新高塚小屋がよいが、混雑することがあるのでツエルトなどを用意したい。
取材 2009年11月25〜28日 メンバー 単独